◆ 伝説の水龍が現れた
勇者フォール御一行は、自分達の力に、ビックリしていた!!
過去に散々魔物を散らしてきて、少しずつレベルアップしてきたが、今回のスタンピードで上級魔物や高等魔族など、ボスキャラクラスをガンガン倒していき、レベルアップのスピードが半端ないのだ!
司祭様と聖女ソレイエが嗜めないと調子に乗るのが目に見えているので、警戒を緩めない。
特に勇者フォールが!
一振りすると刀筋に雷鳴と共に閃光が走った。
「ねえ、ねえ!俺って凄くない!?」
「ハイハイ!スゴイデスネ…… 」
「うわぁー棒読み。だいぶ片付いたと思うけど…… あとは、ソレイエが浄化すれば良いよね?」
「うん! それじゃいくよ。詠唱〈ベア〉〈光の浄化〉」
辺り一面が煌めき、キーーンと耳をつんざく音がする。
慣れた様子で、みんなは耳を両手で塞いでいる。
光が徐々に収まる…… しかし……
いつもなら、瞬く間に清廉な空気が辺りを覆うはずなのに
「えっ?なぜ!? 瘴気が消えないわ!浄化されてないの? どうして?」
「おかしいな? 今のソレイエの浄化は、過去最高のチカラだったのに。どうしたんだ」
司祭は顎に手を当て考えている。
賢者サージュは
「司祭様、ソレイエ。 今、確かに光の浄化は一瞬、ちゃんと浄化していたよ。でも〈最果ての淀み〉から瞬く間に新たな瘴気が発生したみたいなんだよ」
「一瞬で瘴気が?そんな…… どうすれば」
「このままだと、明日また、魔物でこの森が溢れかえってしまう。まるでイタチごっこになってしまう」
考えあぐねていると〈最果ての淀み〉から新たな魔物が湧き出てきた。
一気にまた、今までよりレベルが高い魔族たちだ。
火の魔物サラマンダーは、先程淘汰されたはずなのに…… 今度は森の木の高さと並ぶ、とても大きな大恐竜炎の大サラマンダーがチートメンバーたちを囲んた。
「カイン、水の竜巻で攻撃だ!俺が竜巻から出てきたやつを切り刻んでやるよ!」
カインはひとつ頷くと、右腕の服の袖をまくり上げ、ユラユラと揺れている水の右手を空に向けた。
詠唱〈レケンス〉と叫んだ!
水の竜巻はチートメンバーを取り囲んだ、大恐竜炎大サラマンダーを一気に飲み込み、グルグルと回転しながら空に登ったていった。
「カインさん、ダメだ! まだ水の勢いが弱いよ!」
緑使いハキムが、事態の危うさに、つい大声を出した。
司祭デュールが考える。
(フォールのさっきの剣の一振り…… 水なら雷を通すはず……イケるかもしれない!)
「フォール!水の竜巻に一振りの剣技で、雷を起こして、サラマンダーに向けるんだ!」
言われたそばから、身体が勝手に動う。
詠唱〈キール!〉勇者フォールは剣を一振りして雷と閃光を起こしサラマンダーに向ける。
一瞬苦しむが、大恐竜炎サラマンダーに、二人の力ではうち留める事が出来ない。
緑使いハキムの蔦は、炎では燃やされ手を出すことが出来ない。
魔力が切れたかのように、水の竜巻は弱まり大恐竜炎サラマンダーは地上に戻ってきた。
詠唱〈ワレーンス〉!
司祭は巌の壁をそびえさせ、大恐竜炎サラマンダーを押さえ込み、闇使いフォンセが詠唱〈ぺルフェクト〉と唱え、大恐竜炎サラマンダーを闇の中に飲み込もうとしている。
しかし特上クラスの魔族は闇の力が強く、属性相関が良いのか飲み込まれない。
ジリジリと大きな身体で近づいてくる大恐竜炎サラマンダー。チートメンバーは内心焦っていた。
たが、ここで負けるわけにはいかない!
こんなことで諦めない!
自分達には守る人、守るものがある!
チートメンバーの誰も、こんな事を恐れてはいけないのだ!!
勇者フォールが詠唱〈キール!〉と叫び雷の閃光が放たれた!
