41話 「解錠」
ほどけないと思っていたものは、
案外、
静かに外れていく。
あれから、
特に何も起きていない。
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職場の人からも、
何も聞かない。
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(……気のせいだったのかな)
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澪はスマホを開く。
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澪
「明後日波良いけどどーする??」
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少しして返信が来る。
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蒼
「明後日、親父の墓参りだ」
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「そっか」
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そう打って、
消す。
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少し悩んで、
送り直す。
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澪
「私も行きたい」
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送ったあと、
少し後悔する。
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(……図々しかったかな)
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返信が来る。
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蒼
「別にいいよ。妹も来るけどいいか?」
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澪
「いいよ!会いたいし!」
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あの時、
決めた。
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この人の過去にも、
寄り添うって。
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次の日。
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楓がアパートに来る。
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「お兄ちゃんただいまー」
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「ちょっと荷物いい?」
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「おう、おかえり」
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バッグを置きながら、
部屋を見渡す。
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「……土曜の昼間だってのに何してんの?」
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「ファッションショー?」
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「いや、この間買った服着てただけ」
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「へぇ〜?」
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ニヤつく。
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「つーか明日、一人来てもいい?」
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「え?誰?」
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「いや別にいいんだけど」
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「誰?」
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「彼女」
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「……は?」
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「彼女!?」
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「彼女できたの!?」
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「お兄ちゃんが!?」
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「やっぱりー!!」
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「この間もおかしいと思ったんだよ!」
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「人の心忘れてなかったんだ〜良かったぁww」
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「どういうことだよ」
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「えー楽しみー!」
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「早く明日なんないかなぁ」
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「あ、だから服とか気にしてたんだぁ?」
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「わかりやす〜」
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「はいはい」
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休憩中。
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澪のスマホが鳴る。
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蒼
「妹も楽しみにしてるって」
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澪
「え!?言ったの!?」
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蒼
「言った」
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澪
「私も楽しみ!」
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「……うわー」
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「緊張してきたどうしよう」
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「おっ、澪お疲れー」
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「お疲れ様です!」
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「え、なんか汗かいてない?」
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「大丈夫?」
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「あー大丈夫です!」
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「何?彼氏とLINE?」
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「出来たんでしょー?」
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「しほちゃんから聞いたよー」
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(……しほのやつ)
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「あーまぁ」
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「明日の予定とか色々〜」
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「若いっていいね〜」
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「あ!そうだそうだ」
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「これ言おうとしてたんだ」
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「そういえば昨日さ」
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「浦部さんと会ったの」
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澪の表情が止まる。
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空気が変わる。
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「……え?」
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「何話したんですか?」
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「んーなんかさ」
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「もう吹っ切れてる感じだったよ?」
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「僕も至らないところがどうのこうの〜って」
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「その後、一ノ瀬さんには頼もしい人が居るから大丈夫ですね!」
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「とか言ってたけど」
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「言ったの?彼氏出来たこと」
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「……言ってないです」
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「連絡先も知らないし」
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「え?」
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「じゃあ何処かで見かけたとか?」
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「この街狭いしなぁ」
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店長の言葉が、
頭に入ってこない。
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「んーでもさ」
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「そういう事する感じには見えなかったけどなぁ」
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「なんか一皮剥けた感じ?」
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店長がパンっと手を叩く。
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「ま!」
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「これからの人生長いんだから!」
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「先のこと考えようよ!」
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「何かあったら私も居るし彼氏も居るんだからw」
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胸をつつく。
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「やめてくださいよぉw」
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「大丈夫?澪」
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「……大丈夫です!!」
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私の周りには、
こんなにも良い人がいる。
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だから、
大丈夫。
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でも——
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なんで知ってるんだろう。
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(……蒼に聞いてみよっかな)
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夜。
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仕事終わり。
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澪
「今終わったー」
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蒼
「おつかれさん」
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澪
「てか私の元旦那と蒼って知り合いとかじゃないよね?」
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蒼
「違うよ」
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澪
「だよね」
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「なんか私と蒼が付き合ってる事知ってるみたいだったからさ」
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蒼
「あー言ったからかな」
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「……は?」
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着信。
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一ノ瀬澪
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「もしもし」
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「もしもしじゃないわ!!」
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「何!?言ったって!」
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「話したの!?」
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「あの人と!?」
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「うるさいうるさい」
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「何個も一気に質問すんな」
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「……話したの?」
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「あぁ」
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「何話したの?」
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「これからの人生邪魔するなよって」
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「何でそれ言わないのよ!!」
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「あーごめん」
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「忘れてた」
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「忘れるな!!」
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「もぉ〜めっちゃ怖かったんだけど!」
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「なんか見張られてる感じしたぁ……」
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「もう大丈夫じゃねーか?」
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「あの人も先見て頑張るって言ってたし」
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「……そうなんだ」
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「ありがとう。本当に」
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「……え?」
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「泣いてんの?」
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「なんか安心したら勝手に出てきた〜」
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電話の奥から声がする。
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「あーお兄ちゃん彼女泣かせたぁ」
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「……え?」
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「妹!?」
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「楓ちゃん!?いるの!?」
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「いるよ」
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「今日泊まる」
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「先言ってよ!!」
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「めっちゃ面倒くさい彼女だと思われるじゃん!!」
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「あーごめん」
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「忘れてた」
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「そればっか!」
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「……んじゃ明日ね!」
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電話が切れる。
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蒼。
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ありがとう。
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私の心の鎖、
全部なくなった。
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なくしてくれた。
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今は、
心の底から人生楽しもうって思える。
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あの時、
パーキングで言ってくれた言葉の通り。
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私はちゃんと、
私の人生を生きる。
誰かに救われることは、
弱さじゃない。
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前を向けるなら、
それはきっと、
生きていく力になる。




