㉔「海の雫」
君と眺めた星の流れる夜
一つの光を指差して無邪気に笑う君 僕も笑った
心が軽くなって優しい気持ちになれた
海のせせらぎが聞こえる
遠く離れた孤島から響く潮騒かな
その切なさがまだ耳に蟠るけれど
隣に寄り添う君の肩
戸惑いながらも確かに君の手を握り返した
ねぇ、愛する事と愛される事はどういう意味なの
たくさんの日だまりを浴びて強く育つたんぽぽや
何処までも続く世界を風に乗って飛び回る渡り鳥のように
朽ちない様々な想いを貰ったり運んだりする事なのかな
きっとそう…僕ももうこの足で歩いていける
「大丈夫だよ」って君が居てくれるから
「大丈夫だよ」と僕もここに居られるから
風の靡きが見えた気がした
ほんの少し前までの自分が見せた微かな幻
僕を呼ぶ 僕を置いて行かないで傍に居てと心の奥から
ずっと叫ぶ声がある気がしている
ならば一緒に行こうか 人はそれぞれ何かを背負って怖がりながら生きてゆく
ねぇ 曇り空を突き破ったずっとその先には何が待ってるの
目を見開いて大きな声で聞く 小さな子供のように
いつの日かその答えが来るのを信じて この空を見つめるよ
果てない頬の雫が地上に届かないことを祈り
再び歩き出せるその日まで この両足でちゃんと
「そばにいるよ」って君が言ってくれたから
僕はくじけないように 今 歩き出せた
君と眺めた星の流れる夜
一つの光を指差して無邪気に笑う君 僕も笑った
心が軽くなって優しい気持ちになれた




