一章 エルフと野菜炒め 6
「な、なんでだよ!どうしてまた」
あの時のリーヤの言葉を思い出した…まさか。
それからの行動は早く、自然と体が動いていた。
温めた野菜炒めはタッパーへと移し替え、ご飯はおにぎりにした。魔法瓶を用意、お茶と味噌汁の2種類。
それらを鞄に詰め冷蔵庫へ向かう。が、その前に報告しなければ。
「父さん、母さん。ちょっと行ってくる」
覚悟は無い…でも迷いがある。行く理由なんてそれで十分だった。
2人へ挨拶を済ませ、今度こそ冷蔵庫の前に。
「よし!行くか」
気がつくとまた「あの場所」に立っていた。辺りを捜すと目的の人物はすぐに見つかる。膝をかかえうずくまるように座っていた。昨日ほどの元気も無いように見える。
「リーヤ」
声をかけると「ビクンッ」体が反応した。ゆっくり確かめるように顔をあげる彼女の目は赤く、泣き腫らしたかのようだった。
「コ、コーヘイ…?」
「おう、大丈夫か?ぐふっ」
昨日の抱きつきが今度は腹部めがけて飛んできた。暫くそのままの体勢が続いたが、やがてリーヤの口から少しつ嗚咽まじりに言葉が
「コーヘイ、ゴメン、ナサイ…本当ハ、ダメダッテ 分カッテタノ二。私、一人ガ嫌デ…マタ、コーヘイ二会イタイ 思ッチャッダ…会イタイッテ、祈ッタ」
顔をあげたリーヤの顔は涙と鼻水でぐしょぐしょだった。思わず頭を撫でつつ笑ってしまった。
「気にすんな、て言えば嘘になるがあのままってのはやっぱり駄目だと思ったから。それに、リーヤ腹減ってるんじゃないかと思ってさ」
同時に「クゥー」と、小さな音がリーヤから漏れた。
「…オナカ、空イタ」
待っていた言わんばかりに持ってきた鞄を見せる。
「じゃあ一緒に飯にするか」




