とある国にて
数日遡り…………
病室で私は寝たきりで死を待つだけだった。
だって、もう音もまともに聞こえない、目もほとんど見えない
ご飯も食べてない、学校にも行ってない、友達にもあっていない。
こんな状態なんだもん、死が近いだなんてわかるに決まっている。
怒りも悔しさも起きない
ただただ起きては寝て、寝ては起きてを繰り返して……
気が付いたら、私は全く知らない場所にいた。
「せ、成功したのか……?」
「はい、成功です」
「こ、このような少女が………」
見るからに王様っぽい人と魔法使いのような人が話している。
言語は理解出来たけど、意味が理解が出来ずに辺りを見渡す。
他にも大勢いるけど…なんでこんなところに……………?
そう思っているとある事に気づいた。
目が見える…………体も動かせる……
だって、もう私が出来た事って寝るか起きるかだけで……。
体をつねってみると痛みを感じた。
痛い……って事は夢じゃないの?現実なの……?
夢じゃないんだ、現実なんだ………!!
また歩けるんだ……また食べれるんだ……まだ……生きれるんだ。
その事が嬉しくて嬉しくてたまらない。
嬉しさをかみしめていると
「勇者様!!待っておりました!!」
王様のような人が急にそのような事を言い出した。
後ろを向いてみたけど、私以外に特に人はいない。
「私……?」
「そう、あなたこそ我が国、いや世界を救いになられる勇者様だ」
何を言っているのか一切理解できなかった。
私が勇者……?
何かのドラマの撮影?それともドッキリ?
それにしてはこの元気で健康体な体への説明が付かない。
どういう事かさっぱりわからない。
「勇者ってどういう事?それに世界を救うって…」
「そうか…なら、説明しよう。
我が国、ドゥシュムーポは非常に危機的状態にある。
非常に弱い国力でノーヌミールとラルックドッシュの加護があって
なんとか維持できているような状態なのです。
しかし、そのような事がいつまでも続くわけがない。
二国に恩を返すためにもいい加減力をつけなければならないのだが
いつまでたっても我が国に優秀な魔術師は生まれなかった。
そんな中、とある協力者の元、異界接続を実行し
見事召喚したのがあなたなのです」
世界を救うために私を召喚したってますます意味がわからない。
何かやばいカルト集団なんじゃ……
そんな事を考えているとあるものを思い出した。
まだ体がある程度動かせた頃、友達からお見舞いの品として貰った
あの小説の話を……でも、そんな事ありえるの?
本当に召喚されたって言うの?
「なんで、私が勇者なの……?」
「それはそこにある聖剣に選ばれたからです」
そこにある……聖剣?
王様?が目線を向ける先に目を向けたそばに剣のようなものが置いてあった。
黒ずんでいて形から辛うじて剣だとわかる程度に劣化した剣。
とても聖剣なんてものには見えないけど……。
「その剣に触れてもらえませんか?」
「こ、これに……?」
それに恐る恐る手を伸ばすとそれは突然輝きだした。
「きゃっ!?」
突然輝きだしたので思わず目を瞑る。
光が収まったようなので恐る恐る目を開けると
黒ずんでいた剣のようなものは立派な剣になっていた。
そして、それに伴って私の体から黄金の光があふれ出る。
嘘…本当に………本当に私が勇者なの?
無理だよ。私、そんな闘うだなんて事経験した事も訓練した事も無いのに。
鼓動が早くなるのを感じる、呼吸がおかしくなる。
「ほ、本当に……わ、私が勇者なの……?」
「そうです、だからこそ…」
「…戦う事も……あるの?」
「わかりません。無いかもしれないし、あるかもしれない」
「……無理だよ……戦いなんて……そんな……怖い事……」
頭がクラクラする、思考がおかしくなる。
なんで私がやらないといけないの?
嫌だ……そんな事したくないよぉ。
頭を抱える、お母さん、お父さん、助けて……。
「……申し訳ありません、勇者様。
部屋を用意してありますのでそこで考えてくれませんか?」
「いい……一人にして……」
なんで、こんな事に……どうして……。
「せっかく多額の費用を使って召喚した勇者様があれでは……」
「あの年頃の女の子が急に勇者だの救ってくれと言われては
ああなるのは仕方あるまい。
しかし、なんとしても勇者として立ち上がって貰わねばならん。
丁重に扱うのだ、いいな!!」
「はい、わかりました」




