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17話 料理と、後ろの会話

 私達は、平野をあるく。

 遠くに町が見える。

 町は、茶色い建物が多く、家屋が不規則に集まり、塊状に並んでいる。

 私達は、村の入り口に到着する。


「すこし、この町で休憩しましょうか」

「結構移動したなぁ。 羽の付けねが痛いな」


 クラリーチェはそう言うと、着地する。

 私達は、大通りをあるく。

 歩いていると、料理と酒樽の看板が目に入る。

 私は、彼女に声をかける。


「ねぇ、あそこに酒場があるし、入らない? 貴女も、お腹減ったでしょ?」


 私の言葉に、彼女は異議を唱えない。 彼女も、ここまでの移動でお腹が減っているからだ。


「そうだな。 まだ、朝から何も食べてないしな」

「決まりね」


 私達は、酒場に足を運んでいく。


 ―酒場―


 沢山の人達が飲み、食い、笑い話をしている中、酒場に入った私達は空いているテーブルに座る。


「沢山の、人間がいるな」

「そりゃあ、人間の町なんだし当然でしょ。 逆に、私達が珍しいのよ?」


 クラリーチェは、店内を見渡す。 中は広く、カウンターと沢山のテーブルが設置されている。

 私は、メニュー表を見る。

 クラリーチェは、メニュー表のある料理を指差す。


「この、赤兎の骨つきモモ肉とか美味しそうだな」


 彼女の言う赤兎は、過去に私も狩って食べた事があった。


「赤兎の肉はオススメよ。 昔、食べた事があるし」


 私は、昔に食べた赤兎の肉を思い出す。

 そして、自分の食べたい料理を店主に伝える。

 料理が来るまで、少し待つ。

 私は、周囲を見渡していると、後ろの席から会話が聞こえて来る。 会話の声が大きく、1番近くで座っている私の耳に嫌でも入ってくる。


「本当に、最近は物騒な世の中になったよなぁ」


 後ろから、男性の話し声が聞こえて来る。


「野党や、魔物に襲われる話しもそうだが、今じゃ行方不明が頻発してるしなぁ。 昔じゃ、考えられねぇよ」


 もう1人の男が、答えながら酒を飲んでいる。 話の内容から村長の言ってた王都で起きてる事件の話だろう。


「まぁ、行方不明は以前から地方とかで度々起きてはいたが、最近は酷いな」

「まったく、どうなっているんだよ」


 行方不明は、度々起きているのね。


「それに、行方不明者で1番多い人は誰だか知ってるか?」

「多い人?」


 私も、耳を傾ける。


「あぁ、これは王都から来た旅人に聞いた話しなんだがな」


 男性は、声をひそめる。


「何でも、教会関係者が多いみたいだ」

「まじかよ? そりゃ、本当かよ?」

「声がデカい。 これは、余り周りに知られたくないんだよ」

「え? 知られたくない?」

「そりゃあ、教会からしたら面白くないだろ? 印象も悪くなる。 だから、余り周りに聞かれると審問官が来ちまうよ」


 審問官? 私は、目を細める。


「そりゃ、怖いな。 知らずに、教会に目をつけられたくはないな」

「だろ? だから、余り大きな声では言えないんだ」


 男性は、酒を口に運ぶ。


「多分、今は兵士より審問官の方がお怒りだろうな」

「そりゃそうだ」


 その後、男性達は酒を飲みながら笑い話を始めていく。


「アリス、どうした?」

「え? 何かしら?」

「さっきから、一点を見ていたぞ?」

「ごめんなさい、心配かけてしまったわね。 でも気にしないで」


 ただ、後ろの話が気になっただけである。


「……ねぇ、クラリーチェ」

「ん? 何だ?」

「教会の審問官って、分かる?」

「審問官? あぁ、会ったことはないけど知っているな。 教会に、害のある奴を捕まえるとか。 それが、どうした?」

「ちょっと、気になって」


 私は、王都の話をしようとしたが、ちょうど料理が運ばれてくる

 とても、良い香りが鼻をくすぐる。


「すっごく美味そう。 いただきます」

「そうね。 いただきます」


 私は、行方不明事件の話は後にする。

 せっかくの、美味しい料理には不適切な話題だ。

 私達は、山の恵みの料理を食べる。

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