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110『Side:今居久留里』

真希ちゃんが弓で射った魔法の矢が、蜘蛛の巣をすり抜けて半透明の大蜘蛛にどんどん刺さっていく!


かっこいい!

氷結魔法の矢ってところがクールな真希ちゃんにピッタリだし!


でも蜘蛛が後退りして……壁の中に……消えちゃった?


それを見たユッピーがフロアの中央に移動しようと言ってきた。



「あいつは物理的な障害物を無視する、だからこのフロアの壁の中に逃げ込んだんだろう。おそらく4面あるどこかの壁から出てきて攻撃してくると思うから中央が一番安全だ」



そだよね。いきなり目の前の壁から出てきたら絶対にテンパるもんね。

さすがリーダー!


そんなワケで私たちはフロアの真ん中まで移動した。



「雪奈の魔法と真希の魔法の矢は、あとどれくらい使えそうだ?」


「勇人君ごめん。爆裂火球はもうそろそろ厳しいかも……」


「私は魔法に慣れていないから判断しにくいけど、そもそもの魔力値が低いから魔法エネルギーもそんなに多くないかもしれない……アテにしない方がいいわ」


「そっか……俺が闇魔法を使うために透過蜘蛛の足止めをお願いするには厳しい感じだな」



あらら、結構ピンチかも?

じゃあ、ここでやっと私の出番だね。



「ユッピー! 私の転移魔法でこのフロアから逃げちゃおう!」


「ああ……そうだな、それがいいだろうな。久留里、頼むよ」


「りょ!」



全身に魔力を巡らせて目を瞑る。

地下1階フロアがまぶたの裏に見えてきた……じゃあ、転移!


いつも通り小さな光の粒が地面から上がってきて……んん?


……光の粒が消えちゃったんですけど。



「なんで? なんで? なんで転移できないのー?」


「そういうズルみたいなのは許さないってことか。結界か何か知らんけど対策されてるってことみたいだな」


「ぴえん!」



私の見せ場がー!

なにか私も新しい魔法をひらめかないと! せっかく魔法エネルギーは残りまくってるんだし!


う〜ん。う〜ん。

いつも勝手にひらめいてたからよくわからない。


どんなことを考えたらいいんだろ?

ユッピーは「必要だ」って強く思ったらあの闇魔法が使えるようになったって言ってたし、「何のために魔法を覚えたいか」とかを考えたらいいのかな?


……何のために。


前までは活躍して有名になりたいから魔法をいっぱい覚えたかった。

でもいまは

西新宿ギルドを1位にしたいから魔法を覚えたいって気持ちが強いかも。



────ギルドランキング世界1位を目指さないといけない理由が私にはあるし。



パパまでユッピーのこと気に入ってるなんて思わなかったなー。


イマイグループ創業家の娘婿にさせて、まずはダンジョン開発部門を任せてから、最終的にはグループCEOまで任せたいって考えてるんだもん。


だからそのためにも、ランキング世界1位ギルドのリーダーっていう実績が大事だってパパは言ってた。



階段から見て右の壁から半透明の蜘蛛が出てきた。

雪奈さんと真希ちゃんが魔法攻撃の体制になった。



世界ランキング1位を取ったあとに「奥野勇人」から「今居勇人」になってもらうためにも、こんなところで負けたくないよ。


1位にならないと! ユッピーと私の夢を叶えないと!



その瞬間────これで人生で5度目の“ひらめき”を得た。



「ユッピー! あの蜘蛛が動けなくなればいいんでしょ!?」


「ああ、だけどそれは厳しいっぽい状況だから、イチかバチかで俺の闇魔法を発動させるしかないかもしれない」


「待っててね、新魔法でなんとかするするから!」


「……へっ!?」



私は右手を胸元で軽く握って、その手をそっと前へ差し出した。



聖光の鎖(ルミナスチェイン)!!!」



5本の指先から出た細い光が、蜘蛛に向かってまるで新体操のリボンみたいに泳いでいった。


そしてその光は「光の鎖」に姿を変えて、半透明蜘蛛の脚へ、胴へ、喉元に巻きついた。


必死にもがいてるけど、絶対に外せないよ。

私から逃げよったって逃げられないんだからねー。



「魔法でできた鎖だからあの蜘蛛にも効果があるわけか。これで俺の闇魔法で倒せる。でかした久留里!」


「あはは、あとでいっぱい褒めてねー!」


「まったく……わかったわかった」



ユッピーはいつものちょっと顔をクシャっとさせる可愛い笑顔をしてから、両腕を前に伸ばした。

その笑顔、好き。



ねえ、ユッピー。


ユッピーはいまは私を子供扱いしてるけど、あと数年したら私だって立派な大人なんだからね?

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