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23話 ダブルデート? 1

➖超大型ショッピングモール➖

―津堂伊月視点―


 本日は火曜日、本来であれば学校に居る筈の時間だが、隣街の超大型ショッピングモールに来ている。二人もの生徒が一時的にとはいえ、行方不明になっているので調査を行わないといけないとのことだったので今週は急遽休みになった。


 雨歌は涼音さんから家で謹慎を言い渡された。流石にあの場で「子供を授かればいいんだよね」って言うのはどうかと思うぞ。雨歌の言い分が全て聞かれた上で反対されていたんだからさぁ。三家が集まっている所でそんなことを言うもんじゃないのにな。


 まぁ親父が「家族じゃないのに、妖力を分け与え続けるのはどうかと」って言ったからトチ狂ったことを言いやがったんだぞ。俺としてはいつでもウェルカムだが。緋華が凄い顔して俺の方を睨んできていたのは記憶に新しい。


「おい、津堂聞いてるのか?」

「聞いてない」

「お前ってあの先輩とどういう関係なんだよ」

「緋華と? 婚約者の婚約者」

「はぁ? どういうことなんだよ」


 面倒な二人に捕まってしまった。俺は家で暇していた時に緋華が突然、乗り込んできてここまで連れて来られたのはいいのだが、犬っコロと死神娘のペアに見つかったのはよくなかった。雨歌と来たかったのにどうしてあんな奴と。


 しかも女子の買い物を待つために犬っコロと一緒に待っておかないとか地獄かよ。何が「ダブルデートしましょう」だよ。緋華に関しても「いいわね」じゃねぇよ。俺とお前はカレカノ関係じゃないってことを忘れていやがるのかよ。


「ただれた関係?」

「な訳ないだろ。単に幼馴染三人で婚約したんだよ」

「へぇ……無理じゃねぇの?」

「色々と条件はあるがな。クリアしてはいるな」

「もう一人は俺も知ってる?」

「知っているぞ。雨歌だからな」

「そっちとただれた関係なのか」


 いやまだ手を出していないから爛れてはいないさ。ある意味で手は出しているが今回は何もお咎めはないってことだしラッキーだった。原点種でも殺すことは出来るし、法律で裁けることは出来る。まぁ進んでやる奴がいないから特権があるってだけだ。


 どんなに弱い種族同士が交配して出来た子供が原点種だった場合でも捕らえるのに小さな町は消し飛ぶからな。リスクが大きすぎるから手を出せないって訳だ。ただ原点種は初めて誕生した者以外では生まれることはない。元祖返りは例外としてだが。


 好き勝手出来るが子孫を残さないと意味がなかったりするからある程度の奴らは大人しくしている。あとは原点種の頂点に数名が虐殺されているからってものあるだろうな。普通に飛んでくるって言う噂だし気を付けておかないとな。


「不澤はいないのか? お前らはいつも一緒なイメージがあるのだが」

「雨歌なら謹慎中だ。家で一人じゃないし大丈夫だろ」

「まぁ何かあったら言えよ。俺も協力するから」


 口には出さないがお前に協力を仰ぐことはないと思っていた方がいい。昨日の件で犬っコロは信用できない奴だと思っているからな。あの死神娘も信用は出来ない。あの緋華が親しそうにしている時点でアレはこっち側だと分かる。


 その対象が犬っコロってだけだが、いつ命を刈られるかが分からないから警戒をしないとな。死神族ってのは鎌を持ち歩いているから気を付けないとヤバい。実際に死神族による殺害が起きたことがある。凶器はおもちゃのハサミだったそうだが。


 専門家いわく「死神の鎌は生涯で一つだけです。形はそれぞれです」とのこと。本当のことかは分からないが、心を具現化させれる種族も多いわけだしありえないことはない。簡単に言えば死神族の鎌はソイツの一番の思い出の道具ってことだ。


「トモくん見てください。買っちゃいました」

「似合うと思うけど、また買ったの?」

「はい、髪飾り収集が趣味ですので」

「シーちゃんがいいならいいか」


 髪飾り収集が趣味ねぇ。わざわざ強調しなくても誰も興味はな__クソッ!! やられた。死神娘が頭の回転は早いのか。死神娘の鎌が髪飾りなのかで悩まないといけなくされた。先手を打たれたことに関してはいいとしようこの際はな。


 死神娘がいつも同じ髪飾りを学校の時は着けているってことはだ。常に髪飾りには警戒しないといけないことになった。しかも強制的にだ。原点種でも死神の鎌による攻撃にはどうしようもない。即死はしないが寿命が縮む。


(伊月……あの後輩ちゃん策士だね)

(知っているさ。俺らが信用していないって分かっているからな)

(演技も上手いから一瞬でも騙される)

(まぁ犬っコロが居れば一旦は安心できるかもな)


 おそらくは猫を被っているのであろう。想い人が近くでいるんだから早々動けたものではないってこっちもお前さんも分かっている。だから敵でも味方でもない相手だから信用できない。犬っコロはバカだから信用できないってだけ。


 雨歌には危害を加えそうな感じはしないから何も心配はしていない。俺と緋華に関しては犬っコロを殺せるから牽制してくるんだろうな。実際に俺は一度コイツを殺しかけている訳だし、相手側の信用もないって訳だな。


「津堂くん、今後ともよろしくお願いいたします」

「あぁ俺もよろしく頼むよ。三人共々な?」

「今更かよ。俺らもう友達だろ」

「知らない私が言うのもなんだけど、君は少しは疑おうよ」

「???」

「雨歌くんと似たタイプなのかぁ」


 緋華の奴はアホか。雨歌は疑いはするんだよ。そこのバカはバカだから分かっていないだけだ。

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