表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/64

仕方がないのかしら?

 

 ピューーーー



 お母さんが口笛でわたしを呼んでいるわ。


 

 前は呼ばれて、でて行くこともあったけれど、今は名前を呼ばれても、口笛で呼ばれてもでて行かないわ。


 だって、捕まえられて、必死な抵抗もむなしくキャリーに押し込められ、病院に連れて行かれてしまうんだもの。


 絶対に出て行かないの。


 

 お母さんは困り顔だけど、仕方ないじゃない?


 背中や首の後ろに針を刺されるのよ!


 絶対、断固拒否よ!!


 

 朝からお母さんが出かける準備をしている時にはさっさと外に出ることにしたの。


 わたしはりっぱなレディですもの。

 お母さんの行動を見ていれば、おのずと分かってくるものよ。

 ちゃんと学習できるわ。


 病院に連れて行かれる時間もね。


 病院までは車に乗ってから、しばらくかかるから、お日さまがいちばん上まで昇ってから帰ると、病院には連れて行かれないの。


「もう、午前中の診察の受付に間に合わない……」



 ふふふ、お母さんが肩を落としているけれど、わたしの勝ちね!



 お昼ごはんの後は、お母さんの膝の上で休もうかしら。


 揺りイスに腰かけて、出かける準備をしたままのお母さんの膝の上で、優しく心地いいリズムででてもらいながらうとうとしていたら、いつの間にかお母さんもわたしを膝に乗せたまま寝てしまったみたい。


 しばらく気持ちよく休んでから、お母さんが目を覚ました気配で、わたしも目覚めたわ。


 お母さんは時計を見て


「ちょうどいい時間ね。」


 そうつぶやいたの。


 そうしたら、そのままわたし、キャリーに入れられてしまったの!


 

 なんてこと!!


 

 お母さんの膝の上は罠だったのかしら!?



 あの気持ちのいい時間が罠だったなんて……





 わたしの帰る場所はお母さんのところだし、たまには小鳥やネズミを捕まえて食べたりもするけれど、それはおやつなの。


 わたしのご飯はお母さんが用意してくれるものなのよ。


 だから、どんなに病院が嫌でも、毎日、お母さんのところに帰るわ。


 ……それならもう、病院に連れて行かれちゃうのは仕方のないことなのかしら……



  ……でも、やっぱりイヤぁぁぁーーー!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