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28話 ブラックプラネット? 1

➖雨歌の部屋➖

―津堂伊月視点―


 俺と緋華はあの凸凹コンビとのWデートを終わらせて、雨歌に会うために来たのだが……本人は落ち込んでいた。まぁ仕方ないとは思うが何故あの女のことでそこまで落ち込むのかが分からなかったのだが雨歌からすれば、落ち込むか。


 だから怒る気は俺としては全くなかったし、その前の電話の内容についても怒るではなく、注意だけにしようと思っていた。緋華が珍しく雨歌に対して怒っていると言ってきたので俺は大人しく後ろで待機していたら、まさかの昨日のことで怒っていたのだ。


「緋華、昨日のことで怒るなよ」

「雨歌くんが居なくなったからってなんで蒸し返すの?」

「そりゃお前のことだから……もしかして催眠でもしたのか?」

「・・・なんのことかわかりません」

「それは答えを言っているのと同じだろうが」

「催眠じゃないもん。ただ意識を逸らしただけだよ!!」


 緋華はそう言っているが、絶対に何か仕込んだ。雨歌は催眠や洗脳系統には弱いって分かっているよな? 言ってあるとは思うんだが確実ではないから分からないな。まぁ雨歌が落ち込み続けるよりは全然いいから別にしても怒ることはしない。


 そもそも俺も普通に雨歌へ催眠術は使っているから緋華に何か言うと……催眠していることがバレる可能性があるから言えないんだよな。またお袋に説教されるのは嫌だからな。そんなことよりも気になることは古村があの場にいたことだ。


 俺らがショッピングモールにいた時に、古村がいた。まぁそれだけなら、遊びにでも来たと思うのだが……何か空間にした。そこから雰囲気がガラリと変わった。その時に電話が来たから追いかけることもできなかったがな。


「緋華、そういえばお前」

「ん? どうしたの?」

「昔から何かと言い当てることがあったよな?」

「小さい頃でしょ。最近は何も当てれてないし」


 もし古村が転生者だと仮定するなら変な行動している者は転生している可能性もあるな。雨歌を守る為には色々と調べておかないといけないからな。緋華が転生者だったら一番良かったんだが……そうではなさそうだしな。


 研究所から救い出せたのは俺の妖力があったからだし、緋華が何かを変えたわけではないんだよな。そもそも転生者には”ギフト”と呼ばれるモノが与えられるわけだし、確か眩寺さんの所属している組織が管理しているって話だった筈だ。


「・・・そうだ。伊月」

「なんだ? 今考え事をしていて忙しいんだ」

「リルーナ・ファングッテ知ってる?」

「有名人だろ。それがどうした?」

「今こっちに向かってるって兄様から連絡があった」

「はぁ!?」


 目的は雨歌ではなく俺だろうな。あの原点種の頂点にして俺らが通っている学園の長の始祖様でもある生き物がこっちに来ているとなると確実に巻き込まれるな。今の俺でも勝てるかは分からないくらいにはバケモノだ。


 生きる伝説として全世界で恐れられている者を雨歌に会わせたくない。俺は緋華に言って紫音にここから10分程度の所にある誰もいないただ広い空き地に誘導するように指示した。話し合いが目的ならば前もって連絡を入れるだろうからな。


「兄様から了解ッテ返信が来た」

「よし、俺も急いで移動する。雨歌を頼んだ」

「分かった」



➖空き地➖


 俺は空き地まで急いできた。もし雨歌の家で何かあったら洒落にならないからな。車で移動しているって話だったし、まだ着かないだろうな。それまでにどうやって対応するかを考えないとな。よく聞くのは怒らせるのはダメだと聞くしな。


「へぇ~アナタが引きこもり種族の姫のご子息?」

「は?」

「あら、言葉は通じている筈なのですけど」


 いつ背後に立っていたのかが分からないほどに隠密が出来るのに視界に入れた瞬間に来るこの威圧感は一体なんだ? コレが初代なのか? ただの普通の女性に見えるぞ。それになんと言うか想像していたよりも小さい。


 雨歌と同じくらいの身長しかなくて幼いようにも見えるが普通にバケモノだと言うことは威圧感で分かる。ありえないくらいにはバケモノ染みている。


「警戒しているのね? 心配しなくてもいいわ」

「威圧感を出しておいてか?」

「ふふっ、君はコレが効果てきめんと分かっているもの」

「威圧感はあるが俺はなんともないぞ?」

「アナタはね。アナタの大事な子はどうかしらねぇ?」


 なるほどな。確かにソレは効果てきめんではあるな。俺は大人しく両手をあげて敵対する意思がないのを見せた。リルーナは「いい子ね」と言って威圧を出すのをやめた。コレで雨歌は大丈夫だと思うが、何が目的なのだろうか?


 世界のラスボスとして言われているが支配するようなこともせずにただ敵対するモノを全て破壊しているだけとはよく聞くがな。実際のところは何をしているのかが分からないが今の社会を作ったのはリルーナのせいだと言われているし、学校で習う。


「出来れば雨歌って子に会いたかったのだけども今回はやめておきましょう」

「何が目的だ?」

「簡単よ。彼を保護したいの」

「は? 俺が守るからいらん」

「彼はあの研究所から救い出されたのでしょう?」


 まぁ知っているよな。それに関しては驚くことはないな。コイツはラスボスなのだ。コイツを超えれるとしたら、相当なことをしないといけないからな。話が脱線するだろうからおいておくが、雨歌を保護ねぇ。信用できないな。


 雨歌はあの研究所で薬漬けにされていたことから普通ではない。それは知らないとは思っていたが……知っている可能性もあるな。


「ブラックプラネットって知ってる?」

「いや、聞いたことが無い」

「でしょうね。この世界を作った組織の名前ね」

「は? 待て待てそんなこと習ってないぞ」

「あら……そうなのね。私も彼も同じなのよ」

「同じ?」

「その組織が持っている研究所で産まれた」


 ブラックプラネットと初代原点種か。関係性はないって言ってほしいが普通にあったわ。しかも雨歌も同じって洒落にならねぇよ。頼むから何も起きないでくれよ?


「ちなみにだけどね創立メンバーは一人を除いて生きているわ」

「もうやめてくれ。頭が痛い」

「それもボスと言われる存在がね」

「やめろ」

「ふふっ、最後に彼の母に幹部が接触したわよ」


 リルーナはそれだけ言って消えた。もう何も考えたくなかった



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