24話 双子1
➖超大型ショッピングモール➖
―津堂伊月視点―
はぁ来たのはいいが何故、俺だけが荷物持ちにさせられているんだよ。狗谷もいるんだから別にそっちにも頼めばいいだろうが!! まぁいいや。この死神娘は油断ならないがおそらくは狗谷を護るために色々としてきたんだろうしな。
「なぁ津堂、俺も少し持とうか?」
「あぁ頼むよ」
「トモくん……に持たせる必要はないですよね?」
「シーちゃん、俺が持つって言ったんだよ」
「・・・もぅトモくんは優しいんですからぁ」
うわぁ雌の匂いを出すなよ。びっくりして荷物を落とすところだっただろうが。なんでこんな雌全開の奴の荷物なんて持たないといけないんだか。まぁそんなことはどうでもいいんだが……さっきから気になっている所に行きたいんだよな。双葉教室ねぇ。
何やら子連れが多く入っている施設ってここにあった筈はなかったんだがな。新しく出来た可能性もあるんだが変な匂いがするんだよな。獣人の嗅覚に反応しないってことはおかしいが、原点種に関しては研究が進んでいないらしいからな。
「最近出来た施設が気になるの?」
「あぁ何かきな臭いような気がする」
「双子持ちしか入れないんだって」
「は? 双子だと?」
「何やらリスクとかを説明するとかなんとか」
「緋華は興味はないのか?」
「ない」
まぁだろうな。出産のリスクとかもあるからそのことを説め……い、じゃあねぇな。今見た中で妊娠しているのは居なかった。まぁパッと見た感じってだけでもしかしたら妊娠している人もいるかもしれないな。俺はまだその辺は学んでいないから分からない。
緋華は分かるかもしれないが……コイツには教わりたくない。癪だしな、絶対に煽ってくるだろうから教えを乞いたくない。まぁお袋にでも教えてもらっておくかな。・・・いや、お袋はやめておこう。この間怒らせたから……いっときはそっとしておかないと。
簡単に雷が落ちてくるからなぁ。この間の件でこの機械を取り付けたのはお袋だし、今度は何をされるかが分からないしな。この電撃には慣れたからもう流れてもなんともないからな。それがバレたら強くされるだけだから隠しておかないと。
「お二人は、興味があるのですか?」
「「うわ、びっくりした」」
「すいません。驚かせる気はなかったんですが、お二人がその……」
「緋華……狗谷が一人になったぞ?」
「えぇ~私かぁ。下位種だし仕方ないか」
「紫藤さん、トモくんを少しの間お願いします」
緋華は親指を立ててから狗谷の方に行った。狗谷は一体何を考えて一人行動しているんだよ。下位種のリスクはお前が良く知っている筈なのによ。はぁ……世話が焼ける奴だな。まっ俺が行くわけでもないからいいか。
「それでお前は何が知りたい? 大事なトモくんを置いてな」
「不澤くんのことです」
「雨歌のことだぁ? 何が目的だ? お前の愛しい人には手を出す気はないぞ」
「違います。アレを見て思い出したので」
佐藤は双葉教室の先生で合っているかは分からないが、ソイツを指さしている。何か関係でもあるのか? おそらくはコイツは俺らに見えていないモノが視える可能性があるからソレかもしれないな。そこから推測するか。
あまり得意ではないが佐藤の考えを読む。先生は性別はメス、年齢は30~35くらいだろう。種族は気配的には人間だな。戦闘能力はそこまで無いと考えてもいいかもしれないな。雨歌と繋がるところが全く分からんな。
「津堂くんは双子に興味はありますか?」
「ないな。それが雨歌とどう関係がある?」
「それは分かりませんが、彼には命が二つあります」
「・・・死神の権能か」
「はい、私の左目は命を見通す力があります。それを奪うことも与えることもできます」
「ソレは聞いたことがないな」
「でしょうね。今は私だけですので」
なるほどな。あそこが匂う訳だな。双子の子連れのみ入れる教室、先生を見て思い出すこと。雨歌が双子って可能性があるってことだな。確かに双子は魂が繋がっているとされているから二つに視えるのはあるだろうな。
だがよく分からないのは雨歌は双子だと言うことを聞いたことがないからな。そこも紫音に調べてもらっておこう。アイツをこき使うのは別に何も問題ないだろうしな。ただあの先生が双子なのかも気になるが……聞きに行くわけにはいかないな。
「結合双生児と言うのは知っていますか?」
「双子の身体がくっついていることだよな」
「えぇ……所説ありますが両面宿儺も同じことになってしまったのではないかと言われているそうです」
「だからなんだよ」
「そしてそういった者達の命は二つなんです」
「は?」
「双子でも普通なら細い線のようなモノで繋がっているんですよ」
・・・そういうことか。雨歌は結合双生児の可能性があるってことか。あまりにも面倒なことを今伝えてきやがったな。あくまで死神娘の視た意見でしかないが可能性としては高いな。ただもう片方の身体はどこに行った?
雨歌の身体にはおかしなモノといえば子宮があることだけなのだ。はぁ……あまりにも面倒で何も考えたくない。けど本気で紫音に頼んで色々と資料を読ませてもらおう。




