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第7話:割れない殻、錆びない心。俺のスペックは

商人どもが去ったフードコートに、重苦しい沈黙が降りる。

JUSCOはぽつりと、床に転がっていた古びたカプセル玩具の殻を拾い上げた。100円のガチャガチャ。かつてこの場所が輝いていた時代の、安価な娯楽の残骸だ。

「ねえ、ゼロ。あのおじさんたちの言う通り、あなたは本当は、すっごく価値のあるロボットなんだよね。私みたいなジャンクの女の子が、持ってていいものじゃないのかも……」

ふむ。何を言い出すかと思えば。

俺はJUSCOの手元にあるプラスチックの球体と、己のボディを見比べた。なるほど、丸くてチープな二頭身という点においては、100円のガチャ以下に見えなくもない。

「JUSCO、俺の殻の分子構造を教えてやろうか」

俺はブリキの短い手を己の胸に当てた。

「この殻は、核熱の奔流に晒されようとも、絶対零度の深淵に沈もうとも、分子一つ剥離せぬ絶対不可侵の障壁。いかに上層世界の最高技術を以てしても、ヒビ一つ入れることは叶わん」

俺の言葉に、JUSCOはきょとんと目を丸くする。

「だけどな、そんな物理法則を超越したスペックなど、貴様が毎朝俺のアンテナを直してくれる手の温もりに比べれば、ただの無機質な数値に過ぎんよ」

「ゼロ……」

「俺の価値を決めるのは上層の軍隊でも商人でもない。貴様だ、JUSCO」

ピポ、と短く確たる電子音を鳴らす。

たとえ世界が俺を最高級の遺物と呼ぼうが、俺はJUSCOの「ゼロ」であればそれでいい。

だが、その不敵な対話を切り裂くように、街の全域にけたたましいサイレンが鳴り響いた。空気が震える。カイゼル・シェルの本隊が、ついにこのエリアの総攻撃を開始したのだ。

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