一章 エルフと野菜炒め 9
どれだけの時間が経っただろうか、泣きやんだリーヤと元いた祠の近くまで戻った俺は彼女に聞いた。
「なぁリーヤ、これからどうすんだ?」
首をふるリーヤ。
「ワカラナイ…」
「リーヤ、俺はこのままで良いとは思わない。お前の住める場所を探すこともできるかもしれない…ただリーヤはこの場所から離れられるのか?」
リーヤからの返事は無い、答えを焦らせすぎたか。
「…一晩欲シイ、必ズ明日ニハ決メル!」
「そうか、分かった。じゃあまた明日な」
だいぶ夜も更けてきた、幸い明日も休日のことだしリーヤに付き合うとしよう。
荷物を鞄にしまって、とりあえず自分の家に戻る為祠に向かう。すると後ろから引っ張られる、この感覚は前にも…振り向くとリーヤが服の裾を持っていた。またか
「コーヘイ?行ッチャウノ?」
「そのつもりだったんだけど…」
「コーヘイ一緒ガ良イ!」
ブンブンと首を横に振るリーヤ、随分と積極的に主張してくるようになったなこの子。
「あのなリーヤ明日また来るから」
「…ウゥゥ」
男とは女の涙には弱いものである。すぐに戻るとリーヤを説得し一度自分の家に戻る。
「たしか昔家族でキャンプした時に、使っていたのがあったはず…」
押し入れを開け目的のモノを見つけた。片付けられなかった物が散乱した部屋をあとにして再び異世界へと足を踏み入れた。
「コーヘイ!オカエリ、何ソレ?」
「寝袋だよ、さすがに地面にそのままは辛いだろ。一応二人分用意したけど」
その夜は並ぶように寝袋を敷き、その中で眠った。リーヤに聞きたいことがあったが気がつくと彼女の寝息が聞こえてきた。異世界との生活…これから先の事を考えると不安で仕方なかったが、ここまできた以上出来る限り最後まで付き合っていこうと思った。




