闇 vs 未来
瓦礫の広場。
夜風が火の粉を運ぶ。
アルトリウスの前に立つのはレオン。
二人の間の空気が、張り詰める。
アルトリウスが言う。
「お前か」
レオンが肩を回す。
「勇者ってのはもっと真面目な奴かと思ってた」
アルトリウスは少しだけ笑う。
「真面目だから壊すんだ」
沈黙。
次の瞬間。
二人が同時に踏み込む。
衝突。
剣と剣がぶつかる。
衝撃波が広場をえぐる。
レオンが驚く。
「……!」
速い。
いや違う。
先を読まれている。
アルトリウスの目が光る。
未来固定。
次の動きが見えている。
アルトリウスが言う。
「無駄だ」
斬撃。
レオンの肩が裂ける。
だがレオンは笑う。
「そうでもない」
闇が膨れ上がる。
地面から影が伸びる。
アルトリウスが眉を動かす。
レオンが踏み込む。
「奈落スラッシュ!」
黒い斬撃が爆発する。
アルトリウスが受け止める。
だが。
ほんの一瞬、足が止まる。
レオンが気づく。
(未来固定……完璧じゃない)
アルトリウスが言う。
「面白いな」
未来が揺れる。
感情がわずかに動く。
その瞬間。
未来固定がほんの少しズレる。
レオンが突っ込む。
連撃。
「おおおお!!」
剣がぶつかる。
火花。
衝撃。
アルトリウスが押し返す。
「だが足りない」
斬撃。
レオンが吹き飛ぶ。
瓦礫に叩きつけられる。
血が流れる。
アルトリウスは言う。
「ここまでだ」
その時。
後ろから声がする。
「まだだよ」
二人が振り向く。
リュカが立っていた。
ふらつきながら。
壊れた剣を握って。




