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アランと闇と光の救世主  作者: 水鳥 いつき


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第23章 聖剣

人間王国最後の都市に僕たちが到着すると、王様たちも来ていたので騎士団長が僕たちを王様の元へ連れて行った。   


最後の都市のお城に着き、王様の間へ僕らは入った。


「おお! アルコ殿、良く参った。ワシも別荘に居たかったのだが、大臣たちが兵士の士気にかかわると言って仕方なく来たのじゃ。こうしてワシも来たからにはダニエル魔少佐を倒してくれ、頼んだぞ!」


アルコは無表情で突っ立っている。やっと口を開く、


「僕はダニエルを説得に来たんだ。魔族軍が帰ったら人間軍も仲良くするんだよ」


「ど、どう言うことじゃ?」


騎士団長が割って入る。


「王様! 我々も魔族軍も疲弊しております。一度休戦するのが良いかと……」


「そう言うことか……任せたぞ。久しぶりに都会に来たから美味しいお酒が手に入りそうじゃ。今夜はパーティーじゃ! アルコ殿もダニエルが来るまで美味しいものでも食べてゆっくりしてくれ」


騎士団長は呆れていたが、僕たちは王の間を後にした。

タリスさんだけ大臣に呼び止められていたので、僕たちは先に出て行った。


「何ですか?」タリスが大臣に尋ねる。すると、大臣が一本の剣を持って来た。


「これは、王家に伝わるオリハルコンで作られた伝説の聖剣じゃ。世界に三本しかなく、二本は何処かへ行って行方もわからない。これならアルコの心臓を貫くことが出来る。アルコが裏切ったときはこの剣で殺せ」


「かしこまりました」タリスは剣を受け取り腰に下げた。


◇


街の中心地に近い貴族の屋敷で僕たちは泊まるらしい。街を歩いていると人々のようすがおかしい。

街の人たちは戦争のせいで貧しくなっていた。食べるのに困る人も大勢いて、疲れて道端に座り込んでいる人も沢山いた。

僕たちは知らなかったが、街では色々な悪い噂が流れていた。みんな僕たちを見ると影に隠れてしまう。


アルコがいるからこの戦争が終わらない。アルコさえ殺せば戦争がおわる。

アルコは実は魔族に取り込まれて人間を滅ぼそうとしている、王様は騙されている。

アルコは嘘つきだ。

アルコを殺すと天国へ行ける。

アルコの心臓を食べると不老不死になる、だから魔族は狙っている。

アルコを傷つけると恋が叶う。

アルコは魔族の王女と駆け落ちをして、魔王が取り返そうとしている。二人を差し出せば戦争が終わる。


屋敷に着いた僕たちに豪華な食事を出された。街のようすを見てしまうと僕は気が引けたがアルコは喜んでいた。


◇


アルコたちが最後の都市に到着する数週間前、第四の都市陥落のニュースを受けてタイシ王子は焦っていた。


お城の宝物庫で管理人を怒鳴りつける。


「私は王子だぞ! 聖剣が渡せぬとはどう言うことだ!」


「この聖剣は王様以外の命令で外に出すことは出来ません。たとえ王子様でもダメです」


王子は諦めて憤慨している。


(アルコが暴れたら誰も止められない。魔族はアルコを倒せば戦争を終わらすと言っているそうではないか。それなら……)


数日後、


「ショウゴ殿、お主がアルコのところにいるローゼとか言う魔族から聞いたとは本当か」


「はっ、食事中にローゼが言っていたのです、信憑性はわかりませぬが……」


ショウゴは傷が治り、お見舞いに来たアルコたちへのお礼とローゼに謝りに来ていた。ローゼはとりあえず許してくれた。その夜の会話、


「大僧侶マカラの家に聖剣が眠ってるんだって、お母様が言ってた。アルコが凶隕石オウトを破壊するための武器を魔王からマカラ様が受け取ったって。聖剣は魔王を倒すほどの力を持っているから魔王は探しだして魔王城に隠してあった物だそうよ。全部で三本あって、一つはアルコ様のお母様が持ってた。もう一つは王様のお城にあるみたい」

ローゼがふと思い出したように話す。


「マカラの家ってアランの家だよね。最後の都市の外れにあるんでしょ」アルコが尋ねる。


「僕の家の庭に年に一度お祈りをする祠があるんだけど、そこにあるのかな?おばあちゃんが大切なものがしまってあるって言ってた」アランが首をひねる。


ショウゴの話を聞き終えた王子が、


「大僧侶マカラの家か行ってみよう」


タイシ王子とショウゴはマカラの家、アランの実家に着いた。家の扉をノックすると中から声がしたので入った。そこにはお婆さんがいた。


「お婆さん、ここに聖剣があると聞いたのですが?」


「帰ってくれ。何も話すことはないよ」


タイシ王子は強引に家を通り庭に出ると祠を見つけた。


「何をするんだ!」お婆さんが止めに入るが、タイシ王子はお婆さんを突き飛ばし、祠を調べ始めた。祠を強引に動かすと大きな穴があり、穴の奥には石でできた棺があり、そこを開けると剣と一冊の本が出て来た。


「これが聖剣だ! よしショウゴ殿、帰るぞ」


「こちらの本はどうしますか?」


「それは大僧侶マカラ様の手記じゃ、私たちのご先祖様じゃ」お婆さんが答える。


「我々はそんな本に用はない。聖剣さえ手に入れば良いのだ、帰るぞ」


「お前たちは神の罰を必ず受けるぞ」

お婆さんが警告した。


「これで戦争が終わる……」タイシはホッとした。


◇


アルコが最後の都市に到着して数日後、遂にダニエル魔少佐が魔族軍を率いて現れた。アルコは街の外にでて人間軍と一緒に待ち構えた。


僕とローゼはアルコに屋敷に残るように言われた。アルコは戦うわけじゃないからと一人で人間軍と街の外に出た。僕は心配だったが、足手纏いになるのも嫌だったので仕方なく了承した。ローゼも心配していたが「大丈夫だよ」と言ってアルコがキスをしたので気絶した。その間にアルコは外へ向かった。



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