黒き大災害その3
衝撃が俺も立っているのがやっとなほどの爆風となって辺り一帯を
吹き飛ばさんと吹き荒れる。
轟音のような爆音が響き渡って鼓膜が破れそうになる。
耳を塞ぎながらドラゴンを見るとドラゴンの熱線と波動砲のような光線が拮抗していた。
[これ、不味いですよ……向こうのビームの出力がだんだん落ちてきてます。
このままじゃほぼ無尽蔵のエネルギーを誇るドラゴンが押し切りますよ]
マジか……あれを押し切れるのかよ。
黒き大災害の看板に偽りなさすぎだろ……。
だが、今のあの光線に意識が集中している今がチャンスだ。
畳みかけたいところだが……
「……ッ!?……くっ!!」
爆風と轟音が凄くて近づきたくとも近づけない。
このまま指をくわえて見てる事しか出来ないのか……。
そう思っていると後ろから高温を後ろから感じた。
振り向いてみるとそこには溶岩で形作られた巨人が立っており
その巨人の足元にはヴォンカ達極術師連中が立っていた。
「……お前ら、何する気だ?」
「何、畳みかけるなら今だって思ってな」
「そういう事だ、お前はさっきのダメージが残っているだろうから休んでいろ。
祖国が生み出したチャンス無駄にはせぬ!!」
そう言うと溶岩の巨人は地を溶かしながらドラゴンへと向かっていく。
更に竜巻がドラゴンへと突っ込んでいき、氷塊がドラゴンへと飛んでいく。
そんな天変地異を超えた何かのような光景が目の前で繰り広げられる。
溶岩の巨人はドラゴンに対して掴みかかり押し倒そうとする。
が、ドラゴンはびくともせずに片手を光らせながら巨人へ手を振り下ろす。
すると蒼い爆発が起こり、巨人の左上半身を吹き飛ばす。
竜巻が肩や顔に直撃しても、氷塊が直撃しても、なんともないようで
リアクションの一つすら取らなかった。
「こうも反応すらされないとはちょっと困るな……」
「いや、まだだ!!」
巨人の熱によって溶けた地が腕の形を成してドラゴンへ掴みかかっていく。
それをドラゴンはまるで蜘蛛の巣をかき分けるかのように
腕を振るうだけで叩き落としていく。
その隙に左上半身がなくなった巨人はドラゴンへ圧し掛かるかのように
覆いかぶさりに行く。
更に溶けた溶岩が砲丸のごとく連続でドラゴンへ向かって撃ちだされる。
顔や腕、足を爆撃するが、それでもドラゴンはビクともしていないようだ。
やっぱり魔力系攻撃90%カットは伊達ではないって事か……。
純粋な物理攻撃が出来る俺が行くべきだろうが
衝撃と轟音のせいで近づきたくとも近づけない。
クソ……どうすりゃいいんだよ、これ……。
「わ、私も手伝うよ」
後ろからアヤカがそう言いながら駆け寄ってきた。
そういや……こいつの攻撃って………
「お前、ここからあいつに攻撃できるか?」
「出来るよ、任せて」
自身気な表情をした後にアヤカは一歩前に出て剣をドラゴンへ向ける。
「ふぅ……行くぞぉ!!!!」
アヤカがそう言うと剣が光り輝きだし、その剣を構える。
「いっけえええぇぇぇぇえええ!!!」
その声とともに光が斬撃となって飛んでいきドラゴンの腹へ直撃する。
斬撃は鱗や甲殻を切り裂いて、肉を裂く。
ギギャォォオオオ……
ドラゴンは突如腹が裂かれた事に驚いたのか悲鳴のような声を上げる。
声を上げた事で熱線は途切れ、押され始めていたビームがドラゴンに直撃する。
巨大なビームは当たるや否やドーム状のエネルギーの塊のようなものを形成し
それがどんどんと巨大化していき……それが大爆発を引き起こす。
さっき以上の爆音のような轟音と衝撃が辺り一帯に襲い掛かってきた。
それをアヤカをしゃがませながら体をかがめて衝撃を耐える。
なんつー威力だよ……。
衝撃によって発生した土煙が濃霧のように視界を遮っていた。
ドラゴンは一体どうなったんだ?
流石にあれで倒されてはいないとは思うが。
「ど、どうなったの?」
「さぁ……この状態じゃ―――――」
羽ばたくような音と共に突風が発生し、土煙を纏めて吹き飛ばす。
土煙が晴れるとそこには傷一つ見当たらないドラゴンが君臨していた。
流石に倒されたとは思ってなかったが、傷一つ見当たらないのは聞いてない。
さっきアヤカの攻撃によってつけられたはずの傷も一切見当たらなかった。
こいつ回復したのか。いやいや、いくらなんでも早すぎる。
[ケンさん、分析結果の続きが出ました!!
このドラゴンは蒼いエネルギーが体内に存在する限り凄まじい回復力を発揮します。
骨折程度なら瞬く間に完治するほどだと思われます]
マジかよ……攻守隙なしにも程があるだろ、勘弁してくれ。
ドラゴンは口を蒼く発光させ始め、こちらへ狙いをつける。
やばい、超やばい……こいつの攻略法がまるで見えん。
どうすればいいんだよ、こいつ……。




