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定食屋はじめましたが、お客様はモンスターです  作者: 田井雫
腹ペコエルフと野菜炒め
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一章 エルフと野菜炒め 4

「仙場孝平だ。ちなみにお前が食べた食材の持ち主な」

少し皮肉を込めて自己紹介。子供のしたこととはいえ完全に許せるほど俺はできた人間ではない。

「コーヘイ…感謝!」

急に突然抱きついてきた少女。予想外の行動に反応がとれない。

「ちょっ、えっ?」

「食べ物、コーヘイがクレタカラ私助カッタ!コーヘイハ命ノ恩人!」

顔を擦りつけるように何度も抱きついてくる少女。愛情表現を向けられて悪い気はしないが、食べ物を素手で食べていたのであろう彼女の手と口周りはとてもべとべとしていて…とても複雑な感情になった。


感謝を表現しきって満足したのか少女が俺から離れる。

「私リーヤ、リーヤ=スピル!」

「そうかリーヤか、良い名前だな。それじゃリーヤ、俺は元の場所に戻ることにするよ。あ、落ちてる食材は好きにして構わないから。あとお腹空いたからといって何でもかんでも口にすると危ないからな」

矢継ぎ早にリーヤへ別れを告げる。これ以上関わりあうと戻れなくなる、だが危険信号は一向に鳴り止む気配がない。いつの間にか服の裾をリーヤが握っていた。

「コーヘイ?帰ルノ?」

まるで捨てられた子犬のような目。そうか、この危険を知らせる警告の正体…飼えないと知っていて捨て犬に

餌を与えてしまった時にする後悔に近い。一時の同情で無責任に行動してしまい、相手が信頼していると分かっていて最後は裏切ってしまう。

「リーヤ、離してくれないか」

視線を逸らしてしまった。今回の相手は犬じゃない、ましてや世界も違う。今ならあの祠から家に帰れるはず、これ以上ここに踏みとどまって帰れなくなるなんてこともありえる。リーヤには悪いが中途半端に関わっちゃいけなかったんだ。

「…ゴメン、ナサイ」

掴んでいた手を離す時リーヤの体が少し震えているのを見てしまった…。

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