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それぞれの目的のために

振り向くとそこには巨大な狼がいた。

この狼見た事ある

あの炎の極術師との激戦を終えた瀕死のケンを連れて来たあの狼だ。

なんでこんなところに……。


「我があやつらを相手する、お主らはあの二人を頼んだ」

「……あんた一人で大丈夫なの?」

「心配は無用じゃ」

「わかったわ」


そう言った直後に土煙の中から化け物が飛び出して襲い掛かってくる。

が、そいつは地面から突き出た氷柱に貫かれて苦痛の声を上げる。


「さぁ、行くわよ。二人共」

「う、うん」

「は、はい」


二人を連れて奥に並んでる畜生二人へ向かう。


「……すまぬな、我のせいで」


後ろから何かが聞こえたけどよく聞こえなかった。

そんな事よりあの二人だ。

あんな転移魔術使えるって事はかなりのやり手だ。

私じゃあ真正面からじゃ簡単に撃ち負けそう。


「シェシュル、サポ頼んだ」

「わ、わかりました!!」


それぞれ別の魔術が刻まれた矢を数本持って放つ。

氷魔術が刻まれた矢と引き寄せる魔術が刻まれた矢と

軌道を曲げる魔術が刻まれた矢をを放つ。

後ろからシェシュルが火球もほぼ同時に放つ。

一つの矢が軌道を変えて上へと上がっていく。

そして、二つの矢と火球が王子と言われている方の男へと飛んでいく。


「……その程度の小細工で対処ですか。随分舐められたものです」


王子と言われている男は正面に手を出して、手が光り……


「危ないッ!!」


私の目の前にアヤカが立ち、アヤカの目の前に光の塊が現れて王子の攻撃を防ぐ。

……魔力一切感じないって事は魔術じゃないわよね、それ。

見た事のないものを前に興味がそっちに行きかけるけど、今は後回しだ。

矢はさっきの攻撃で焼き払われたみたいだから、すぐに次の矢を手に持とうとする。


「ッ…覚悟ッッ!!」


アヤカがそう言うと同時に剣が光を纏い、その剣をアヤカが振るう。

剣の光が刃となって男たちへと飛んでいく。

けど、その刃は王子の腕が変化した肉塊が盾になって防がれる。

何よ、あのグロテスクなものは………。


「見事です。まさか、ここまで使いこなせるようになっているとは……ッ!!」


邪悪な笑みを見せる王子と言われる男。

言い方からしてまだ余裕があるようだけど、あんなでっかいのついていたら

動けるものも動けないでしょ。

肉塊が腕に戻っていく、今この時に上へと上げた矢が王子へと向かって行く。

これで凍らして……

そう思っていたが、隣?の執事が跳び上がって矢を拳で撃ち落とす。

は………?


「ようやく動きますか……遅いですよ」

「すいません、先ほど上へと上がった矢が心配でしたのでそれを確認してから

動こうと思ってまして……」

「では、確認したという事は動いてくれるのですね」

「はい、もちろんです」


そう言うと執事?は一直線に私とアヤカへと突っ込んでくる。

あの森でやったやつよりずっとが早い……ッ!!

ケンよりは遅いけどここまで速いと対応できるかどうか……。

執事?が拳を放ってくる!!


「させないんだからッ!!」


アヤカが目の前に立ち、さっきみたいに光の壁を展開する。

けど、その前に拳が止まる。


「……ッ!!」


苦虫を噛み潰したような顔をした後に後ろへと飛び去る。

…………もしかして……。


「アヤカ、悪いんだけど引き続いて私達の近くにいてくれない?」

「う、うん。わかったよ」

「シェシュルも離れちゃダメよ」

「わ、わかりました」


私の考えが正しければ………。

















何度もぶつかり合い続ける人間と鬼。

互いに血をまき散らしながら、ボロボロになりながらも相手へ拳を放ち続ける。

肉を裂き、骨を砕きながらも相手を討つべく拳を放つ。

再び人間と鬼は相手の一撃で吹っ飛ばされる。

息も絶え絶えの人間と鬼はこの状態でも戦意を保っていた。

次こそは一撃で仕留める、互いにそう思い拳を握り、相手へと突っ込んで行く。

射程範囲に入るや否や

人間は地を砕き周りの壁にすらヒビを走らせるほどの踏み込みから拳を放つ。


「天掴…覇王拳!!」


鬼は回復の応用で筋肉を増量し、倍以上の質量の筋肉から一撃を放つ。


「山壊岩砕撃!!」


人間と鬼の拳がぶつかり合い、衝撃が周りへ広がる。

砕けた地を撒き散らし、ヒビの入った壁はさらにヒビが広がり周りの鬼達すら

衝撃で怯むほどの衝撃が周りを破壊し、人間と鬼は後方へ吹き飛ばされる。

ぶつかった壁を砕きながら、人間と鬼は吹き飛んで……

人間側は壁を砕き続けて、別の部屋へ放り出される。

ゴロゴロと転がり、ようやく人間の動きは止まる。

片腕はひしゃげて普通の人間なら死んでいるような状態でも

彼は震えながらも立ち上がろうとしたところで………


「ぬ………貴様は…あの二人の後ろにいた!?」


彼は声を聞いてすぐさま顔を上げるとそこには見た事のある男が一人と


「…………まさか、俺がたどり着く事になるとは…な」


探していた目的の少女が何かの装置に繋がれた状態でいた。


「ば、馬鹿な……オーガ達は何をしている!!」


動揺する男を見ながら鬼と殴り合っていた人間は立ち上がる。

血をぽたぽたと垂らしながら少女の方へ歩き始める。


「く………ッ!!こい、合成獣共!!」


男がそういうと奥からこの街を襲った色々な生物の特徴を持った怪物が多数現れる。

それを見た鬼と戦っていた人間は鼻で笑い……


「そんな雑魚……こんな状態でも相手じゃねえんだよ!!」


人間がそう声を上げたと共に群れへと突っ込んで行き

怪物たちへ襲い掛かるかのように向かって行く。



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