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◆<現の夢>を視たその先


 聖者は思わず口をついた

「そんな・・・司祭様・・・御身でアルゲオ病を封じているとは・・・」



 チートメンバーは・・・まさかアルゲオ病がこの世から消えていなかったこと、司祭が背負っていたことの余りに重い枷を感じて頭を殴られたような衝撃的な気持ちで佇んでいた。


「何か・・・方法は・・・解決法はないか探してきます」


 顔面蒼白な賢者サージュが文献や古文書が詰まったあの部屋に向かおうとしている。


「私も・・・何か・・・」


 聖者プルーヴも後を追いかけようとする。


 しかし


「待ってくれ!明日の討伐で新たな・・・本当の敵が分かったんだよ。大魔王は敵じゃない。俺たちの仲間のフォンセだ。・・・今、目覚めようとしている〈番〉の側で・・・〈番〉のサーノーを守りながら本当の敵と対峙しているフォンセのためには・・・俺より明日のことを考えて休んでくれ。英気を養って明日は全力で戦おう。・・・討伐が終わったら・・・そしたら俺は素直にアルゲオ病を治すことに・・・お前たちを信じるから」


 みんなは泣いていた。

 司祭を尊敬していたから・・・大好きな司祭の言う言葉を理解して成し遂げたいと思うから・・・



 緑使いハキムは鼻をすすって

「へへ。司祭様!約束だよ!僕たち絶対に明日の討伐に勝つから!フォンセとサーノーちゃんも守るしこの世の厄災からみんなを守るし・・・本当に忙しいな。でも頑張るから司祭様・・・アルゲオ病を治そうね!」


 勇者フォールも

「そうだよな!まずは倒す敵が分かったんだよ。そこからだよな」


 龍使いカインは


「今日は人生で一番の長日に感じる。今日一日で俺は龍使いになり伝説の勇者が生まれてチート使いが〈契約の証〉をしてフォンセは・・・」


 賢者サージュも


「全ては明日の討伐のための設計図をなぞっているのかも知れないな。司祭様、私たちは全身全霊をかけて・・・いち早く討伐を成功させます。約束を守ってくださいね・・・そうだ!聖者様、どうか私たちが討伐に行っている間にお力をお貸しください」


「もちろんです!私もアルゲオ病のことを調べ尽くします!」


 私と聖女ソレイエはみんなを心強く思った。


(やっぱりうちのチートメンバー凄い!カッコいい!)



「司祭!明日の朝・・・決戦だね!頑張ろうね!」



 司祭は心配してくれるみんなに囲まれて・・・ほんの少しの照れた微笑みで


「ああ。みんな頑張ろう。ありがとう」


と優しい声で返した。



 みんな各自の部屋に戻って訪れない眠気に抗いながら無理やり目をつぶっていた。


 ジェネルもはじめ眠れなかったが気づくとウトウトと静かに眠りの中に落ちていった。



 夢の中でもジェネルの意識はハッキリとしていた。


〈現の夢〉を視ている事が分かる。



・・・そこは〈最果ての淀み〉のぽっかり開いた入り口だ。ここを飛び降りなくては行けないようだ・・・


 どんどん深く潜っていくと真っ黒で荘厳な地下宮殿があった。


 夢の中の私はその大きな扉を開けて進んでいく。


 高い天井に巨柱が等間隔に並んで宮殿の中はガランとしていた。


 最奥に美しく彩飾された藤色の扉を開ける。

 そこからなぜか俯瞰して私は視ている。


 大きな硝子の棺のようなもの・・・

 その棺に愛おしそうに手を置いているのは大魔王フォンセ?


 硝子の棺のはずなのに・・・中は黒い煙のようなものが立ち込めて覗くことが出来ない。


 硝子の棺がガタガタと時折動いている。


 中からは「ギァーーー」「ギィーーー」と音が聞こえてくる。


 大魔王フォンセは苦しそうに棺に向かって

「サーノー・・・」と呟いている。


 私は視点を広げた。

大魔王フォンセと硝子の棺の周りを視る。



 大魔王フォンセの周りをネクロマンサーたちが魔物たちと戦っている。


 圧倒的な数の魔物たちがネクロマンサーたちを崩して硝子の棺の中にいる〈狂気と災い〉のインサニアとメルムに向かっている。


 まるで自分たちの仕える主を助けると言わんばかりに・・・



(ああ・・・フォンセが一人で今戦っている・・・あの淀みから溢れる魔物たちは棺の中の奴のせいなんだ!・・・フォンセ!フォンセ待ってて・・・)


 私は思わず強く念じていた。


 すると大魔王フォンセがこちらを見た。

 真っ直ぐに〈現の夢〉を視ている私の目を見て


「うん。待っている」


・・・と言った。




 討伐の朝。

私は早速、昨日の〈現の夢〉でのことをみんなに言った。


 硝子の棺の中に大魔王フォンセの愛するサーノーちゃんがいて一緒にインサニアとメルムが閉じ込められていること。

 そして今、一人で大魔王フォンセが戦っていることを。



 みんなの心は決まっている。


 300年前・・・ ディオン神様だけで解決しようとしていたことは叶わなかった。


 戦いではインサニアとメルムをサーノーと一緒に封じておく事が精一杯だった。


 次の世代のためにノブレス国を分けてでもチートの力が受け継がれる事を画策された。


 


 そのディオン神様の意志を受け継いだ私たちには仲間がいる!フェニちゃんも青龍さまも〈契約の証〉の王たちもいる!

 大丈夫!絶対に誰も悲しませない!

 司祭も治す!


 さあーやる事がいっぱいだ!でもおばちゃんは分かっている。順番に片付ければ気がついたら終わっているのよ!難しい事は考えないで目の前のことを片すのみ!


 大方、勇者フォールも同じ考えだ。


 私と勇者フォールの思考は周りのみんなにはお見通しのようで大きく溜息を吐かれて「最果ての淀み〉に向かった。



 南東の森に入り暫くすると魔物たちが現れ始めた。


 しかし、いとも容易く魔物たちを殲滅して行く。




 あっいう間に着いた〈最果ての淀み〉を覗き込みながら司祭が言った。


「これは随分と深いな。みんなは行けるか?・・・俺は・・・」


「あっ!司祭は私とフェニちゃんに乗って行くよ」


「おっおお。助かる」


「それじゃフォールは俺と青龍に乗って降りよう」


「おっ!青龍に乗れるの!嬉しい!」


「ね、ね、サージュは僕と蔦に捕まって降りようね」


 賢者サージュの答えを待たず腕に蔦がみるみると絡まり緑使いハキムと共に落ちていった・・・じゃない降りていった。


 風使いフレは風精霊王の力を借りて聖女ソレイエと共に光る風に包まれながら地下を目指した。

 ちゃっかり風使いフレは聖女ソレイエをお姫様抱っこしているし。


 私が昨日視た〈現の夢〉を頼りに最奥の藤色の扉に向かう。


 みんなもはやる気持ちで藤色の扉を開けた!


最後まで読んでいただきありがとうございました。

とても嬉しいです。


主人公はおばちゃんですが良い奴なんです。

どうか最後までどうかお付き合いください。


楽しく読んでいただければと思います。

これからもよろしくお願いします。


よろしければブックマークの登録と高評価をお願いしますm(__)m。



そしてこれからの励みになりますので


面白ければ★★★★★をつまらなければ★☆☆☆☆を押して


いただければ幸いです。

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