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◆ 隣の王国は不穏なんですが・・・



 合流した早速、隣国のオサーム王国の国王に挨拶をするらしい。


 私たちを迎えに来てくれた闇使いフォンセと風使いフレに王城まで案内される。


 その間にとっとと今回最大の戦いだった話とフェニックスが現れた話を説明した。


 黙って話を聞く二人。最後まで聞いて風使いフレが驚いていた。

「俺たちが先に出た時は、そんなに上級魔族達は現れなかったのに…… ここ、何日で 」


 闇使いフォンセはジェネルの頭を見ながら

「ねえ、これから…… まさか、ジェネルさんとフェニックスはセット扱いになるのかな?」


 私は苦笑いで

「ね? どうなんだろう。 オサーム王国にも智慧者がいるでしょ? 着いたら聞いてみるね」


 そう話している間にも、フェニックスは私の頭の上でぐにゃりと寛いでいる。

 落ちそうで落ちない、絶妙なバランス加減。 むしろ今まで、どこで寛いでいたのかが不思議だわ。



 ふいに、闇使いフォンセが言った。

「着いたよ」


 見上げる城壁とそこからそびえ立つ王城。


 門番に到着を告げる司祭。


「オサーム国王に呼ばれし、ノブレス国から来た者だ。 国王に御目通りのため、ここを通してもらおう」


 ジロジロと私たちを見ていた門番は…… 特に、私をギロリと睨み「ふんっ!」と門を開けた。


 この門番、態度が悪い!と、思うが、口に出さない大人な私を、誰か褒めてくれ。


 それにしても……お腹が減ったなぁ。

 我慢している私の横で、盛大にお腹の音が鳴る勇者フォール。

「クスッ」

 ホント期待を裏切らないヤツと微笑ましく思うわ。



 オサーム国王の謁見をするのに、まずは客間に通された。


 だが…… 待てど、なかなかお呼びが来ない。

 本当に来ない。

 もう半日が過ぎようとしているのに。


 ちびちびと、何度もお代わりが出されるお茶を飲んでいた、成長期の勇者フォールがとうとう叫んだ!


「もう無理!お腹が空いた!」


 すかさず

(今だわ!)

「流石に大人の私もお腹が空いたわ」


 ここは勇者フォールに、ちゃっかり便乗する。


 私と幼馴染みの司祭は、空腹MAXで機嫌が悪くなると、手が付けられなくなる事をよく知っているので、壁の近くで待機している、メイドに声をかけた。


「オサーム国王には、まだ御目通りは叶いませんか。さすれば先に、食事をいただこうかと思うのですが」


 ビクッとするメイドは何も声を発しない。


 こんな若い少女には、おばさんが優しく声をかけてあげるのが一番ね……と勝手に理解した私は


「アナタいくつ?」


 まずは歳を聞いて流行りの話でも…… と思っていたのに……


「ジェネルさん、初めてお会いした方に、ましてや女性に歳を聞くのは、失礼ですよ!」


 秘書気質の聖女ソレイエに突然怒られた。


「えっ?」と焦る私に

「本当にデリカシーが無いですよ。無駄に歳をとったんですか?」

 いつも冷静で、穏やかな賢者サージュも怒っている?

 周りのチートメンバーを見ると、視線が冷たい…… アレ?うそ!やっちゃった?


 私の顔が青ざめていると……


「ふふっ」と小さな笑い声が聞こえた。


(えっ?笑った?)そこで

 私はメイドと初めて目が合った……

 つい……

 マジマジと見てしまう……

 今怒られたばかりだけど

 上から下まで……

 本当にマジマジ見て……

 思った…… 壮絶な美少女!!


 私の中では、絶世の美小女の

 遥か上をいく、壮絶の美少女!


「あの、ごめんなさいね」

 思わず謝ってしまうほどの、美しさなのだ。

 さっきまで、よくこの壮絶美少女オーラを隠していたな…… 。


 メイドさんは正体がバレたからか、もうそのオーラーを隠しもせずに、優雅に挨拶をした。


「ノブレス国のチートの皆さま、

 申し訳ございませんでした。

 私はこのオサーム王国の

 第一王女ジョリアンでごいます。

 試すような真似をして……

 心よりお詫びを申し上げます」

 

 メイド服で優雅なカーテシーをした。


 意味が分からない私たちを見ながら……

ジョリアン王女は優雅に微笑んでみせた。


( ん? おばちゃんは見過ごさないよ、カインの様子が…… ほっぺが赤いじゃない)


「この度はノブレス国より

 遥々お越しくださったのに

 予定にない頭に鳳凰を乗せた方が

 お見えになって、不審がないか

 対応に苦慮しておりました。

 そこで『暫し様子を見よ』と

 国王より仰せつかりました」


 えっ!私のせい?

 フェニックスのせい?どっち?



 そこに突然、コンコンと扉を叩く音がして静かに開いた。



 腰まである長く白い髪に、全身を隠すような白いローブを着た、年齢不詳な長身の子が入ってきた。


 王女ジョリアンは白い人に

「分かりましたか?」

と聞いている。


 白い人は王女に軽く頷き、まず私たちを見て挨拶をするらしい。


( ん? この白い人て… カインを先に見たような?)


「この度は、オサーム王国のために……

わざわざノブレス国よりお越しくださり

ありがとうございます。

私はこの王国の、聖者プルーヴと申します。

どうぞ、聖者とお呼びください」 

 胸に手を当て、静かに頭を下げた。


ーー聖者呼びで良いなら、何で名前を言った?


 お腹が空いた私は、話が早く終わる事を祈っていたが、我慢の限界なのか、隣で勇者フォールが部屋中に鳴り響く爆音の、お腹の音を発した!

