その59~パフォーマンス試験!?~
今日は、いつも通り歌のレッスンの予定だった。
でも放課後前、颯太からチャットが入った。
「今日のレッスンは中止。ミーティングに変更」
短い一文だった。
「なんだろうな……」
ダズと顔を見合わせながら、いつも通りキャラランドへ向かう。
会議室のドアを開けると、すでに何人かが集まっていた。
もも先生、太秦先生。カノンくん、まほろ、たつき。
ぼくとダズが席についたのと、ほぼ同時に、
「はいはい、飲み物な」
そう言って、颯太が大量のペットボトルを抱えて入ってくる。
そのあとすぐに、ちづる、なおとくん、雪雄くんも続いた。
ほぼ定刻。
ドアが開いて、猫太さんと岡さんが入ってくる。
「SARUとKABAが少し遅れてるけど——」
猫太さんが、いつもの調子で口を開いた。
「ミーティングを始めるニャ」
一瞬、視線が集まる。
「今日、集まってもらったのはニャ、
SARU、KABA、ももちゃん、河勝ちゃんで話して、みんなに伝えたいことがあるからニャ」
そのタイミングで、ドアが開いた。
「ごめんごめん、前の打ち合わせが伸びちゃって……」
SARUとKABAが、申し訳なさそうに入ってくる。
全員が揃った。
——よく考えると。
これだけの先生たちが、一度に集まるのは初めてかもしれない。
猫太さんが、改めて話し始めた。
「結論から言うニャ」
少しだけ、間。
「2週間後に、パフォーマンス試験を行うニャ」
……試験。
その一言で、空気が変わった。
「内容は、ダンス、演技、歌」
「歌にはラップも含まれるニャ」
メンバー同士が、小さくざわつく。
猫太さんは続ける。
「ただし、いわゆる合格・不合格ではないニャ」
「みんなの“現在地”を知るための試験ニャ」
現在地。
その言葉が、妙に頭の中に響く。
「La♪Ra・RISE!として、 歌やダンスのコンセプトやパートを詰めていく段階に来てるニャ」
「そのための判断材料にするニャ」
つまり——
誰が、どこで輝くのか。
誰が、どの役割になるのか。
それを、見られる。
ぼくは、無意識に視線を動かしていた。
……カノンくん。
……まほろ。
歌で中心に立つ可能性が高い二人。
意識しないほうが、おかしい。
でも。
ちづるも、たつきも。
最近、明らかに歌が伸びている。
2人だけじゃない。
全員が、確実に上がってきている。
その中で、ぼくは——
(……歌いたい)
気づいたら、そう思っていた。
その気持ちは、ごまかせなかった。
ミーティングが終わった。
誰も大きな声は出さなかったけど、
全員の表情が、少しだけ変わっていた。
「……残る?」
ダズが、小さく聞く。
「YES」
即答だった。
スタジオに向かう。
結局、ぼくたちだけじゃなかった。
カノンくんも、まほろも。
ちづるも、たつきも。
なおとくんも、雪雄くんも。
——全員、残っていた。
言葉は少ない。
でも、やることは同じだった。
もも先生、河勝先生、SARU先生、KABA先生も、残ってくれた。
指導が、次々に飛ぶ。一つひとつを、体に入れる。
時間が、あっという間に過ぎていく。
——あと、2週間。
やることは、はっきりしている。
「……ダズ」
「ん?」
「負けたくないな」
ダズが、少しだけ笑った。
「今さら?」
「だよな」
2週間後。
最高のパフォーマンスを出す。
そのために。いまは、ただ、全員で。全力で。
*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




