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◆ 大魔王の正体


「はじめに私たちのサマール王国に伝わる伝承と青龍使いカイン様の青龍の言伝を繋げて考えましょう。


まずは


【その女神、大弓を引き

 かのものを鎮める

 大魔王蘇りし時、伝説の勇者と

 固い絆の同志たち

 そして鳳凰フェニックスは羽ばたき

 青き水龍が国を治めるだろう】


そして


【王国を統べるものよ。

 我は目覚めたり

 鳳凰の呼び声と汝の友たちが

 チートを上りしめた

 大魔王の目覚めし時

 女神ディオンの戒めの大矢が

 離れた縁を結ばん

 誠の真実を守れ

 過ちは一度きりとせよ】


 このふたつの中に伝わっていなかった事・・・それが

〈閉じられた秘文書〉の中にヒントがありました。

それが〈番〉の事です。


 私たちが讃える

ディオン神様は三度の大弓を引いたのです。


一度目は〈番〉を鎮めるために・・・


二度目が〈番〉を鎮めた矢に怒った大魔王を討ち取るために・・・


三度目が他の場所にノブレス国を興すために・・・



 なぜ?一度目の矢を〈番〉に放ったのか・・・放つ必要があったのか?・・・


 それに大切な〈番〉に矢を放ったことに大魔王が怒るのは当然です。

怒り狂う大魔王を討ち取るのは果たして正義なのか・・・

それこそ過ちではないのか?」


 聖者に続けて賢者サージュが語った。


「私と聖者様はある仮説を立てました。

〈番〉に何かあったのではないか?


 300年前とヒントがあったので

 その時の文献を探ると・・・

 まさにアルゲオ病が流行っていたのです・・・

 アルゲオ病はこの世に二度だけ

 ある日突然現れ・・・

 その病災はとどまることを

 知りませんでした・・・


 その原因が〈番〉から来るもの

 なのではないかと・・・

 一度目は300前、二度目は3年前

 私たちの村で。

 流行りはなぜか駆逐されましたが・・・


 しかし300年前はディオン神様が

 大弓で諌めたのではないかと

 推察しております」


 ジェネルの心の中は荒れていた。

(違うよ!駆逐なんかされてなかったんだよ!司祭が抱えているんだよ・・・)


 ジェネルも聖女ソレイエも司祭のことをぶちまけてしまいたい衝動に駆られている。


 しかし賢者サージュの話は続く


「それから導き出されるのは・・・

 実は3年前から少しずつ

〈番〉に力が戻って来ているのでは

 ないのか?・・・

 それに応えるように大魔王が蘇ろうと

 しているのではないか?・・・

 オサーム国王の仰せの通り

 私たちサクレ村と・・・

 このオサーム王国は元を辿ると

 一つのノブレス国なのです。

 辻褄が合うと思います」




「クスッ」

 突然に嘲笑する声が聞こえた。



 みんなは一斉に声のする方を見た。


「クックッ・・・」


 ネクロマンサーフォンセが小さく肩を揺らしていた。


 相変わらず目には光がない。

 ほんの少しの間にみるみると大人びてゆき低くなった声を発した。


「ククク・・・惜しいね。

 でも・・・まだ半分も真実に

 近づいていない・・・

 まあ300年も前のことを

 その時々の王国の都合の良いように

 書かれた文献から探る事は

 出来ないしね。


 〈番〉ねぇ・・・サーノーが・・・

 私の大切なサーノーが病災の

 原因では無いよ。

 そこから間違っている・・・

 

 アルゲオ病の発端は地の底の

〈狂気と災い〉をもたらす

 インサニアとメルムのせいだよ。

 

 神ディオンは私の〈番〉サーノーに

 取り憑くインサニアとメルムに気付き大弓を放ち滅しようとしたんだ。

 ヤツらは・・・

 インサニアとメルムは

 〈狂気と災い〉の自分達の

 核の一部をサーノーに植え付けた。


・・・サーノーは〈狂気と災い〉を

その身体に包んで一緒に眠ったんだ。


・・・司祭なら分かるでしょ。


・・・そしてサーノーを失った私は

 凶王化しそうになった時に攻撃を

 受けながらも神ディオンが私の心を・・・

 精神を閉じ込めてくれたんだよ。

 サーノーを忘れて・・・

 愛を忘れて私は転生を繰り返した」


 みんなは大魔王の正体に気づいてしまって誰も声を出せないでいた。


 フォンセは仲間だ!

 フォンセは敵では無い!



「神ディオンの過ちといえば・・・

〈狂気と災い〉のインサニアとメルムと完全に倒せなかったこと・・・

 心を閉じ込められた私は・・・

幾度も愛の知らない転生を繰り返し・・・

心が何かを渇望していたんだ。


サーノーの眠りが覚めかけた証・・・

アルゲオ病がその発端だ。

サーノーの完全なる目覚めが

インサニアとメルムの全ての封印が

解ける時だよ・・・


私はこの生で初めて親愛を知った。

閉じられた心が開きサーノーの声を

聞いたんだ・・・

呼んでいる・・・

もう行かなきゃ・・・

みんな・・・

もうやるべきことは分かってるだろ


神ディオンに導かれし

チートメンバーたち・・・

共に・・・

戦おう・・・

待っている・・・」


 ネクロマンサーフォンセが・・・


 違う・・・大魔王フォンセが己を包む闇の中にそっと消えた。



 大魔王フォンセが消えた後の国王の執務室では静かな緊張感が漂っていた。



 しかし空気を読まない男!

 伝説の勇者フォールが開口一番


「で?司祭?どう言うこと?

・・・なんで司祭なら分かるの?」


「うっ!・・・」



 ジェネルはこの都合良い状態を見過ごすわけにはいかない!

 棒読みで話始めた。


「そっ・・・そう・・・そうだよ!

 司祭!どういう事!?

・・・そうだ!その前にも

 大魔王フォンセが

〈司祭には時間がないでしょ?〉って

言っていたよね〜〜〜?」


 ついでに空気の読める秘書聖女ソレイエも都合の良いことに乗ることにする!もちろん棒読みで。


「し・・・し・・・司祭様!

何か私たちに隠しているのですか!?」



「うわーーお前たち・・・汚い・・・」


 司祭はどさくさに紛れて真実を明かそうとするジェネルとソレイエを恨めしそうに見ている。


 賢者サージュは


「まずは討伐前に片付けなくてはならない事があるようですね」


 すかさず龍使いカインが


「そうだね。さ、司祭様・・・

   白状しちゃってください」


 緑使いハキムは


「えっ?何?何?司祭様が隠し事?」


 風使いフレが


「うん!気になることは解決しようよ。さ、司祭様心置きなくバラしてください」


 みんなの目が司祭の一言を待っている。


「ははは、こんな時に・・・お前たち良いチームプレイだな・・・俺をいじめて楽しい?」



「滅多にいじれないんだから楽しいでしょ。そりゃあ」


伝説(←以降ときどき省略)勇者フォールをはじめチートメンバーは悪い笑顔をしていた。


 追い詰められた司祭はとうとう・・・渋々白状した。





  大魔王フォンセ

  挿絵(By みてみん)













最後まで読んでいただきありがとうございました。

とても嬉しいです。


主人公はおばちゃんですが良い奴なんです。

どうか最後までどうかお付き合いください。


楽しく読んでいただければと思います。

これからもよろしくお願いします。


よろしければブックマークの登録と高評価をお願いしますm(__)m。



そしてこれからの励みになりますので


面白ければ★★★★★をつまらなければ★☆☆☆☆を押して


いただければ幸いです。

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