若き赤狼は黙り込む5
気が付いたら二カ月も更新が滞っていました。
申し訳ございません。
今一つテンションが…。
なぜかおぞけが走る。
ジャセル殿は何をしたいのだろう?
「やっぱりお前がいい。」
ジュセル殿がチロチロと二つに別れた舌で私の頬を舐めた。
「お、お前がいいとは。」
私は悪寒を耐えて顔を背けながら声を絞り出kした。
「もう、わかってるはずだよ、『オレの花嫁』さん。」
ジュセル殿ががそういいながら抱き締めてきた。
足に絡まった蛇体はまるで骨をおる勢いで私を締め上げてくる。
「…やめろ。」
オレは痛みにこらえてやっと言った。
身体が動かない…鍛えてきたはずなのに役に立たない。
は、な…よめ?どこかできいた。
「足なんか要らない…逃げるからね、愛してるよ。」
ジュセル殿がますます足とついに胴体も締め上げる。
「話し合…。」
骨がギシギシ言う…気絶しそうだ。
「お前さえいればいい。」
締め上げながらジュセル殿が私の口に舌をはわせた。
「あ、アンリ。」
私はやっといって意識を失った。
月が見える…。
あの日の月が…。
結婚式披露パーティの夜…あれは油断した。
名門のあれに挨拶に来たどこぞのセレブリティとやらと話している隙に私は抜け出した。
ひとがあこがれる高級別荘地とやらの屋敷からドレスのまま駆け出す。
庭から舗装された山道に出たとき月が見えた。
ああ、もうすぐ自由になれる。
長い監禁生活で弱った身体は悲鳴をあげていたけど心は晴れ晴れとしていた。
そう、『私』は自由になる。
細い道路を駆け出す、途中で華奢なパンプスは脱いだ。
あの月の向こうにいけば、きっと…。
『どこにいこうというの?』
背後から声がきこえた。
いったいどうやって『私』が逃げたのが…。
『どこにいってもわかるよ…お仕置きしないとね。』
『あれ』が甘やかに言った。
もう、嫌だ…。
私は駆け出した。
月が見える。
満月の月が…。
『捕まえた。』
『あれ』に腕を捕まれた瞬間、『私』はもがいた。
そして…そのまま…崖の下へ…。
『私』は死んだ…。
ならばここにいるのは…。
カルティス・レーイドだ、赤狼族のカルティス、男だ!『私』じゃない!
「何しやがる!カル!」
アンリのこえがする。
アンリがセジャテ殿と争いながら部屋に転がり込んで来たのが見えた。
「やめて…いただこう。」
意識が戻ると息苦しい。
「なんだ、諦めたんじゃないんだ。」
ジャセル殿が笑った。
蛇体が絡み付き目の前にジャセル殿の顔があった。
これはあれじゃない。
そして、私は『私』じゃない。
満身の力を振り絞ってジャセル殿を振り払った。
ジャセル殿は床に飛ばされて倒れた
「ジャセル様!」
セジャテ殿がアンリと争いながら言った。
「セジャテ、騒ぐな、私の花嫁は動揺しているようだ。」
ジャセル殿がシュルリと起き上がった。
「カルは男だ!あんたの花嫁じゃねぇ!」
アンリがついにセジャテ殿を押さえつけて言った。
「……思い出したみたいだね、正式にレーイド家に申し入れよう。」
ジャセル殿が近づいてきたのでかまえる。
「お断りします。」
私は大きな息を吸って言った。
「断る?ふーん、まあ、やってみればいい。」
ジャセル殿が笑いながら近づいたので身構える。
「よるな!」
私はジャセル殿…あの男をにらみ付けた。
ここで気迫負けしたら一生付きまとわれる…今度こそ負けない。
「私のものになれば、あのメス狼は解放させましょう。」
壮絶な色気をまとってジャセルが言った。
「不本意ですが、お言葉にしたがいます。」
セジャテ殿がアンリに対峙しながら言った。
ミノン嬢の相手はこの一見穏やかそうな男なのか?
「さて…長殿はどの様に判断いたしますか…。」
シュルリとジャセルが寄って来た。
「…おじい様は…。」
どの様に判断するか…おそらく蛇族との友好と一族の安寧のために…。
「カル!長はちゃんとお前の事を愛してるあきらめるな!」
アンリがセジャテ殿に攻撃を繰り出した。
「うるさいワンコは私が処理いたします!」
セジャテ殿が目を釣り上げて言った。
ワンコと言う図体じゃないと思うが…。
「あきらめたのですか…大丈夫です、同性がいやなら女性になれる薬もすべもありますよ。」
ジャセルが近づいてきて触りそうになったのではねのけた。
「おことわりする。」
私はこの身体で生きてこの身体で死ぬんだ。
たとえ…医術にたけた蛇族の力で女になれるとしても小さい段階からそうに決めたのだから。
「まあ、同性でもかまいませんよ、私は。」
絡みつこうとするジャセルを蹴りとばした。
一族を守るのがたしかに私の役目だ!
でも、その一族にアンリも私も含まれてる!
だから…逃げたって構わないはずだ!
幸せになる権利は誰にでもあるのだから。
この転生で私は学んだ、我慢していい事ときちんと主張する事を分けよと。
「アンリ!絶対に生きて帰るぞ!」
私はセジャテ殿と取っ組みあってるアンリに声をかけジャセルを見た…いない?
「お転婆狼はお仕置きだよ。」
後ろから声がして抱き込まれた上蛇体に絡みつかれた。
しまった!油断した!
「さあ…どうに料理してやりましょうか。」
ジャセルが耳に牙をつきたてた。
敏感な耳に激痛が走ってよろめいた。
それを利用して引きずられる。
「はなせ。」
必死であがなう。
このまま…巣穴にひきこまれて…死ぬより辛い目にあわされるのだろうか?
勢いよく扉が開いた。
「ジャセル様!赤狼どもが!」
入ってきた蛇族の男が弾き飛ばされる。
「カルティス、アンリ、大丈夫かい?」
叔父上がニコニコと数名の赤狼の戦士をひきつれて入ってきた。
た、たすかった?
巻き込みがさらに激しくなった…。
助かる前に…死ぬかもしれない…。
駄文を読んでいただきありがとうございます。