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定食屋はじめましたが、お客様はモンスターです  作者: 田井雫
オークの村で定食屋はじめました
34/53

オークとの付き合い方

1軒の家に通された。木造の建物で手入れがされていないのか中は土や埃が溜まっており、壁の亀裂からは隙間風が入り込む。家財などもなく、寝床だろうか草が敷かれた場所があるのみだった。

オーク7人、向かい合うように俺、頭にはスィア、両隣にはリーヤ、スミスさん。オーウィンは入れないので外で待機している。

「…で、「村を助けてくれ」というのは」

家に着いた俺はオーク達に村へ連れてこられた理由を改めて尋ねる。オークはボリボリと頭を掻きやがて言い難そうにぽつりと、

「村ノ皆二…飯ヲ作ッテ、欲シイ」

そうだよな、確かにこうなると予想はしていたが話はそれほど簡単ではない。

「ちなみに村には何人住んでいる?」

俺の問いにオーク達は確かめるように頷き合う。

「…2、26ダ」

「さっき村の皆と言ってたが、全員分の食事を用意するのは…まぁ、問題無い。ただ、どれくらいの期間かということだ。1日や1月ではないんだろ」

誰一人答える者はいない。俯くオーク達の姿に同情してしまいそうになるが、俺の使えるお金だって限度があるしいずれは底をついていしまうだろう。そうなってしまっては元も子もない。

「厳しい言い方になるが俺達にも目的があるからずっと此処にいることはできない。そうなったらお前達はどうするんだ」

何も言い返せないオーク達は黙り込む。暫く無言の時が流れ、

「…さすがにこの状況を見捨てて行くのは…キツイよな」

手で顔を隠し考える、が良い案はすぐには思い浮かばない。

沈黙が支配する空間は突如壊される…リーヤの腹が鳴ったのだ。気まずそうにお腹を押さえるリーヤ、その顔も羞恥に赤らめている。

「…ごめんなさい」

小さく謝るリーヤの頭に手を乗せる。…ま、これからの話よりも重要なのは今どうするか、か。

「腹空いてちゃ考えも纏まらんか。なぁ、この村で全員が集まれるような場所はあるのか?」

オークに訪ねる、どうやら村の中央に今は使っていない集会所跡があるらしい

「よし、じゃあ其処を使わせてもらうぞ。26人分の食事を用意するからお前達は他の住人に声を掛けて欲しい。あと動けないのが居る所へは配膳してくれ」

オーク達にそのことを頼むと4人を連れて村の中央へ向かった。


「…やれやれ竜使いの荒い人間だな」

目的の場所に着き早速調理を始める為オーウィンに火を頼む、文句を言いつつも火を吐いてくれたので鍋に水を注ぎお湯を沸かしておく。

先程オーク達に使ってしまったので野菜や肉のストックもあまり残っていない、リーヤ達に米の準備をお願いし俺は一旦食材購入のため戻った。


相手は腹を空かせたオークの住民。とはいえ空腹で動けない者もいたはず、いきなり刺激の強い物を食べたら余計具合が悪くなるかもしれない、メニューとしては胃に優しいお粥と味噌汁…あとは、

「-よ、孝平、どうした難しい顔して」

顔を上げると、そこにいたのはよく見知った友人の姿だった。

「…なんだお前か古川」

「なんだとは何だ!せっかく会った友人に掛ける言葉がそれか!?」

「悪いな、今は時間が惜しいんだ」

「孝平さんは相変わらず付き合い悪いねぇ、またいつもの4人ですか~?」

からかうように煽ってくる友人にイラッとしつつ、

「…まぁな、ただ今日は更に大人数でな+26人だ」

「に、26…!?いや30人か…え、いやいやハーレムってレベルじゃ…」

ガクガクと震え虚ろな目で現実逃避を始めた。異世界の事を話すわけにもいかないしさすがに誤魔化しておくか。

「勘違いするな…まー、そう親戚関係の集まりだ」

彼の目に光が戻る。

「そうだよな!でも多過ぎないか…待てよ4人もいたらその関係で…それに外国だったら」

何かブツブツと呟き始めるが突然ハッと何か悟ったように俺の肩を掴んでくる。

「こ、孝平…お前、その親戚関係って今日初めて会う、とか?」

「あぁ、そうだな今日が初めてだな」

「っ!じゃあもう挨拶とか済ませたのか!?」

挨拶…確かに何か言っておいたほうが良いかもしれない。

「…そうだな、暫くは付き合っていくかもしれないし考えておくか」

「!!孝平…いつの間にか先越されちまったな。よし、俺に出来る事があったら言ってくれ!」

「良いのか?じゃあこれから食材買うから運ぶの手伝ってくれ」

「まかせろ!」

親指を立てとびきりの笑顔で承諾してくれた。いやー良い友人を持ったな。








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