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◆ なんだか、わらわらとチート集団が集まった


 疲れて家に帰ったジェネルは、孫のレイのお迎えを思い出した。

 森の魔物狩りの時には、孫のレイをお隣さんに預けている。


「朝作ったクッキーをお礼に渡して、レイを連れて帰らなくちゃ」


 誰もいないけど、ついつい喋ってしまうおばさん習性に気づかず、少し重たくなった腰をあげてお隣さん家の扉をノックした。



 コンコンコン


「司祭様の奥様、ジェネルです。レイを迎えに来ました」


 ガチャリとドアが開くと、出迎えた見知らぬ人物に、私はビックリして声をかけた。


「どなた? です?」


 長年の幼馴染みの家から、全く面識のない者が顔を出したから、つい聞いてしまう、おばさん習性。


「あ、ああ。そうだよね。俺はカイン。他にも仲間がいるよ。入って」


 私は怪訝に思いながらも、勝手知ったる司祭様の家に入った。


 司祭の家の応接間には孫のレイを膝抱きにしている司祭の奥様のマリアがいた。 ちなみに私とは同じ歳だ。


 その他には、先程扉を開けてくれたカインと6人の男女が寛いでいる。


( 相変わらず広いな、司祭の家は )


 私はソファーで寛いでいる〈風使いのフレ〉と〈闇使いのフォンセ〉、そして〈聖女のソレイエ〉を目に留めた。…… フレとフォンセにソレイエは顔なじみだけど…… 他もチート使いは分からないわ。


 私は慣れてるはずの家なのに、身の置き場に困っていた。


 するとマリアが助け舟を出す。


「ジェネル、ごめんなさいね。 いきなりだとビックリするわよね。 実は今日、チート使い全員集合になるの。 後は主人が帰ってきたらみんな揃うわね。 ジェネルも座って待っていて」


 私は肯首して空いてる席に座った。


 突然、扉が開いて司祭が入ってきた。


「ゴメン。待たせたね。みんな揃った?」


「むしろアナタが一番遅いわ!」


「うわ!マリア怖!…… 」

 尻に敷かれているのが丸出しな司祭は何とか取り繕って話を進めようとした。


「えー、コホン。あっそうだ、自己紹介した?」


「まだよ!自己紹介をしようとした所で、アナタがいきなり帰ってきたのよ」


「あっゴメンね。でも、この中ではジェネルだけが顔合わせが、まだだから。なら、ジェネルに紹介する方が早いな」


「みんな、見ての通り〈火使いのジェネル〉だよ。髪の毛が炎でボーボーして分かりやすいよね。ジェネル…… 〈水使いのカイン〉、〈賢者のサージュ〉、〈勇者のフォール〉、〈緑使いのハキム〉だよ」


 目をパチパチさせて、私は固まった。

「………… 」


 司祭は察したように大声で笑った。

「ハハハハハハハ! 分かっているよ。 ジェネル! 歳だから、一回聞いただけじゃ覚えられないよね?ごめん 」


(くっ!図星じゃないか!)


「あのう…… 何度でも、聞いてください!僕は緑使いのハキムです」


「私も、何度聞いてもらっても大丈夫だよ…… 私は水使いカインだ」


「歳をとると物覚えが悪くなるらしいもんね、おばさん!おれ勇者のフォールね!」


「私は賢者サージュと申します。以後、お見知り置きを…… 」


「おばあちゃん!ボクは覚えたよ〜」

 孫のレイがトドメを指す!


 グフッと心の致命傷を負って血の涙を流しながら


「本当に…… 歳なので何度も聞いたら、ごめんなさいね…… オホホホホ」


 私は大人対応を頑張った!もちろん司祭に殺気を込めて、睨みつけることは忘れない。



「さ、さて…… ここまで穏やかに楽しく過ごしたところで、集まってもらったのには訳があるんだ」


 今までのおちゃらけモードが嘘のように、司祭は至極マジメな顔をして、みんなの注目を集めた。


「勇者フォール説明して」


 司祭はフォールに目を向けた。

 みんなもフォールに目を向ける。


 みんなの注目を集めたフォールは、明後日の方向に目を向けてから言葉を発するが、

「ゴボン、うん。俺、説明下手だから無理!カイン説明して」


 折角のシリアス感がゼロである。


 カインはいつもの事なのか、当たり前のように

「ノブレス国の国王様から俺と勇者と賢者が呼ばれたんだ」


 説明を放棄した勇者フォールはヤレヤレのポーズをとって話に入る。

「そうそう。急に王様が呼ぶから参っちゃった」 


「勇者は黙っていて……」

「はい…… 」


「それが…… 隣国の一番深い森から、スタンピードが起こったんだ。自国で討伐が難しくなり、特に最近では凶暴な魔物が大量発生して自国で片す事が難しくなったらしい。それで、この村のチート使いに討伐するよう派遣要請が…… 『旅立ちの王命』が下りたんだよね」



「えっ!?討伐?…… 旅立ち?って?」



 私はあまりの急転に驚愕して、固まるしかなかったのである……。







最後まで読んでいただきありがとうございました。



とても嬉しいです。



これからよろしくお願いします。

楽しく読んでいただければと思います。



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― 新着の感想 ―
[良い点] あれ なんで、聖女呼ばれてないんだろう? おばさん主人公も…やな予感が… ※私のチート能力が分かりました みこと「はぁ」 ……どうしたのよ みこと「私のチートのことよ」 ……あ…
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