12話 ヨーデル入院中 フレナ、クーリエ編
~フレナ編~
「食中毒に効く栄養って何かしらねぇ」
フレナが自室で食材図鑑を広げながら構成の加減算をしている。
(そもそも私の構成って怪我には効いても病気には効かないのよねぇ)
図鑑のページをめくりながら胸中で呟く。
(でも、そんな構成あるのかしら。王族でも病死ってあるしどうなのかしらね)
フレナの顔がだんだん真面目になる。
(免疫力を高める?身体能力向上の構成をそっちに応用して……)
フレナの指の動きが早くなる。が。
「やめましょ。王族お抱えの学者ですらまだ体系立てができないってことだものねぇ」
あっさり諦める。
「食中毒は薬でどうにかしてもらうとしてぇ……食べやすいおかゆの研究でもしましょ」
フレナが立ち上がり、ドスドスと音を立てて台所へ向かう。一階で良かった。
~クーリエサイド~
目的の花摘みは達成できなかったクーリエ。ただ、顔にはそこまで悲しさは見えない。
家の前に着き、ドアを開ける。
「ただいまぁ」
眼の前には広間。奥に左右に分かれる階段がある。あら、高そうなお家。
階段を駆け上がり左に曲がり、奥にある部屋に入る。
「クーリエ。早い帰りだったわね」
「うん、よくわかんないけど『もう帰れ』ってお兄ちゃんたちが……」
「お花は摘めたの?」
「ううん」
「そう。残念だったわね」
「でもねでもね」
クーリエが今日あったことを女に話す。
「そう……猿……身軽な子がいたのね」
「うん!すっごく楽しかった!」
「それならいいわ……。お腹も空いたでしょう」
「ううん。お弁当たくさん食べたからお腹いっぱい」
「そう……。じゃあもうお部屋で休みなさい」
「うん!今日の絵日記描くんだー」
そう言って部屋を出ていこうとするクーリエに女が話しかける。
「ねえクーリエ」
「何?」
「この街好き?」
「うん!あのお兄ちゃん達とまた遊びたいなー!」
「そう……わかったわ」
部屋から出ていくクーリエを女が見守る。
「……もう少し様子を見てみるか」
「そうですね。時間はまだあります」
クーリエと入れ違いになるかのように、女の隣にはいつの間にか何かが立っている。
「先日森のほうで感じた気配も何者かわからぬからな」




