異世界1日目のメモ
さて、勘のいい皆様はお気づきだろうが、私は寝て起きても現代日本に戻れなかった。
翌日からも魔術師ヴィクトルの身体で行動することになるわけだが、その前に今日一日で出会った人たちや、この国について分かったことを一通りまとめておこうと思う。
こうして書き出してみると、たった一日で意外と多くの人に出会っていて驚いた。
<人物>
戸松絢音 ……私。二十一世紀の日本人大学生。今は何故かヴィクトルに憑依中。
ヴィクトル(Victor) ……魔術師。私を降霊術で憑依させた。人見知りで臆病な人らしい。
ギル(Gil) ……東街の孤児院に住んでいる少年。ダニーの兄貴分。しっかりしていて良く気が回る。ヴィクトルの手伝いみたいなことをしているらしい。
ダニー(Danni) ……東街の孤児院に住んでいる少女。見た目や話し方が少年っぽい。素直で人懐っこい。昔ヴィクトルの家に居付いていた。
ティモシー(Timothy) ……魔術師ギルドの職員。トンプソン氏の甥。ゆるい雰囲気の青年。
ドッピー(Doppi) ……ティモシーの友達? 謎の水毬。愛嬌がある。
トンプソン氏(Mr.Thompson) ……魔術師ギルド理事。ティモシーの叔父。小柄で恰幅の良いおじさん。ヴィクトルに苛ついているっぽい。
アシュクロフト氏(Mr.Ashcroft) ……ヴィクトルの兄。東街の孤児院のパトロン。ギルとダニーに冷淡。
<その他>
・私は一九〇九年の「セイヴェル」というヨーロッパの国にいるらしい。
少なくともヨーロッパ大陸は私の知っている形に見えたけど、魔術が生活の中にある時点で色々おかしい。
・ヴィクトルが降霊術で私を呼び出したらしい。
ヴィクトルはお茶会をやり過ごすために霊に肩代わりさせることがよくあったそうだ。
←私、霊なの? 死んだ記憶ないんだけど。
←霊だとしてもなんでわざわざ百年後の日本から呼び出されたの??
・この国の魔術は、私がファンタジー作品でイメージしていた魔法ほど便利じゃなさそう。
・路地で金髪の少年に出会った。なんでか知っている気がするけど、考えると頭痛がして駄目だ……。
本日は12時過ぎにもう一話投稿します。




