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「あなたは勇者様ですか?」「いいえ俺は勇者ではありません」  作者: /黒
第六話:広大で自由な、果ての無き大空
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5.

 それはまるで、テーブルクロスを掃除機で吸い込んだかのような光景だった。


 大空が。大海が。大地が。その全てが、一枚の布切れのように創造神ヤルザ・ヴォーンへと飲み込まれてゆく。


 吸収、吸収、吸収。際限ない吸収。景色が流れ、全てが創造神へと。


 俺は危険を感じ、サイカを抱えたまま大きく距離を取る。俺達がその影響を受ける様子は無いが、世界は流れに抗うことなく飲み込まれていく。


 そうして辺りは、無の暗黒に姿を変えた。


「――ぷはっ! あーあー、とうとう本気でアイツ、ブチギレちゃったよ」

「あ? 何だって?」


 今の今まで抱きしめられていたサイカが、苦しいから力を緩めろとばかりに顔を離す。

 キレた? それとこの現象にどんな繋がりが――、


「来るよ!」


【《¶»ήέ¶»ήέ¶»ήέΤΉΫΣ΄{ΫΐΐήΪΫΈΐήΉΑΪΌΘΌΘΌΘ΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄―――!!!}》】


 再び、何と形容してよいのかわからぬ何か。

 直後、何もない真っ暗闇だった俺達の頭上に、巨大な火山が出現した。


「な、ななな、な――ッ!?」


 火口を真っ赤に染めたそれが、一気に噴火を始める。

 赤い流動体の炎がいくつもの蛇のように飛び掛かってくる。火山弾は灼熱の炎を纏い、物理法則を無視した黒煙が視界までもを覆いつくす。


「く、っそ――ッ!」


 重力の発生点を火口そのモノに作りだし、逆流を狙う。溶岩と黒煙は火山の中へと戻っていく。

 目論見は成功。再び視界はクリアになり、代わりに巨大な山が、圧力に耐えきれずに爆裂四散した。

再び、創造神の方へと視線を向ける。


 ――遠くに、破片を漂わせ、その上には罅割れた頭部を浮かせた光の玉。大きさは、女神の時よりも縮んだが、それでも十二分に巨大だ。


「あいつ、あんなボロボロでまだやるつもりか――ッ」

「何を言っているんだキミは。もしかして、いかにも女神然とした姿のことを言っているのかい?」

「あ? いかにも?」

「アレは、ヤルザ・ヴォーンが見栄を張るために作った身体だよ。ほら、『神様と言えば』あんな姿をしてそうなものじゃないか。ヤツは、そんな性格してるんだ」

「じゃあ、アレは――」

「お察しの通り。あれこそが、ヤルザ・ヴォーンの真の姿。核そのもの。あの光の玉が、ファラナルドと言う世界の創造主さ」


【《Οµ³¦Ό®³Α®³½Ω·®ΐή²ΕΌΫAΓή΄΄΄―{―!!@·»ΟΧ¦µΌΒΜήΌΓΤΩ©³³³³³――!!}》】


 俺達の左右から、挟み込むようにして巨大な城が二つ現れた。魔王城のごとき造形の、しかし微妙に作りの異なる両者が両側に出現する。


「魔力、なんていう言い方をしてるけど、本当はもっと違うモノなのさ」


 宙を舞い、ギリギリのところで迫るそれらを回避する。背後の城同士が砕きあい、瓦礫をばらまいていく。そんな中でも、腕の中のサイカは冷静に言葉を紡いでいた。


「名称は無いから――そうだね、敢えてつけるとすれば、『源素』かな。それが、魔力の正体、ひいてはこの世界を構築する力。さらに言えば、創造神の身体」

「身体――?」


【《άΐΌΙΎ¶²¦¤Ύ¶²¦¦¦¦¦±ΧΧΧ½Ε§±――!! @ΓήΓ²Ή{ΓήΓ²ΉΓήΓ²ΉΓήΓ²ΉΓήΓ²Ή΄΄΄΄―!!}》】


 もはやマネキンの首同然と化した頭、その両目から光が放たれる。そしてその光線は、枝葉のように分かれ、あらゆる方向から俺達に襲い掛かってきた。


「源素によって、山も海も空も植物も動物も果ては現象そのものも出来ている。そして魔法は、魔力は。そんな源素に一人一人の仮ユーザーが付いた力なんだよ。だから、この世界で力をコントロールすれば、炎を出したり風を起こしたり、現象を作り、自分のものとして一時出来に操ることができるんだ」


 往生際の悪い創造神の攻撃を、自分は掠ってもサイカは傷つけないよう動きながら、極大の火の玉を投げつける。それは命中。またもや創造神は、声ともつかない叫びをあげた。


「けれど、力を掌握したとはいえ仮。だから、創造神の意志一つで源素の状態へと還すことができる。だから、魔王たちですら創造神には敵わない。如何なる魔法をぶつけても、それは元々創造神の身体と言う粘土の一部。そもそも、傷一つ負わせられるわけがない」