そこに賢者サージュも詠唱〈リスト〉と叫び勇者フォールの放たれた雷を氷柱に纏わせ、大恐竜炎サラマンダー目掛けて猛々しく落としてゆく。
電流を帯びた氷柱が大恐竜炎サラマンダーに突き刺さると激しい水蒸気が猛烈な熱を帯びチートメンバーをも苦しめた。
息絶え絶えの大恐竜炎サラマンダーはヨロヨロと身体を起こそうとしている。
水使いカインが、よろけそうになったところを緑使いハキムが支える。
司祭デュールも熱い水蒸気で火傷を負って、賢者サージュが肩を貸す。
大恐竜炎サラマンダーを倒すあと一歩で、風使いフレが徐に聖女ソレイエを見つめ
「行くよ!」と声をかけた、
「うん!」と頷く聖女ソレイエ。
詠唱〈ラピドゥス〉
詠唱〈ベオ〉
二人は声を揃え
〈愛の永遠!プラグマ!!〉
辺り一面が暖かい光で満たされ仲間のチートたちは立ち所に身体は回復しチートの魔力もフル充電された。
弱っていた大恐竜炎サラマンダーは、みるみる枯れてゆき次第には崩れた身体は砂状になり風に吹かれていった。
勇者フォールは堪らず声を掛けた。
「おい!フレとソレイエ!なんでこんなスゴイ技、最初から使わないんだよ!!なんだよ!愛の永遠って!凄すぎるだろ!」
そんな事を隣で聞いた、失恋闇使いフォンセをあたり一面の深い闇が包みこんだ。
風使いフレは
「ハハハ…… ハハ…… 」
ニコニコ笑いながら、その場で崩れ落ちた。
「!!!えっ!」
聖女ソレイエも
「…… この技は… ある程度…… 敵の魔物が弱らないと… 掛けられないの…… それに…… この技はかけてしまうと…… 自分達のチート能力を全て…… 使ってしまうの…… だから、使い所が難しい……わ……ざ…… 」
そこまで言って、聖女ソレイエも意識を手放した。
そんな時だ!!
〈最果ての淀み〉から、今度はグォゴゴゴゴゴ…… と地を這う音と共にグラグラと地面が揺れ出した。
ドシンッ、ドシンッ、と大きな巨体の三つ目の怪物が地面から這い上がってきた。
後から後から這い上がってくる三つ目怪物は、大きな家くらいはゆうにある。
緑使いハキムが驚愕しながら呟いた
「あ…… まさか! あれは……落ちぶれた神シヴァジャナイ……なのか?…なぜあんな数が…… 」
今は風使いフレを抱きかかえながら、密かに身体が震えていた。
「ハキムと司祭は、フレとソレイエを守ってくれ! みんな行くぞ!」
まずは勇者フォールが詠唱〈キール〉と叫ぶ。
手元の剣から雷射の閃光が放たれた。
一度枯渇したチート魔力が満タンになった事で、フォールの威力はまた格段と上がっていた。
賢者サージュは詠唱〈リスト〉と叫び氷柱は氷瀑となり雷に乗せて三つ目シヴァジャナイを突き刺した。
しかし痛みながら激しく暴れ回り、チートメンバーに襲い掛かる!
闇使いフォンセの闇は、全くもって暗く深かった!
詠唱〈ペルフェクト〉と唱えると、深淵の漆黒から真っ黒な腕が伸びてゆき、三つ目シヴァジャナイの脚に巻きつき引きずり込んでいた。
一体、二体とズルズル引きずり込む。
しかし〈最果ての淀み〉は魔物を後から後から排出する。
司祭デュールと緑使いハキムもフレとソレイエを守りながら戦っている。
無限に現れるボス級の魔物たちにチートメンバーは、どんどんどんどんと疲弊していき、劣勢になっていった!
流石にチートメンバーたちにも焦りの色が見え始める。
疲弊しても聖女ソレイエは意識がない。回復を見込めない。
・・・・・・・・・(どうしたんだ!?)
水使いカインは、身体の異変に戸惑っていた。
(おかしい…… )
この戦いに集中したいのに…… 水使いカインの身体の中に、何かが生まれたようとしていた……
(この感じは!…… これはまるで、初めてチートを授かった時のような… 身体中の血が沸るような…… 前とは違うのは、身体の中に… 何か別の生き物が蠢くようだ! あああ…… 押さえつけることが、出来ない!!)
「うっ……うぉおおおおおおおおおおおおおおおお…………!!!!」
水使いカインは天上に顔を上げ、獣のように咆哮した!!
空から激しい炎を纏い、鳳凰フェニックスが現れた。
チートメンバーの上空で羽ばたき、水使いカインの叫びに共鳴するように、激しく嘶いた!!
チートメンバーに近づく魔物たちは、鳳凰フェニックスの烈火の粉で溶け落ちている。
水使いカインの目は虚ろだった。
空の鳳凰フェニックスに目をやる……
カインは力を使い果たし……
呆けた顔を真正面に戻した……
気力だけ… ただ、最後の気力だけで
詠… 唱…… 〈レケンス〉……
そして最後に振り絞った力で叫んだ❗️
《 召 喚! 》
凄まじい唸りをあげて、青き水龍が召喚されたのだった。
水龍使いカイン(元水使いカイン)
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