変わる日常
「なぁ孝平!久しぶりにモック寄ってこうぜ」
放課後、仲の良い友人、古山が誘ってきた。以前はよく付き合っていたが最近は異世界生活の事もあり友人達と遊ぶ回数も減っていた。確かに残り僅かな学校生活も大事だ。だが、今の俺には腹を空かせたエルフ、スライム、精霊が待っているんだ…なんて言えない。
「あー、悪い!用事あるんだわ、今回パス」
「何だよ、付き合い悪いな…おいおい女か?」
軽く冗談を言うように茶化してくる。
「女?、うーん、まぁそうだな」
嘘は言っていない。
「へ、へぇ~、いつの間に…この学校の子か?」
「いや…そもそもこの国のヤツじゃないし」
大事なことなので2回言う、嘘は言っていない。
「外人かよ!?そりゃ色々と大変だろ」
「まぁ3人(?)もいるからな、毎日大変だし…最近は寝不足なんだよ」
重ねて言うが、嘘はry
「3人!?…寝不足…そ、そうか…孝平、お前変わったな。昔のお前はもっと純粋だったぜ…」
ふらふらとおぼつかない古山、教室のドアに手をかけると、
「ちくしょー!お前なんて貢ぎまくって無一文になればいいんだ!」
そう言い放ち、勢いよく扉を開け走り去ってしまった。
「おい!それは冗談じゃないぞ!?」
…ヒソヒソ
(仙場のやつ、女に貢ぎまくってるらしいぞ)
(一人じゃないらしいよ、やだー)
「誤解だー!」
いつものように買い物を済ませた帰り道。
あの後、教室に残っていた連中によって広められた俺の噂話を鎮静化させるのに時間がかかった。
「ただいま、っと」
家に帰り支度を済ませると冷蔵庫の扉を開ける。その先にはいつもの面子が揃っていた。
「おかえりなさい!コーヘイ!」
『随分疲れた顔をしているね、大丈夫かい?』
「遅いわよ孝平!…別に待ってないけど」
なんだろうか、ほっとしている自分がいる。
「あぁ、ただいま。よし、今から夕食作るからリーヤは手伝いを頼む、スミスさんは食器出して下さい。あとスィアはこれ冷やしといてくれ」
あれ?やはり、異世界『イクリス』での生活の方が馴染んでいるような…。そんなことを考えつつ夕食作りが始まった。