 投げつけた火の玉は、光の玉に直撃。創造神は叫ぶようにその姿を波打たせた。


「だが、俺の攻撃は効果があるみたいだぞ? 女神の姿だって、打ち砕けた。この力は元々アレックス達にもらったものだが、元をただせばアイツの一部なんだろ?」

「そうだね。けれども、そこに全く異なる別の世界の力が合わさればどうかな?」

「別の、世界――?」

「つまり、あいつの身体とは無関係の、言ってしまえば異物さ。キミはこの世界で魔法を使うことができなかった。当然だ。なぜなら、キミはそもそもこの世界の人じゃない。そこでボクはどうしたか、覚えてるかな?」


 創造神は女神の生首を、ビームを射出したままこちらへと飛ばしてきた。頭部はぐるぐるぐるぐると周り、光線が滅茶苦茶に周囲をめぐる。


「あの魔法は、確かにキミに魔力を溜めさせるためのモノだったけど、もう一つ別の役割があったのさ。それは――、」


 巨大な鎧の兵隊たち四体を女神の頭部周辺に出現。頭の動きを、強引に抑えさせる。


「両世界の力、その混合による根本の書き換えさ」


 そうして固定された頭に接近し、俺はハリボテの頭を蹴り砕いた。


「一度使用された魔法がどうなるか知ってるかい? 勿論、創造神の身体の一部たるそれは源素と還り、如何なる存在の干渉も受けないまっさらな状態へ戻る。源素はこの世界の生命には干渉できないモノで、しかし自ずと生ける者に徐々に補填されていく」


【《·¨²²²²²²²²²²²²²!!@ΈΐήΉ¤Ϋ«µµµµ{µµµµµ――!!}》】


 砕かれた頭が、飛び散った破片が機雷のように広がり、次々と爆発を始める。


「く、ぅ――ッ!」

「要するに、全ては神の掌の上での出来事。けれど、ボクが魔力蓄積魔法をキミに施し、そしてキミがその魔法を扱う――魔力を取り込んでいくたびに、源素の中身は書き換えられてきた」

「最終的に何が言いたいんだ――? こっち、は、結構キツイから、手身近にまとめてくれ」


 サイカを庇い、背中に激痛が走る。傷はダニカの魔力で自動的に治癒されるが、かと言って俺の体力・精神が無限であるわけではない。


「キミが溜めた魔力、もとい異物となった源素を使えば、奴を殴り倒せるのさ」


 創造神が、その周囲のもはやどの部分だったか分からない破片を飛ばしてくる。それらを躱しながら。俺はサイカの言葉に耳を傾ける。


「キミの攻撃は、この世界に住む人々にとってはありふれた魔法攻撃だが、神様にとってはとんだ猛毒さ。拳はいわば、胃もたれ中の腹にボディブローを打ち込んだようなモノ。――ボクのサポートが途切れないうちに、どうするか決めるといい」

「決め、る?」


【《ΒΜ{ήΪΫΒΜήΪΫΒΜήΪΫƒHƒbƒb!!@²ΕΈΕ¤Ϊ΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄΄――!!}》】


 四方八方から、流星と巨木と人間が降り注いでくる。その密度はインチキレベルで濃く、回避するのは難しい。


「キミは、ボクと対峙したとき、戦いに来たわけじゃないと言う旨の言葉を言ったね」

「――ああ」

「別に、帰ってもいいんだよ。そもそも、あの創造神はキミが異物の温床であることは最初から理解してる。だから、効かないフリをしていても攻撃からは逃げていた。アイツにしてみれば、キミは今すぐ元の世界にお帰り願いたいのさ」

「…………」

「帰り方が分からないのなら、ボクが向こうの世界へと通じるトンネルを作ってあげよう。ボクも同じように源素を自分の中でいくらか作り替えてきたけど、さっき埋没した際に大半を元通りにされてね。この小細工も割と一時的なんだ」

「…………」


 確かに、サイカの言う通り、帰ってもいいのかもしれないと思った。


 実際、サイカさえ取り戻せさえすれば俺はよかった。彼女と共に、元の生活へと戻ることができれば。正直、立場上この世界のことなどどうでもいい立ち位置に俺はいる。

 この世界のことなんか。本当は全く関与することのなかった、異世界のことなんか。全て知らぬふりして、サイカと元の世界へと戻って。旧い世界が、新しい世界がどうなっただとか、頭の中から放り出して。そうしたほうが、数倍の差で楽に決まっている。


 ――けど。けど、な?


