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3話 雨歌と伊月と主人公? 1

 座席表を確認した後、僕は自分の席で溶けていた。クラスに着いたので降りようとしたがガッチリと伊月に固定されていた為、降りれなかった。普通にあそこで降ろしてくれば良かったのに無駄なことをしてくれやがって……明日からサボろうかな。


「機嫌を直せって。俺と雨歌の仲はクラス中に知れ渡ったんだからいいだろう」

「僕は怒ってませんよぉぉだ。ただ恥ずかしかっただけ」

「「「うぐっ」」」

「「「かはっ」」」

「・・・愉快な連中だな」

「急にダメージ受けてるんだけど……」


 何故か数名はダメージを受けたみたく倒れている。伊月は呆れた表情しているが僕はドン引きである。別にいつも通りのやりとりをしていただけでこんな感じになるとは思っていなかったからなぁ。1年間はこのクラスって考えると不安が出てくるな。


 イケメンがちっさい奴を抱きかかえて教室に入ってきたと思ったら次はソイツて楽しげに話していたらこうもなるか。中学の時もそうだったからよく分かるよ。主に女子がキャーキャー騒いでいたのは覚えている。ダメージを受けた男女比は半々な訳だから驚きだよ。


「ねぇ伊月」

「どうした?」

「帰りたくなってきたんだけど」

「ダメだ。俺が側にいるから我慢しろ」

「伊つ_「カッコいいセリフだね」_」


 先ほどぶつかった男子生徒がやってきた。伊月は思いっきり睨んでいるけど、彼はそれを無視して肩に手を置いている。初対面ではないけど印象が最悪の奴から触れられていることでだんだんと不機嫌になっていっているから離れてほしんだけど。


 伊月の機嫌を直すの大変なんだからさぁ。帰ったら二時間は膝の上で座らないといけなくなるからやめてほしい。口を何故か塞がれたから何も言えないから伝わってくれーって心の中で願うしかない。


「二人だけで仲良くしないでボクも混ぜてほしくてね」

「間に合っている。お前とは仲良くする気なんてサラサラない」

「ひどいね。そっちの彼にも話を聞きたいんだけどいいかな?」

「断る。雨歌には近づくことはさせない」

「独り占めすることはないじゃないか? こんなにも可愛いのに」


 いい人かもって思ったけど、普通に不快な人だね。誰が可愛いじゃぁい。男に可愛いって言うのは地雷って知らなかったのか? 知らないなら僕が教えてやるよ! 覚悟し……ろ。身体が動かないってことは、伊月の奴が能力を使っているのか。


 口は塞がれているし身動きもとれない状態ってことはこの瞬間は僕はこのまま傍観しておかないといけないってことだよね? そんなのはいやだからどうにか出来ないだろうか。伊月の能力は確か金縛りに近いって緋華さんが言っていたから気合でなんとかすればいけるはず。


「雨歌……暴れるなよ」

「ふごぉふごっ」

「えっカワッ! 写メ撮ろ」

「むがっふぅごっ」

「今の状態で怒っても可愛いだけだぞ」

「・・・」

(主人公は無視されてるだと?)


 くそぉ〜伊月め。一人以外が温かい目で僕らの方を見てきているからやめろ。温かい目で見られるのも訳が分からないけど、冷めた目で見られるのも分からないぞ。伊月に話しかけてきた男子生徒が僕への視線が酷く冷たいように感じられるんだよね。てか主人公って何?


 それはさておき初対面だし何も彼にそんな視線を向けられることなんてしたことはないけど、今の状況に対してならごめんなさいとしか言えないから許してほしい。喋れないし動けないしでどうしようもないので僕を睨まないでほしいですよ。


「まぁいいや。君たち外部から受験してきた子だよね?」

「俺らはお前と話す気なんてねぇよ。話があるなら後ろにいる女子を通してからにしろ」

「嫌われることなんてしていないと思うんだけどな」

「さっきから雨歌への殺意がダダ漏れなんだよ」


 伊月に指摘されたからなのか彼は大きく目を見開いた。殺意を向けられていたとは思っていなかったけど流石にそれは何故? って気持ちが大きいよ。さっきの言葉を聞いて他のクラスメイトがざわつき始めてるじゃんか。止めになんて入れないから傍観を決めるしかないか。


 彼に伊月はさらに追撃するように少し前のぶつかってきた件について話始めた。それは済んだことだと思っていたけど伊月の中では済んでなかったことだったみたいだね。流石にあそこまで露骨にやってくるからそうなっても仕方がないのかもしれないけど。背後からぶつかってくるだなんて普通に考えたらおかしいからね。


 それが誰かと居たら後ろを向いて歩いていてぶつかったなら分かるけど、彼は一人だったからね。伊月もそりゃ警戒するって訳だよ。僕だけだったら警戒なんてしてないと思うけど。


「何故、雨歌とぶつかった時お前は後ろ向きだった?」

「誰かに呼ばれた気がしてだよ」

「不自然なほどに俺ら以外誰もいなかった廊下でか?」

「空耳ってあるだろ? それだよ」

「そうゆうことにしておいてやる。だから雨歌に出来るだけ近づくな」

「分かったよ。ここは退くさ」


 出来るだけってクラスメイトとしては近付いてもいいけど他の場合はダメってことだよね。伊月はその辺をしっかりと喋らないから本当に困る。長い付き合いじゃないと中々分からなかったりするのかも? 僕としては伊月の判断に今回は従うから別にいいんだけどね。


 今回は伊月が全面的に正しいと僕も思えるから従うだけだけど、それ以外ならしっかりと話し合うつもりだったからなぁ。母さんと個人的に何やら約束したって言っていたからある程度は従う。依存をしない程度だからね。自立しないといけないからその辺はしっかりとしないと。


「雨歌、アイツとはあまり関わらないようにしとけ」

「あのさ急に口を塞がないでよ」

「すまんすまん。お前ならアイツをあまり警戒しないと思ってな」

「それについてはありがと。僕も彼とはあまり関わらないようにするよ」

「あぁとりあえずは1年間は我慢だな」


 僕を守るための行動だったみたいだから怒らないけど、違かったらブチギレてやったのに……残念。ほんと彼は関わらない方がいいタイプなのかもしれないね。主人公って言っていたし。


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