表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/55

第21話:リサイクル不可。蒼き鉄拳とギルドの終焉

全方位から肉薄するギルドの改造重機十数機。

超重量の鉄塊が泥を跳ね上げ、唸りを上げて俺の蒼き装甲へと殺到する。だが、俺のメインモニターに映る彼らの軌道は、まるで停止しているかのように緩慢だった。

「片腹痛いな。現行のOSを少し弄った程度の重機で、この俺のフレームを軋ませることもできんぞ」

ドガァァァン!!

突進してきた一機の大型ショベルに対し、俺はただ蒼い右拳を突き出した。

拳とショベルが激突した瞬間、凄まじい衝撃波が走り、敵機のショベルアームがジャバラのようにねじ切れた。そのまま拳の慣性は死なず、敵のコックピットブロックを寸前で捉え、その衝撃だけで機体後部のエンジンを爆破・大破させる。

『ひ、ひぃっ!? 腕で……ただの素手で、うちの最高硬度装甲を砕きやがった!』

「次だ」

俺は背部の大型バーニアを一瞬だけ逆噴射させ、超高速の横スライド(サイドステップ)を敢行した。残像を残して消えた俺の姿を、残りの重機どもは見失う。

「どこを見ている。貴様らの死角バックヤードは、すでに俺の演算内だ」

ギィィィン!!

俺の蒼い全身の隙間から、青白い光の粒子バースト・オーラが放射状に放たれた。それは不可視の『指向性重力波』となり、周囲にいた五機の重機をまとめて地面へと叩きつける。メキメキと音を立てて、ギルドの重機どもは自らの自重に耐えかね、大理石の床を踏み抜くように泥の中へと沈没していった。

「ば、化け物め……! 撤退だ! 全機、西のブロックへ引けぇ!」

完全に戦意を喪失したギルドの隊長機が、黒煙を上げながら這う失意のままに逃走を謀る。

「逃がすと思うか。我が居住区の防壁を破壊した分の『弁償代』、まだ貰っていないのでな」

俺は右手を静かに天へと掲げた。

指先から放たれた蒼いハッキング電波が、逃走するギルド全機の制御システムへ瞬時に割り込む。

「システム・強制自爆スクラップ・ディスポーザル

ピポパポパパパ……。

『な、なんだ!? 制御レバーが勝手に……! ジェネレーターの圧力が上昇している、止まれ、止まってくれぇぇ!!』

ドォォォン!!! ドォォォン!!!

境界線の荒野に、いくつもの美しい炎の華が咲き誇る。

鉄屑同盟の自慢の重機群は、主の悲鳴とともに、文字通りの『クズ鉄』へと還っていった。

静寂が戻った荒野。

呆然と立ち尽くすレイラと自警団の面々の前で、俺は蒼い四肢の泥を払い、冷徹に電子音を響かせた。

「防犯活動、終了だ。……さて、レイラ。これだけの鉄屑スクラップがあれば、我が家の冬の防寒壁の材料としては十分すぎるな?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