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◆ 伝説の勇者になっちゃったよ



 青き青龍を召喚した水使いカインは〈青龍使いカイン〉となった。


 みんなは忘れていたが、実は火使いジェネルもちゃっかり〈鳳凰使いジェネル〉になっていたのだった。



 青龍使いカインは、身体中の魔力を使い切り意識を手放した。


 しかし…… その時、確かにカインは聞いた……


 【我を呼んだ龍使いよ

 我を呼ぶときは心の中で念じよ】



 カインが完全に意識を手放した途端、青龍も跡形もなく姿を消した。


 しかし鳳凰フェニックスはその場にとどまり、魔物たちに烈火の粉を振り撒いている。


 まるでチートメンバーを守っているようだ。



 フェニックスの炎の粉で、溶け落ちてゆく魔物達を勇者フォールは悔しそうに見ていた。

 

 フォールは猛烈に自分に腹を立てていた!

 居た堪れないような、情けないような……

 自分自身に、抑えきれない怒りを感じていたのだ! ブルブル震えながら、固く握った拳からは、血が滲んでいた。




 この仲間達は、俺が守りたいんだ!

 その為に俺は強くなったんだ!

 それで・・・

 それで・・・

 みんなで、この世界を守るために

 戦い抜くんだよ!

 鳳凰とか青龍に守られたいんじゃ……

 ないんだよっ!!


 ブルブルと身体を震わせながら、勇者フォールは仲間たちを見た! 知らず知らずのうちに瞳には涙が溢れている。 自分の手の中にある命の重みを…… 勇者の剣と共に握り締めた!


「もう大切な仲間に傷なんてつかせない!…… そんで大切な世界を守る為に!

 俺は…… 俺は…… !!」



 詠唱〈キーーーーール!!〉

 【 ウェールス 】・・・!?


 頭の中にハッキリと、言葉が浮かんだ!

 言葉を自然に口元が紡いでいた!



 〈ウェールス!!〉



 勇者フォールは覚えていた!! この身体の中が煮えたぎるような…… 沸々と自分の中で暴れ回り、手に負えない感覚……

あのチートが目覚めた時の… それだと!

 また俺の中が変わる!!

 俺は変われるんだ!!



「うおーーー!!!!!」


 勇者フォールの身体から四方八方の矢の様な光が噴射された!! 纏った鎧も握る剣もオリハルコンの様な美しい輝きを放っている。


 勇者は……

 勇者はフォールは……


 〈伝説の勇者〉となった。



 難しいことじゃなかった……

 もともと難しい事が苦手だし……

 ただ仲間達と、この世界を守りたい……

 それだけだから。



 勇者の剣は、新たに〈伝説の勇者の剣〉となった。

 もう誰もその剣に触れることも出来ないだろう……

 持ち主を選ぶ伝説の勇者の剣……

 フォールはその剣をギュッと握りしめた。


 詠唱〈キール!〉と高らかに叫んだ!


 サッと一振りしただけなのに、チートオーラが ドーーーンと 激しい閃光を放つ。

 あまりの凄まじさに、辺り一面の魔物たちは殲滅した。


 

 辺りは静寂に包まれた……



 しばらく様子を見ていたが、新たに〈最果ての淀み〉から魔物が現れない。


 聖女ソレイエが目覚めなければ、浄化も出来ないので、明日の決戦に備えるため南東の森を後にするのだった。



 その時、伝説の勇者フォールは司祭に向かってニカッと笑い話しかけた。


「ね、ね、司祭。俺って凄い?」


 司祭は感慨深げに、伝説の勇者フォールを見て

「ふん、ああ凄いよ……」


と、勇者フォールのモノマネでお手上げ状態のヤレヤレのジェスチャーをして見せた。


「えへへ。ヤッター」




 ▽▼▽▼▽▼


 その戦いの少し前まで遡った、王城での話し。


 ジェネルは寝室で、ローラちゃんと昼寝をしていた。



 ジェネルの額には汗が滲んでいた。


「あ…… あぶ…… ない…… みんな…… みんな!! あああああ……フェニちゃん!! みんなを…… 守って!!」


 ガバッと身体を起こしてら肩でハァハァと息をした。

 あまりにもハッキリと()えた夢!


「何?なんなの?夢…… ?」



 突然、扉がいきなり開き慌てた様子で聖者が入ってきた。


「失礼します!聖者プルーヴでございます。今、この部屋から、猛烈なチートオーラが発せられました。ジェネルさん、大丈夫でしたか?」



「えっ?チートオーラ?」


 聖者は辺りを見回し、オーラの残像を見ていた。


「これは…… うつつの夢の残像……。ジェネルさんは〈現の夢〉が視られるのですね」


「……〈現の夢〉って、何? 私…… ここに来てから、たまにハッキリとした夢を見るようになって…… 」


 混乱するジェネルは、現状把握のために聖者に質問をした。


「聖者さん〈現の夢〉ってなんですか? それはもしかして、現状起きている事ですか!? 本当にあった事なんですか!?」



 聖者は凪いだ目をして答えてくれた。


「ジェネルさん〈現の夢〉とは……

過去に現実起こった事や、今現在起きた事が見られるそうです。 もう過去何百年と、誰もその力を授かった記録が無く、伝承でしか分かりませんが……

……

事実、私も今回ジェネルさんが鳳凰フェニックスを連れて来るまでは、文献を深く探る機会も無かったのです。 此度は余りにも規格外な事ばかりで…… 王国の書物をひっくり返す勢いで、調べた時に、たまたま〈現の夢〉の文献が出てきたので、偶然知ったまでなんです」


「あっあの、聖者さん! なんで私が〈現の夢〉なんか見られるようになったんだろう? チートもそう…… なんで私だったんだろうね?……」


 質問したくせに、ジェネルは聖者との視線を外して下を向いた。


 普段、ジェネルはあまり深く考えるたちでは無いが…… このチート能力を授かった意味を、心の隅で密かに考えていたのだ。

 溢れた疑問が…… どうしても、聖者に聞いてみたかった。


 聖者もそんなジェネルの気持ちを汲み取ってくれた。

「ジェネルさん、私はノブレス国のサクレ村とは違い…… 生まれた時から、聖者の使命が待っていました。 そんな私でも…… 何故、私だったんだろう? と、未だに答えを見つけられません。 死ぬまでには答えが見つかるかも知れませんし…… 一生、答えなんて、見つからないかも知れません」


 聖者さんは私の手を、そっと握った。


「ジェネルさん…… もしかしたららチートにしても… 聖者の使命にしても…… 『なんで?』は必要ないのかも知れません。

やらなくてはいけないのでしょう…… 。

大切なものを守り…… その時々の意味を知るために」


 ハッとした。 聖者さんの顔を見て、私はこの旅で初めて涙が流れていた。



 ▽▼▽▼▽▼▽▼


 そして南東の森の戦い後……今現在の城



 バダン!!


 勢いよく扉を開けた、勇者フォールが大声で言いのけた!



「ジェネルさん! 俺凄いよ!!

〈伝説の勇者〉になっちゃったもんね〜」






 伝説の勇者フォール


挿絵(By みてみん)









最後まで読んでいただきありがとうございました。

とても嬉しいです。


主人公はおばちゃんですが良い奴なんです。

どうか最後までどうかお付き合いください。


楽しく読んでいただければと思います。

これからもよろしくお願いします。


よろしければブックマークの登録と高評価をお願いしますm(__)m。



そしてこれからの励みになりますので


面白ければ★★★★★をつまらなければ★☆☆☆☆を押して


いただければ幸いです。

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