第六章:晩餐台混沌油
#完璧な家族の作り方 #ネット小説 #なろう #サイコスリラー #胸糞小説 #ダークファンタジー #ホラー #R15
電気焼灼器の煙が室内に充満し、薄い霧を作り出していた。源一郎の狂気が加速する中、影に潜んでいた詩織が動き出す。
【視点:風間 詩織 — 隠れるのをやめた子鼠】
父様と結莉お姉様は、衛土お兄様のそばで陶酔している。二人は私を見ていない。彼らにとって、私は部屋の隅にある壊れた家具と同じ。
私は手術台の背後にある酸素制御パネルに向かって這った。そこには、この家の血管のように脈打つコードやチューブが並んでいる。手には、錆びついた園芸用鋏を握りしめている。
「完璧な……家族……」
私は父様の声を真似て囁きながら、ガス圧を調節するホースを切り裂いた。
――プシュゥゥゥッ!
麻酔ガスが漏れ出し、低い音を立てて噴き出した。それだけじゃない。私は純粋アルコールを掴み、結莉お姉様の手の中で作動している回路に向かってぶちまけた。
すべてが崩壊したとき、二人の「愛」がどこまで続くのか見てみたいの。
【視点:風間 結莉 — 燃え上がる陶酔の絶頂】
父様は私のそばで甘美な言葉を囁いていた。
「お前は私のものだ、結莉。永遠にな」
彼は囁き、まるで宝物に触れるかのように私の手を取った。
私は瞳を閉じ、この歪んだ愛に身を委ねていた。しかし突如、鼻を突くアルコールの臭いがし、手の中の機械が巨大な青い火花を散らした。
――バチチッ!
「父様!」
アルコールに触れた手袋に火が移り、私は叫んだ。
炎は瞬く間に広がる。だというのに、父様は逃げるどころか、火の粉の中で私をさらに強く抱きしめた。「見なさい、結莉! 私たちの愛が燃えている!」
黒煙が立ち昇り、混沌がすべてを飲み込んでいく。充満したガスのせいで、意識が混濁し始める。
【視点:風間 源一郎 — 包囲された支配者】
炎の色彩は、私の目にひどく眩惑的に映った。この場所は今や業火の舞台だ。
「美しさは今、始まったばかりなんだ!」
煙の痛みも無視して、私は叫んだ。
制御を取り戻そうとするが、視界が揺らぐ。ガスが回るのが早すぎる。視界の端で、直立する詩織が見えた。この家の土台を揺るがした、小さな影。
【視点:風間 衛土 — 窮地の中の好機】
焦げた臭いが鼻腔を埋め尽くす。この混乱の中、手首を縛る拘束が緩んだのを感じた。苦痛の中でも、逆襲の意志が俺に力を与える。
遠くから詩織が俺を見ていた。その瞳は冷たく、彼女が俺に向かって園芸用鋏を投げ寄せる。
――ガランッ。
鉄の塊が、俺の手元に落ちた。これこそが、唯一のチャンスだ。二人が混乱している今、動かなければならない。この鋏は、この悪夢を終わらせるための鍵だ。
「最後までお読みいただきありがとうございます。次回の更新は明日、22:00を予定しております。また明日お会いしましょう!」




