↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アランと闇と光の救世主  作者: 水鳥 いつき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/25

第22章 戦い

遂に第四の都市が陥落し王様は怒っていた。   


「どうするのじゃ、魔族はアルコを殺せば戦争が終わると言っているそうだ。この際、殺してしまえば良いのでは!?」


「王様、敵の作戦に乗ってはいけません。アルコを殺しても何にもなりません」


騎士団長が困った顔をして王様を諫めた。


「敵は最後の都市に迫っておる。ならばアルコを最後の都市の防衛に向かわせよ。屋敷で遊んでばかりと聞いておるぞ、逆らったら殺せ!」


◇


ニュースで最後の都市に魔族軍が向かっていると流れて世間は大変な騒ぎになっていた。最後の主要都市が滅びれば、人間文明は破壊されてしまう。

屋敷に騎士団長様がアルコを説得に来ていた。


「アルコ殿、どうか魔族軍を討ち戦争を終わらせてください」


アルコはしばらく考えてから、


「人間が負けたら戦争は終わるんじゃないの?」


「そ、それでは多くの犠牲が……罪もない人々が殺されてしまいます」


「じゃあ、ダニエルに普通の人は殺さないでって頼んだら?」


「いや……それは……」


アルコはローゼを見てそう言い放ったので、僕が「ダニエルは人間を滅ぼすって言ってたよ」と突っ込んだ。


「僕はどっちの味方にもなりたくないよ」と相変わらずだった。


「アランはどっちに勝って欲しいの?」

「ぼ、僕はどっちも仲良くしてくれれば……」

「僕もそう思うよ、だから戦わないよ」


騎士団長さんは下を向いてしまった。壁際で立って聞いているタリスの目が鋭くなった。するとローゼが口を開いた。


「わ、私がダニエルを説得してみます。上手く行くかはわからないけど。二、三日ください、話をしてみます」


「ローゼ殿、あんな酷い仕打ちをされたのに。申し訳ない、ありがとうございます」


騎士団長がローゼに頭を下げた。


「お母様のためです。全ての人間をのためではありません」


◇


屋敷から少し離れた小さな丘で花が綺麗に咲き誇っていた。杉風とタリスはピクニックに来ていた。


「タリスちゃんのおにぎりがやっぱり世界一美味しいよ」


「ありがとう、スーちゃんと一緒にいるときが一番楽しい、また花飾りを作ってくれて嬉しい……」


「だってタリスちゃんが世界一可愛いから、お花がタリスちゃんの飾りになりたいって言ってるんだよ。この戦争が終わったらタリスちゃんと世界一周旅行に行こうよ。お揃いの服着て一緒に世界中の美味しい料理を食べるんだ、楽しいよ」


タリスは杉風の肩に頭を乗せた。


「アルコはどっちの味方なんだろう? 何にもしないみたいだけど……」


「アランが魔族も人間もどっちもみたいで、アルコはアランの言うことは何でも聞くから」


「そうなんだ、アランがね……」


杉風の目が光った。


「アルコが人間を裏切ったらタリスちゃんは殺さなきゃならないんでしょ」


「そう、アランも魔族の味方をしているみたいだから、はっきりしたら両方殺さないとダメかもね。あんまり楽しい仕事じゃないけど人間王国のためだし仕方ないよね」


(アランがアルコをたぶらかしているわけか……ダニエル様の言った通りだ……人間は魔族をたぶらかす)


「タリスちゃん頑張ってね。でも無理はしないでね、好きな人の疲れた顔は悲しくなるから……」


「うん、ありがとう! 今日も夜遅くまでお話ししようね」


「いつまでも一緒にいたいよね。仕事があるから離れちゃうのが悲しいよ。そうだ! これ、プレゼントなんだお揃いだよ」


杉風はお揃いのハートとマークの指輪を取り出りだし、跪いてタリスの左手の薬指にはめた。


「えっ!?」


杉風は残りの指輪を自分の左手の薬指にはめた。もちろん、杉風は人間のプロポーズな習慣は知らなかった。

タリスは泣いていた。

そしてタリスは自分のブレスレットを外すと杉風に着けた。


「これ、おばあちゃんから貰ったブレスレット。お守りだからスーちゃんにあげるね。私がいないときはこれを私だと思って」


(屋敷に潜入したいのだが隙をみせない。この護衛は優秀だな……常に監視されてしまっている)


◇


人間王国、最後の都市に魔王軍は進撃しているが、歩みは遅い。疲れたダニエルのために部下が理由をつけては進みを遅くして休ませているのだ。真昼の軍のど真ん中にローゼ一人が降り立ってダニエルの居るテントに向かって歩いて行く。


「ローゼ殿、あなたは何がしたいのだ。まさか本気でアルコと結婚しようとでも思っているのか?」


ダニエルはテントの中で座ったまま、入って来たローゼを見るなり尋ねた。


「私はアルコ様と結婚したいではなく、もうしたんだ。式はまだだけど」


「それでどうする?」


「戦争はもうやめよう。これ以上は無意味だ」


ダニエルの顔に影が落ちる。


「勘違いをするな、それを言うのは人間に言え。我々ではない、裏切っているのは常に人間側だ」


「あなたはアルコには勝てない。それでも、やるのか?」


「オウトは二百年後に来る、アルコの寿命は持たない、魔族が引き継ぐしかない。結局この星の全ての命がなくなるのだ。私が倒れたらお前がやれ」


「わ、私が?」


「それとも、アルコと子供でも作ってその子にやらせるか?」


「こ、子供って……」ローゼの顔が赤くなる。


「はは! お前たちの子供がアルコほどの能力を受け継ぐかわからんではないか! やはり私がやらねば、アルコは私が倒す」


「ダニエル……あなたは馬鹿ね」


「その前に人間は出来るだけ倒す。やはり人間は信用出来ない、追い込まれた人間をお前たちは見ると良い」


◇


ローゼが戻って来た。

ダニエルへの説得は失敗し、騎士団長さんの表情は暗い。

 

「ダニエルは何がなんでもアルコ様と戦う、人間も出来るだけ倒すって。ごめんね、力になれなかった」


「ほ、他に何か言ってたの?」


「いやん、恥ずかしい……」


「えっ!?」


「ア、アルコ様と子供を作れって……」


ローゼが顔を赤くする。


「子供は可愛いよね。いっぱい欲しいね」アルコが無邪気に笑う。ローゼが唖然として下を向いてしまう。顔がこれ以上ないくらい赤くなっていた。


「と、ところでどうする? アルコ……また、街の人たちが大変な目に遭っちゃうよ」


僕はアルコを見つめると、アルコは仕方がないという顔をして、


「それじゃあ、最後の都市に行こう。ダニエルはそこに来るんだろう、戦いが始まる前に僕が説得するよ」


「せ、説得!?」騎士団長が困った顔をする。


「直接行ってもいいけど、またあの毒針打たれたら嫌だから、あの針が凄く痛かったんだ……広いところで話し合いたい。街の人たちとも魔族と仲良くできるか聞きたいしね」


こうしてアルコたちは最後の都市へ向かった。タリスは杉風としばらく会えなくなるのが辛かったがアルコたちと一緒に向かった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。