16. 仲良し作戦 〜お兄さま編〜 1日目
⭐︎Passe d'agréables moment⭐︎
お勉強も神聖力のコントロールの練習もしっかり行っているし、そろそろお兄さまにアタックをかけに行こうかしら?そのためにはまず、視界に入らなければいけないのよね。
最近、私が公爵城内をうろうろと歩きまわっているからなのか(実際にどれほど床に足をつけて移動したのかについてはここでは気にしないでっ)、お兄さまは自室(寝室や書斎など)または聖騎士団の訓練場にいることが多いそう。
お兄さまのお部屋に行けるはずもないし、訓練場は危ないからもう少し大きくなったら見学に行って良いよ
(前世では成人していたし剣を振っているところに突然飛び出したりするはずないじゃない)と言われているのよね。
これではばったり会うことに賭けたら視界に入れる確率は低いわ…
ううう。家でお兄さまに会うだけなはずなのに、なぜかハードルが高いわ…
うーん。ライトノベルで相手の興味を惹く際の鉄板行動(私的には定番だと思っているの)を試してみようかな?
作戦はこうよ。
執務室の窓から見える位置に行って、そこで読書をしたり、神聖力のコントロール練習をしたりするの。
そうしたらちゃんとお勉強していると分かってもらえるでしょう?
最初はお兄さまの執務室から私が見えることで「ちっ」とか「また来たのか」って思われてしまうと思うけれど、
続けていけば私を視界に入れてくれる時間が増えて徐々にお話できるようになると思うの。
今日は執務室で後継者教育を受けているそうなので、早速視界に入りに行こうっと!ミアにお散歩に行きたいと言ったら連れて行ってくれるわよね。
「ミア、パール庭園にお散歩に行きたい」
「では、お支度をしてから参りましょう」
「うん」
パール庭園というのは公爵家の人が住んでいる区画にある大規模な庭園なの。誰のお部屋からでもパール庭園の一部が見えるの(大きすぎて全体が見えないのよ。もしかすると、屋上からであれば全体を見ることができるかもしれないわ)。
お母さまのお部屋からはガゼボと主にバラが咲いている区画が、私のリビングからだと色とりどりのお花に加えて、可愛い彫刻が施された噴水も見えるの。お父さまのお部屋からは荘厳な噴水と主に緑色(本当に緑色が多いのよ。芝生の緑がベースになっていて、そこに鮮やかな色の花を並べて模様が描かれているの。鮮やかな花と美しい模様(女神様の羽をイメージしているのだそう)を際立たせるために、平面的な花壇の横に小高く刈り込まれた濃い緑の生け垣が巡らされているの(家のお庭だからって甘くみて1人で適当に歩いたら迷子になるわよ)。あっ、大きな木もあるわよ。なぜかそこにブランコもあるけれど)が、お兄さまのお部屋からは主にブルーや青紫色の花を咲かせる高木、低木、草花が見えるの。
今日は神聖力のコントロール練習をしようっと。とりあえず、お兄さまの執務室からでも目立つように低木を大きくしちゃおうかな。よく見えるくらいの大きさをイメージして、神聖力をルリマツリに与えて、えいっ。
ーーぐんぐん
ーーにょきにょき。
ん?あれ?なんだか想像していたのと違う……はっ、まずは成長を止めなきゃ。
低木の並びに1本、少し背が高い木があればいいと思っていたのに、これではお父さまのお部屋から見える大きな木と同じくらいの大きさだわ…元の大きさに戻さないと。
ふぅ。ルリマツリが予定より大きくなってしまったけれども、おかげでお兄さまが驚いて私の方を見てくれたの。
なので初日にしては成果は上々よね。
ミアは褒めてくれたけれど、自分が思った通りの大きさにできるように練習していかなきゃ。
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