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第十八章(2):奇跡の架け橋、深まる絆


佐倉家では、私たち家族とルシアン様たちで、ささやかながらも心温まるクリスマスパーティーを楽しんだ。

温かなローストチキンと、彩り豊かなサラダ、そして手作りのケーキがテーブルいっぱいに並べられ、笑い声と幸福感に満ちた時間は、あっという間に過ぎ去っていった。



クリスマスの賑わいが明けた翌日、私たちは残された日本での時間を最大限に活用しようと決めた。


特にルシアン様は、私がこの世界で見て感じてきたものを、自分も肌で感じたいと強く願ってくれた。


一方、アルドロンさんは、クリスマスの朝から異世界間の通信と移動についての研究を本格的に進めており、休む間もなく和室にこもりきりだった。


食事もろくに取らず研究を進める彼を誘ったが、「皆で行ってくると良い」と、いつものように研究優先の返答だった。



「セラフィナ、お前の『推し活』の原点であるこの日本を、もっと詳しく知りたい」 ルシアン様の言葉に、私は目を輝かせた。この機会に、ルシアン様たちに日本の素晴らしい思い出をたくさん作ってほしい。


だって、もしかしたら、これが皆にとって最後の日本訪問になるかもしれないのだから……。


「はい!ルシアン様が行きたいところ、全部案内します!」



それからは、まさに慣れ親しんだ日常と日本の発見に満ちた日々だった。


私はルシアン様の手を取り、学生時代によく通った商店街の裏路地にある、安くて美味しい定食屋に連れて行った。

そこで出される、素朴ながらも心温まる料理に、ルシアン様は目を細めた。


「これは…確かに、白亜の城の料理とは違うが、何と心安らぐ味だ」


そして、放課後、友人たちと語り合ったという公園のベンチに座り、他愛もない話に花を咲かせた。


「ここから見る夕焼けが、すごく綺麗なんです。あの頃は、将来のこととか、部活のこととか、色々なこと話しましたね」 私の言葉に、ルシアン様は静かに頷き、その手を優しく握りしめた。


さらに、ルシアン様たっての希望で、再び、私が剣道の練習に明け暮れた道場にも足を運んだ。

古びた木造の道場には、汗と努力の染み込んだ匂いが充満していた。


ルシアン様は、以前訪れた時よりも深く、 その場所から私がどれほどの情熱を注いできたかを肌で感じ取り、改めて私への尊敬の念を深めてくれた。


「セラフィナ……何度来ても、この場所からは、お前がどれほどひたむきに、一つのことに打ち込んできたかが伝わってくる。」



それから、私たちはガイア様のご所望の品を買いに行くため、ショッピングにも出かけた。


ルシアン様たちは、日頃の感謝を込めて、この世界での最新家電や、魔界にはない珍しい調味料などを、惜しみなく購入していた。


カスパール君とローゼリアちゃんも、ここぞとばかりに自分の欲しいものを心置きなく買っていた。


最終的に、持ち帰るものはもう、大変な量になっており、佐倉家の大きな一部屋を、臨時の置き場にさせてもらうことになった。




そして、クリスマス当日の朝から不眠不休で研究を続けていたアルドロンさんが、ついにその成果を披露してくれたのは、クリスマスの二日後の夜だった。


彼はたった三日で、異世界通信可能なスマートフォンの試作品を完成させ、リビングでくつろいでいた私たち家族の前に現れたのだ。


「やっと完成した!これがあれば、皆様と、セラフィナが、いつでも連絡を取り合えるようになります!」


アルドロンさんの言葉に、お父さんとお母さんはパッと顔を輝かせた。


「まあ、本当!?これでもう、花と会えなくても寂しい思いをせずに済むのね!」


お母さんは私をぎゅっと抱きしめながら、感極まった声を上げた。お父さんも深く頷き、心からの感謝をアルドロンさんに伝えている。


「アルドロンさん、本当にありがとうございます!これでいつでも花と話せる!」


私も、感謝の気持ちを込めてアルドロンさんの手を握った。


アルドロンさんは、さらに話を続けた。彼の目には、揺るぎない自信が宿っている。


「それに加え、ルシアンの発案を元に進めていた研究も、ついに実を結んだのだ。リビングに飾られている五光の勇者の等身大パネルには、既に宝珠の神力が十分に籠められている。これらを媒介とすることで、ルシアンも、もちろん我々勇者も、空間に大きな歪みを生じさせることなく、この世界を行き来することが可能になったのだ!むろん、エリアス様の御許しを得てのことだが。」


アルドロンさんの衝撃的な発表に、リビングは一瞬、水を打ったように静まり返った。

そしてすぐに、歓喜の声で沸き立った。


「え…!?ということは、ルシアン様たちも、私と同じように、この世界に来れるってこと!?」 私の声は震えていた。喜びと驚きで、心臓が大きく脈打つのを感じる。


そして、私はルシアン様の方を向いた。彼もまた、私の言葉に静かに頷き、優しい眼差しで私を見つめている。


「ルシアン様…!これで、ルシアン様といつでも、この世界に来れるんですね…!」 私はたまらずルシアン様に駆け寄り、その胸に飛び込んだ。これで、離れ離れになるかもしれないという不安は、もうどこにもない。


ルシアン様と、日本の家族、そして日本の友達。その全てを、私は手放さずにいられるのだ。


私の目からは、喜びの涙がとめどなく溢れ出した。





そして、私はすぐにひらめいちゃった!


だってね、あの五光の勇者の等身大パネル、絶対私の部屋に置くべきじゃん!


もちろん、私自身の等身大パネルも隣に並べて、イベントでゲットした五光の勇者のグッズたちも、ぜーんぶ並べたら、あの伝説の「ルシアン様祭壇」が、まさかの復活を遂げるわけですよ!

想像しただけで、もうニヤニヤが止まらない!


そんな私の考えを察してか、あ、もしかしてルシアン様、私の脳内を覗いた!?なんて一瞬思っちゃったけど、 ルシアン様は、祭壇やパネルのエリアに強力な結界を張ってくれた。


「間違って誰かが触ってしまったりしては大変だから、と」なんて言ってたけど、 絶対、私専用の神聖な空間にしたかったんだよね! もう、ルシアン様ってば、そういうところ最高に推せる!


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