表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/40

第10話:JUSCO拉致。上層世界「カイゼル・シェル」の黒い陰謀

漆黒の強襲MSは、JUSCOをその鉄の剛腕に拘束したまま、垂直噴射バーニアの轟音とともに崩落した天井の向こうへ急上昇していく。

「放せっ、放してゼロ……!!」

遠ざかるJUSCOの叫び。それを追おうとした俺の前に、さらなる爆撃の炎が壁となって立ちはだかる。炎が揺らめき、かつて彼女と泥のハンバーグを食べた試食コーナーのワゴンが、無残に崩壊していくのが見えた。

「――おのれ、鉄屑どもが」

俺のコア(動力炉)が、かつてない怒りで臨界点を超えて鳴動する。たまご型のボディから放たれた衝撃波が、周囲の火災を一瞬で吹き飛ばした。だが、網膜のレーダーが捉えたJUSCOの生体反応は、すでに地下街の遥か上空――雲の上の上層世界「カイゼル・シェル」の領地へと到達していた。

ガガガ……と、半壊した敵の通信残骸から、傍受した音声データが流れ出す。

『目標「JUSCO」の確保完了。これより上層研究室へ運ぶ。遺物のたまごを完全起動させるための「鍵」として、あの娘の生体コードを解析する――』

ふむ。鍵、だと?

カイゼル・シェルの浅薄な技術者どもは、俺のシステムを無理やり覚醒させるために、JUSCOの命を利用する算段らしい。実にお笑い草だ。俺のマスターキー(最高権限)を握る者が誰であるか、その身を以て知ることになるだろう。

見上げる空は暗く、遠い。

二頭身の、全高わずか1メートルの初期型プロトタイプである今の俺には、上層へ直登するほどの推力はない。

「待っていろ、JUSCO」

俺は拳を固く握りしめ、冷徹に電子音を響かせた。

たとえこのブリキの四肢が千切れ飛ぼうとも、世界の天井をブチ抜き、貴様を必ず奪還してみせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