 ナイス!勇者フォールよ!

 私も一緒だよ!



 国王との謁見の挨拶はすっ飛ばされた。


 国王と王女ジョリアンに、聖者や宰相と、この国の重要貴族たちと会食している。


 ここ二週間は、野営に戦闘にと明け暮れていた。 たまに村で食料調達のついでとばかりに食堂で食べたご飯。

 どれも美味しかったけど、王宮の食事のレベルの高さは圧巻だった。


 もうジェネルは頭の中で、食材は同じ物が無理でも、この味を覚えて孫のレイに味あわせてあげたいと必死になっていた。 


 まさかこの間に、大切な話が進んでいるなんて……。 歳をとったら、いっぺんに色々な事ができないのよ。


 ある程度、頭の中に完成したレシピを収めて、お腹の中にも食事を納めて、満足して顔を上げると


「で?ジェネルはどう思う?」


「へ?私?何が?」


「だからフェニックスのことだよ」


 聞いてきたのは司祭なのに、返しは勇者フォール。 良い連携だなぁと思っても、失礼したのは私なので謝っておく。


「ごめん、ボーとしてたね」


「良いよ、フォール。大方、孫のレイのためにレシピを盗んでいたんだろう」


ーー凄い!サスガ!幼馴染!

 私が感心して司祭を見ていると


「国王様、ジェネルには私から後で話しておきますので、ご安心ください。 しかし大切なお話として……、明日の討伐に向け、スタンピードの様子を詳しく教えてください。 今度はジェネルも、ちゃんと聞いてね」


「は、はい!」


 私は今度こそ、ちゃんと話を聞くために国王に向けて姿勢を正した。



「ノブレス国のチートメンバーたちよ。

西の森から入ったと思うが…… 約3年前からこの城の南東側森林近辺で、濃い霧が立ち込め魔物の数が増えていったのだ。

当初は、我が国の騎士団や魔法士たちで

対処できていたのだが…… 次第に強い魔物が増え、手に負えなくなってしまった……」


 顔中に疲労と苦渋の色を浮かべ、国王は続けて話す。


「我がオサーム王国は、周辺国に助けを求め、なんとか耐え忍んでいるところだが…… ノブレス国からは、3人のチートたちが来城の時に朕の話を聞き…… そして、仲間を連れて戻って来てくれた……

感謝の念に耐えん」



「でもさ、その割には、ご飯待たせたよね? 本当に辛かったよ」

 勇者フォールは空気を読まない正直者だ。

 私も思ったけど、口には出さない。


「ヴァホン。ゴホッ」


 王様も意外と動揺しているよ。庶民は遠慮がないからね。


「ソレハ、アイ、スマナカッタ」


 うわ、王様あやまり慣れてないなぁ。


 ここまで黙って聞いていた、冷静優男の水使いカインが

「国王陛下、我が国の勇者が大変失礼いたしました。 それでは今、どのくらい持ちこたえているのでしょうか?」


(カインって、貴族っぽい話し方が出来るんだね)学のない私じゃ無理だと感心した。



 やっと、まともな質問に国王も通常モードに戻る。暗く沈んだ声で

「今のままだと…… もう、あと一週間も持たぬないだろう。 こちらの負傷兵や……

魔力の枯渇した魔法士…… 死者も…多数出ている… 」


 それを聞いた、秘書聖女ソレイエは 


「国王様、負傷兵や魔法士さんたちに会わせてください。 私が〈癒しの光〉で回復します」


「そうか、それは有難い。

 聖者、是非案内を頼む」


「はい。では聖女様。

 案内いたします。こちらへ」


「あっ、私も一緒に参ります。

 何か力になれるかも知れません」

 賢者サージュが名乗り出て席を立った。

 なぜか風使いフレも一緒に席を立って、着いて行く。


( ん? 闇使いフォンセが、淋しそうな顔している? おばちゃんは人間観察が得意なのよね。 気のせいじゃない、気がするんだけどなぁ)



 カインはどんどん話を進めていく。


「それでは、少しでも早く東南の森に向かわなくてはなりませんね。司祭様、明日には向かいましょう。いかがですか」


「うん、そうだね。そのためにもフェニックスの事を、ジェネルに理解してもらおう。聖者様が過去の文献を調べていただいて、少し分かったこともあるしね」


「えっ? フェニちゃんのこと、少しでも分かったの?」


「フェニちゃん?って、いつ名前をつけたの?」


「えへへ。だってフェニックスって名前じゃ他人行儀じゃない。あと、名前長いし?」


「うわぁー、長い名前が面倒臭かったんだなぁ」


 ギクッ!またまた図星だわ。

 そうよ、面倒だったのよ。

 でも愛情を込めてつけたのよ。


「でも、ジェネルさんって、ネーミングセンス無いな」


「えっ、無いの?私は可愛いと思うんだけど」


「ハイ。私も可愛いと、思いますわ」

 ニッコリ笑って同意してくれる王女ジョリアン。壮絶美少女は心も美しい。


「王女がそうおっしゃるなら、私もいいと思います」

 水使いカインも賛成してくれた?


 おお!水使いカイン。

 もしや…… 青春だね?

 おばちゃんはコッソリ応援するからね。



  ジョリアン第一王女


    挿絵(By みてみん)







最後まで読んでいただきありがとうございました。


とても嬉しいです。


主人公はおばちゃんですが良い奴なんです。

どうか最後までどうかお付き合いください。


これからよろしくお願いします。

楽しく読んでいただければと思います。



よろしければブックマークの登録と高評価をお願いしますm(__)m。



そしてこれからの励みになりますので


面白ければ★★★★★をつまらなければ★☆☆☆☆を押して


いただければ幸いです。

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