「――そいつは、確かに魅力的な提案だ。知らんふりして帰れれば、どれだけ楽なことか」

「そうだね。源素を元としていないキミは創造神の影響を受けないけど、物理的なモノをまともに喰らえば、実際に死にかねないしね」


 けど、と。俺はサイカの瞳をまっすぐに見つめる。


「だけど、それじゃあ俺は俺の嫌いなヤツになっちまう」


 元の世界での人生。俺が助けを求めても、面倒臭がってどいつもこいつも俺を適当にあしらった記憶。そのクセ、向こうは自分が困った時、勝手に助力を借りようと懇願してくる。


 けれども、ここで俺がこのクソッたれな創造神を無視して帰れば、俺はそんな大嫌いなヤツと同じに成り下がってしまうだろう。


 俺は、この世界で「見返り目当て」に人々を助けに助けた。他ならぬ、サイカを助けたいという想いだけを目的に据えて。


 だが、もう一度この世界に呼び戻された時。奴らはもう一度俺に力を貸してくれた。なぜか。俺があいつらを助け、俺に助けたいヤツが居るからだと、アレックスは解説した。


「そりゃあ、今こうしてお前を助け出せた以上、目的は達したも同じだ。けど、それが叶ったからって、知らんふりすればこの世界の奴ら、俺に力を貸してくれた奴が、全員不幸な目に合っちまう」

「…………」

「あいつらは、この世界を、自分達を救ってくれなんて言わなかった。言ってくれなかったんだよ。勇者みてぇな役目なんて、俺に求めなかった。損得なんか、どうでもよくて、その心だけで、力を貸してくれたんだ」


 感情任せで論理も何もないと言い捨てられてもおかしくない。けれども、どんな理論よりも大切な想いがある。

 一度他者に諦めを見て、それからずっと、サイカ以外との関係を断ち切ってきた俺には。奴らが与えてくれた力は心臓に電気が走るほどの衝撃だった。


 ただ、それだけの。しかし、これ以上なく大切な直感。


「――そっか」


 すると、サイカは何やら満足気に微笑んだ。それ以上、彼女は何も言わない。流星と巨木と人間が迫りくる中、何かに思いを馳せているような、そんな様子。

 だが、やがて。その顔が、いつもの自信ありげな表情に変わる。


「さてカナト、」

「なんだよ?」


「あの独りよがりなワールドクリエイターに一泡吹かせる方法、分かってるよねッッ!」

「要するに、今まで通り攻撃すりゃいいってことなんだろうがァッッ!」


 俺はサイカの怒鳴り声に怒鳴り声で返し、自分の中の魔力をありったけかき集める。


「カナト、その前に周囲を!」

「分かってるよォ!」


 参考にするのは、サイカが以前俺に向けて放った一筋の閃光。溜めて、溜めて、溜めて――溜めて圧縮した魔力を、創造神へと向けて発射する。


「うまくできりゃ、拍手喝采だ」


 それを、「俺が構築したいくつもの世界」へと飲み込ませる。


「行けやァあああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!」


 世界の全てが、創造神の身体。それを引きこんだと言うことは、ここは世界でも何でもない。ちょっとファンタジックな言い方をすれば、空間の狭間なのだろう。


 すなわち、空間の裂け目に新たな世界を割り込ませれば、サイカが空間の穴を通して攻撃してきたことと、同じことができる。

 サイカのように、さらにその先を新しい穴に飲みこませるような器用さは持っていない。だが、込めた力はアレの何倍にもなっていることだろう。


 周囲の無に無数に存在する世界。そこから放たれた膨大な閃光が、創造神の攻撃を打ち砕いた。


「なかなかやるじゃないか。ボクには遠く及ばないけど」

「うるせぇお前、これだけの力を扱ったことがあんのか!」


 仕事を終え、未だ俺のモノである、源素へと立ち返った光線と世界を回収。確実に攻め落とすべく、俺はヤルザ・ヴォーンへとサイカを抱えたまま飛翔した。


「お姫様を抱えたままラスボス退治。随分と余裕な勇者だね」

「俺は勇者じゃないし、お前はお姫様じゃない」


【《ΕΎή!?@Δή³ΌΓάΐΌΙΎ¶²¶ΧΓήΓ²¶Ε²!{?@µΣ²ΔήµΨΖΕΧΕ²·»ΟΧΕΔή²ΧΕ²!!}》】


 ヤルザ・ヴォーンがその身を削って、攻撃のための力を集めている。ヤツの周囲を漂っていた破片は想像神に飲み込まれていく。

 おそらく、俺と同じようにありったけのパワーをぶつけようとしているのだ。


「確かに、ボクはむしろ大魔王だったか。ラスボスはボクだったね」

「そいつも、違う」

「うん――?」

「お前は俺の、唯一無二の幼馴染だ」


 俺は片腕でサイカを抱え直した後に、正面に手をかざす。そしてそのまま、力任せに源素を固めた光線を放つ。

 ――と、それに応じるようにして向こうも極太の閃光を放ってきた。


 互いに、正面からせめぎ合いになった。


「――っ、マズいよ、カナト!」

「あ!? 何がだ!?」

「仮にも向こうは創造神! 力の総量で言えばそれこそ膨大だ! けれど、今キミが使っている力の元はあいつの一部分で、当然放てる量は遠く及ばない! 愚かしいにも程があるよ!?」

