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15話 家族会議と説教? 1

不澤家リビング


 僕は検査が終わった後、伊月と別れて家に帰ったのだが……家族の緊急会議がされた。第105回らしいんだけど、僕は今回が初だ。それはいいとして、今回の議題がなんと【婚約】についてだった。


「私は断固反対!! 伊月くんには恩はあるけど、アレはダメでしょ」

夕夏(ゆうか)の言っている事は分かるが……俺は賛成だ」


 夕夏姉さんの言い分は理解しつつ、僕との婚約には賛成な父さん。まぁ確かに僕の身体に子宮があったことには驚きだけど、それよりも驚いたのは伊月がそれを使えるようにしていたことだ。


「父さん、俺も反対。雨歌兄を任せたくない」

「海兎はお子様。雨歌兄さんの気持ちが問題」

「雨歌ちゃん次第かなぁ」


 海兎は夕夏姉さんと同じで反対派で、母さんと空は僕に判断を委ねようとしているのね。


「津堂伊月は……生徒会にぶち込んで性根を叩き直してやる」

(あお)、甘過ぎるわ。けど、いい案ね。この際だから緋華ちゃんも私達で鍛え上げましょう」


 碧兄さんと梨奈姉さんは……ズレてない? 賛成か反対かを決めるんだよね? 何を鍛えようとしているの? 二人は生徒会で頭がいいんだよ? 状況わかっているの?


「俺の妹と結婚するなんて反対に決まっているだろ!! しないよな? 不澤雨歌!!」

「なんでテメェがいんだよ!? 出てけシスコン」

「いや、眩寺さんと夕夏さんに報告があってきたんだが……」

「じゃあ僕に絡んでくるな!!」

「いつもの癖だ!!」


 このうるさい奴は紫藤紫音(しおん)。緋華さんの兄で自他共に認めるシスコンだ。父さんと夕夏姉さんの職場の後輩になっている。そして家に来ると必ずと言っていいほど、僕に絡んでくるのだ。


 まぁ本人も無意識みたいだったから今回は許してあげるけど、もうすぐ十二時回るんだからさ明日にすれば良かったのに。時間が時間だし緋華さんに連絡入れて今日はうちで泊まって行ってもらおう。


「紫音さん今日は泊まって行ったらどうですか? 時間も遅いですし」

「俺はまだ死にたくないからやめておく。報告書だけで済むようだしな」

「そうですか」

「あぁ気遣いありがとう。雨歌は相変わらずだな」


 この人は普通にしておけばいい人なんだけどなぁ。緋華さんが絡んだら頭がおかしい人になってしまうけどそれ以外ではまともなんだ。ただシスコンなだけで常識人だしね。


 顔とかはイケメンなのに本当にこの人は勿体無い。ちゃんとしていればモテまくるのにさ、暴走機関車になるからそれだけで色々と残念になっちゃう。まぁモテるのは本人から鬱陶しいだけと言われたから放置しておこう。


「あ〜緋華から聴いたぞ。大変だなこれから」

「それはまぁ……うん」

「緋華に加えて伊月まで気を付けないといけなくなったのは大変だと思うけど、頑張れ」

「・・・助けては?」

「無理。妹には嫌われたくない」


 知っているよ。それだけの理由で緋華さんがストーカーしているのを黙認しているんだからさ。どこまで行っても妹ラブな兄だことで。まだ良かったのは衣類が盗まれていないってところだね。


 はぁ……紫音さんが言ったとおり緋華さんに加えて伊月まで気を付けないといけなくなるのはしんどいな。自衛できるように護身術とか学んだ方がいいかな? その辺は父さんに相談か。


「伊月くんには困ったモノだ」

「どうしたの? 父さん」

「一応人体改造は違法なんだが……雨歌の場合は少し特殊でな」


 父さんいわく僕のは人体改造にギリギリ当てはまらない。元々僕の身体の中にあったモノを修繕して機能するようにしただけだから法には触れないとのこと。伊月も危ない橋を渡るのはやめた方がいいのに、どうしてそういうことをするのかな。


 そもそも僕に何故、女性が持っている筈の子宮があるのかが気になるところだけど、考えても仕方がないか。大事なのは伊月が捕まらないってことが一番大事なことだからねぇ。それはそれとして、


「伊月は説教しないと」

「雨歌兄さんの説教……」

「碧、明日は伊月は接触禁止にさせましょう」

「ついでに緋華もな。もし巻き添えを喰らったら可哀想だ」

「そうね。姉さんの巻き添えを喰らった時は殴ってやろうかと思ったものね」

「梨奈ちゃん、碧くんは二人の扱い方雑じゃない? あとお姉ちゃんのも」

「雨歌兄が説教するくらいはやらかしてしまった」


 いや、僕は普通に説教するだけなのにそんなに狼狽えることなの? 僕は何もしないよ? 説教するだけだよ?



➖???➖

―???視点―


「は?」


 月曜日の朝、学校や仕事に行くのが憂鬱になりながらテレビをつけてニュースを観ていると、そこには一番関わりたくないバケモノが映し出されていた。


 それはとある恋愛バトルシミュレーションゲームで出てくる“ラスボス”だからだ。ボク自身はそれをプレイした事は一切ない。


 ただボクは特別で異世界人の記憶がある。画面の向こうはボクが見ている景色と同じのが見えているし、次がどう動くかが分かっていたのに……こんなに早くあのバケモノが来るだなんて。


「やっぱり不澤雨歌は異分子だ。アイツがいるせいで原作が狂っているんだ」


 あの中性的な存在は本来ならば死んでいる筈なのに、生きている。という事はアレは転生者で元々死ぬのが分かっているのであれば、回避は出来る。ボクがどうにかしてシナリオを戻さないと……


「待てよ。IFルートで生存はしていた筈」


 もし今の世界がIFルートなのであれば、彼が生きていることも不思議ではない。見た目も中性だけど、女性よりにも見えるから……もしかしたら攻略対象かも。

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