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16話 欲情と連行……1

➖教室(1-5)➖


 今日は月曜日で学校があるから伊月と会えると思っていたのだが、迎えに来たのは緋華さんだった。伊月は今日は姿を現していない。少し心配しながら教室に入ると机に倒れ込んでいた。


「なぁ不澤、アイツどうしたんだ?」

「わからない。狗谷くんは何か原因知らない」

「さぁな。俺が来た時からあんな感じだ」

「私が一番でしたが、来た途端にアレですよ。不澤くんが原因では無さそうですね」


 狗谷くんと話していたら混ざってきたのは佐藤志奈(さとうしな)さんで狗谷くんとは幼馴染らしい。ここ一週間で仲良くなった二人だ。二人としか仲良くなっていないんだけど。


 伊月が無害認定した人達だ。僕に何か害する事はないだろうって言っていたけど、僕にはないだけで他にはあるって事? と思ったのは記憶に新しい。


「原因が分かればいいんですが」

「流石に分からないとなるとあのままの可能性があるな」

「原因……あっ! そういえば一昨日にご両親に怒られていたらしいよ」

「それであの凹みようなのか? メンタル弱くない?」

「彼に限ってそれはないと思うのですが……」


 確かに伊月は両親に怒られてもケロッとしているからあそこまで凹むのは珍しい。両親に怒られたのが原因じゃないとすると分からないから一旦聞きに行った方が早いか。


「ねぇ伊月、大丈夫?」

「・・・雨歌ぁ〜助けてくれぇ」

「一体何があったの?」

「親父とお袋に叱られた後、コレをつけられてな」

「なにそれ?」

「雨歌に欲情しながら触れると電撃が流れるやつ。しかもめっちゃ強い」


 いやマジで何をやらかしたの? 凄く怒ってるじゃん。あの二人がそこまで怒るって相当なことしたってことだけど何をしてそうなったのさ!! もしかして誰かを襲_うのは絶対にないか。


「雨歌にやったことを考えると生ぬるい罰だって言われた」

「あぁあ〜次は相談してね?」

「・・・分かった」

「ちゃんと反省しているなら僕も許すからさ」

「雨歌ぁ〜抱きしめてや__ばがぁぁあ」


 あっ電撃が来てるんだ。って事はさっき抱きつこうとしていたのは欲情していたって判定されたんだ。へぇ〜結構便利そうだし緋華さんにも着けるのお願いしてみようかな?


 あの人には何回も襲われかけている訳だし、着ければ大人しくしてくれる筈。伊月のご両親に買った場所を聞かないといけないのか。


「・・・雨歌くん、伊月は何やってんの?」

「えっとあのリングが電撃を喰らわせてます」

「コレの小型版ね。それで悶えてんの? 雑魚」

「普通に痛いじゃねぇかよ」

「私はその数倍の電撃をいつも受けてるから」

「お仕置きで使い過ぎなだけだろ。それは」


 ちょっと待って伊月が受けている数倍の電撃を受けているって事はさ、同じのを付けるようにお願いしても意味がなくない? いつも喰らっているのに平然としている緋華さんは変人なのでは?


 アレだよね。いつも喰らっているって事は常に欲情して僕に接しているってことになるけど、この人は気がついているのかな?


「雨歌くん、これ言ってくれる?」

「はい。えっと……欲情して僕に接しているんだぁ〜変態さんなんだね」

「次はもっと感情を込めて」

「いやです。これはアレじゃないですか。ダメな奴でしょ」


 渡された紙にはコレが書いてあったが普通に考えてダメなヤツだった。伊月から教わっていて良かったよ。声に出しながら読んでいたから気付くのに遅れたけど、よくない。


 まぁ僕はしっかりと伊月から保健体育を教わっているからこんなのには引っかかるわけがないんだよぉ〜子供がどうやって産まれるからしっかりと教わっているしね。授業中は何故か寝てるけど。


「ちょっとごめんなさい。不澤くん、来てくれますか?」

「どうしたんです?」

「一応確認なんですが、性について知っていますか?」

「バカにしてませんか。性別のことはしっかりと分かっています」

「・・・先輩、ソイツを連行しましょう」

「後輩ちゃん……任せて」


 緋華さんと佐藤さんの二人で伊月を引きずって行ったけど、一体何があったの? 狗谷くんは残っているけどいいのかな? しかもアレが一体なんの確認だったのかも分からないんだけど。


「不澤、今度は俺が勉強を教えてやるよ」

「いいの!? よろしく」

「あぁ津堂に任せると知識が偏りそうだ。シーちゃんも呼ぶから安心してくれ」

「分かった」


 シーちゃんとは佐藤さんのことであだ名で呼び合うなんてよほど仲がいいらしい。まぁ幼馴染だから別にあだ名とかで呼び合うのも普通にあるかぁ。僕も一度二人に対してあだ名で呼んだことがある。


 伊月からは人気のない場所に連れて行かれてあだ名で呼ばないように脅された。緋華さんからは泣きながら「悪いことしたなら謝るから」と縋りつかれながら言われた。


 それ以来はあだ名で呼ぶことはない。あそこまで嫌がらなくてもいいと思うんだけど。そんなに僕に呼ばれるのが嫌ってことないと思いたい。


「はぁ……羨ましいよ。あだ名で呼びあえて」

「そんなことはないと思うぞ。俺の場合はあだ名で呼ばないと反応してくれないんだよ」

「僕の場合は伊月に脅されたよ。びっくり」

「何をされたんだよ?」

「廃屋敷に連れて行かれて伊月に噛まれた」


 狗谷くんはドン引きしていた。そうだよねぇ……アレは誰でも引くよなぁ。僕は困惑しかなかったけどね。


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