「知らねぇ、よ――ッ!」


 全ての力を。自分の身を守る力さえも片っ端からつぎ込んでいるため、身体が悲鳴を上げ始める。自己治癒も、頑強さも、今更回避するための翼も、今は持ち合わせていない。


「ああっ、もう! キミはなんで最後の最後で詰めが甘いかなァ!」

「文句言うなら、何でもいいから手伝えよ!」

「ボクにはもうほとんど力が残されていないんだってば! 大体、それでも向こうの力が上なのは変わらないよ! むしろ、こっちがここまで追い詰めてること自体が奇跡だ! 腐ってもあれは創造神なんだよ!?」


 下手に離脱を試みれば、こっちの攻撃を止めてしまうことにつながり、向こうの攻撃の直撃を受けてしまうだろう。物理的な衝撃だけは、別なのだ。


「――いや、一つ、手がある、か」

「何!?」

「カナト。ただし、それをするにはキミがボクのことを信じてくれる以外にない」

「…………」

「信じて、くれるかい?」


 強気な様子で微笑み、腕の中で見上げてくるサイカ。

 今回、とんでもない大嘘をついてくれたわけで、それがとんだ大冒険を生み出してしまった。ぶっちゃけ、滅茶苦茶疲れたし、死ぬかと思ったことなんて何度もある。だから、俺は、


「今更過ぎるな――ッ!」


 と、同じく強気な笑みを返してやった。


「上等な答えだよ。さあ、終止符を打とうじゃないか!」


 サイカが創造神を睨むなり、俺の放っているビームはだんだんと押され始める。その勢いは、俺が自分なりに試行錯誤していた時よりも圧倒されている。

 けれど、俺は決めたのだ。サイカのために、自分はあるのだと。


 だから、俺は。俺達は、大空を見上げ前へと進む。


 そうしているうちに、創造神の光線は目と鼻の先まで迫ってきた。あと僅かで、俺達二人は消し飛ばされる。そんな状況。

 しかしそれでも、残った源素を逃げるためには使わない。サイカを信じているから。俺を信じてくれたあいつらに、報いたいから。

 そして、それだけの想いをつぎ込んだ意味は充分にあった。


 創造神を、周囲からいくつものビームが貫いた。


「――っ!?」

「ボクには遠く及ばないって、言ったじゃないか」


 見れば、創造神の周囲にはいくつもの小さな世界が構築されている。そこから、光の玉を貫通した光線は放たれたのだ。

 異変が起こったためか、ヤルザ・ヴォーンの放ったビームは細くなっていく。


 何が起こったかと見れば、互いにせめぎ合ったビームの接点にもまた、新たな世界が構築されていた。


「簡単な話さ。キミとアイツの攻撃、その境に新たな世界を構築してやった。アイツの攻撃は全く関係のない地点に流して、しかもそれがさも押しているかのように見せかけ、その実、吸い込む穴をそう見せかけるよう移動させながら、ね」

「じゃあ、俺の攻撃も?」

「その通り。今、アイツを四方八方から貫いたのは、これまたボクが移動させた、キミ自身の攻撃だよ」


 貫かれ、光の玉がぐちゃぐちゃと苦しみもがき始める。今更、その光の玉が割としっかりとした実体めいたモノを持っていたことに驚いたが、認識している間に、常闇に溶け始めていく。


 ファラナルドという、魔法も勇者も魔王も存在するファンタジー世界の主。その創造主、ヤルザ・ヴォーン。

 自らの生み出した世界を。無数の命を。自らの娯楽とし、自分のおもちゃのように扱ってきた、ありがたくない神様。


 ボロボロと消滅していくさまは、まるでダイヤモンドダストのように煌めいていた。己の世界であるからと、自分勝手でやりたい放題やっていたヤツだとは思えないほど美しい。


「砕け散れェええええええええええええええええええええええええええええええええッッ!!」


 俺の攻撃の障害となっていた光線は消えた。俺はさらに、自らの光へと力を込める。

 更に太さを増した光が、創造神ヤルザ・ヴォーンを飲み込む。その光の中で、崩壊がさらに加速する。


 そして、遂に、


 遂に――……、



 ……――遂に、身を辛く貫く光は消滅した。




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