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第3話:初期型バーニア、火を噴く!〜焼き鳥の煙に紛れて〜

「ギギギギ……!」

油の切れた関節を悲鳴のように鳴らし、野良プチMSのクレーン腕が迫る。

狙いはJUSCOの持つ配給泥だ。矮小な駆動兵器の分際で、俺たちのディナーを強奪しようという不届きな算段らしい。

「ゼロ、ダメ!逃げて!」

JUSCOの悲鳴。

ふむ。逃げる? この俺が、この程度の鉄屑を相手にか。

俺はブリキの四肢を折りたたみ、完全なる「たまご型」へとシフトした。重力加速度を計算し、そのままゴロゴロと床を転がって敵の足元へ滑り込む。

ドン、とマヌケな衝突音が響く。だが、俺のたまご殻の分子密度は、現行の装甲材とは次元が違う。重量を生かした一撃に、プチMSの巨体が大きくよろめいた。

「ピポパポォ(舐めるなと言っている)」

一瞬の隙。俺は体内のジャンク回路を並列同期させ、腰の後ろにデチューンされていた初期型の小さなバーニア(推進器)を強制点火した。

ズガガガガ!と爆音が出力され、不完全燃焼の黒煙がフロアを満たしていく。それは奇しくも、かつてJUSCOの入り口付近にあったという「焼き鳥の屋台」の煙のように香ばしく、そして圧倒的に濃密だった。

「消え失せろ」

目眩ましには十分だ。煙を切り裂き、俺のたまご頭がプチMSのコックピットハッチへ超音速のクリーンヒットを叩き込む。装甲を凹ませ、火花を散らしながら、野良重機はたまらず退散していった。

「ゲホッ、ゲホッ……ゼロ、すごーい! 焼き鳥の匂いがする!」

煙の中でパチパチと目を輝かせるJUSCO。

無理な出力を出した俺のバーニアは、プスンと黒いオイルを漏らして沈黙したが、まあいい。彼女の笑顔の価値に比べれば、バーニアの基盤の一枚や二枚、安い授業料だ。

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