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射手・研究家vs魔術師(多数)

木が開けたところに数人の男を見つけた。

さっきから探知魔術で確認していたが、間違いなくあいつらね。

周りは小屋が2つある程度か……。

バレないように茂みに隠れて、様子を見る。

こっちには気づいてないみたい。

相手の実力が分からない以上は下手に正面から立ち向かうのは危険すぎる。

気づかれないうちに打ち抜いて仕留めるのが賢明なんだけど……


「ここからだと魔力壁のせいで当たらないわね」


前方に魔力壁が貼られており、これでは弓を当てられない。

曲射なら当てられるけど、その前に気づかれるわね。

かといって移動して、魔力壁のないところに移動すれば気づかれる可能性がある。

なら……


「シェシュル、魔力壁に向かって火球で牽制してくれない?

その後にあたしが出て全員射貫くわ」

「そ、それだけでいいんですか。ぼ、僕だってやれますよ」

「それだけでいいわ。あんたは子供なんだからそういうのやらなくていいのよ」


そう言うのならと言いながら、シェシュルは火球を前方へ発射する。

火球は魔力壁とぶつかり、爆発する。


「なっ……!?」

「敵か!!」


驚いている隙に茂みから飛び出して走り出す。

矢を数本持って引きながら走り、魔力壁が展開されていないところまで行って矢を放つ。

矢はそれぞれ広がって進み、男に向かって行く。

一本が一人の肩へ刺さるが、残り二本は森の中へ入っていった。


「ぐぅぅッ!!弓か!魔術すら使えない軟弱者か!!」


自覚済みよ、そんな事!!

すぐに次の矢を構え、今度は上へと放つ。

その後すぐさま新しい矢を構えて、それには魔力を籠める。


「撃て!撃て!撃て!弓如き魔術の前には無力!!押し切ってしまえ」


こちらが矢を構えている間に次々と炎の矢や雷の矢が飛んでくる。

ただ、狙いが単純すぎる。この程度ならあたしの足でも簡単に逃げられるわ。

走りながら、避けつつ矢を放つ。狙うは足元。

矢が地面に刺さったと同時に地面が音を立てて凍り付き、相手の足も凍り付かせる。


「しまった、足が!!」

「溶かせ!溶かせ!軟弱者の魔術なんだ、落ち着……」


さっきから指揮をしている男の脳天を打ち抜く。

指揮官がいなければ、後は余裕よ。

それにしても、こいつら戦い慣れてないわね。

ここまであっさり行くとは思わなかったわ。


「おのれぇ!!良く……」


怒ってこっちに魔術を使おうとした男は上に放った矢が頭に突き刺さり、倒れる。

簡単に行き過ぎて逆に心配になるレベルね。


「なっ…!!」


肩に矢が突き刺さった最後に残った男は隣の仲間が倒れて行く事に驚いている。

良くもまぁそんな余裕があるわ。

矢を構えて、最後の一人を狙う。いたぶる趣味はない、一撃で終わらせるわ。

狙っていると右の方が光り出す。この光は……!?

その場から前方に跳ぶ。跳んですぐに先ほどまでいた位置に火球が直撃し、爆発する。

爆発の余波で吹っ飛ばされるが転がりながら、態勢を整える。


「爆発音がしたから急いで来てみれば…二人も死んでいるとは……

つくづく役に立たん奴らだ」

「さっきいた死体も同然の男の仲間か?まぁ…もう食われているとは思うが」


小屋から二人新たに出てくる。

しまった、探知出来た6人のうち5人が敵だったとは……

口調からするにさっきみたいにあっさり行きそうにはないわね。

だけど、それでも逃げ出すわけにはいかない。

すぐに矢を取り出して構える。


「どうせ、弓を使うからと油断したのだろうが魔術の腕を補うために

使っているんだ。お前らのような雑魚魔術よりもよっぽど脅威だ」

「雑魚とは言え3人相手に見事だったが、そこまでだ。女」


そういうと一人が突っ込んでくる、身体強化系ってわけね。

自分も身体強化をかけて逃げる。近づかれたらどうしようもないわ。

ケンの動きを見ているから遅くは見えるけど、それでもあたしが

敵う相手ではないわ。

こうなったら、矢に魔力を込めて後ろを向いて矢を放つ。

凍り付かせて動きを鈍らせるしかないわ。


「そんなもの想定内だ、女!」


拳で矢を弾き飛ばされる。なっ……この距離で弾いてくるだなんて。

そして、後ろを振り向いたがために追いつかれた。

目の前の男は拳を振りかぶり、振り下ろしてくる。

前に魔力壁を貼って防ごうとするが、魔力壁事吹っ飛ばされる。

殴り飛ばされ、木に叩きつけられそのまま地面に落ちる。


「ガッ…………ゲホッ…」


い、息が……動きたくともこのままじゃあ動けない。

回復魔術を使いたいけど……間に合わない!!

殴り飛ばしてきた男が近づいて来たところで男に火球が直撃する。

シェシュルね……助かったわ。


「……そこの餓鬼か。餓鬼にしては上出来だ。これはいい素材になりそうだ」


魔力壁で防いだようでピンピンしている。

でも、シェシュルが稼いでくれたこの時間の間に

回復魔術を使って動けるようにする。よし、まだなんとかなりそう。


「ありがとう……あんな大口叩いたのにヘマしてごめんね」

「い、いいんですよ。ま、魔術なら任せてください。あ、あの時のような

ヘマはしませんから!」


そう言うと魔方陣を二つ展開して、そこから火球を連射するシェシュル。

え…そんな事出来たの!?

だが、男はそれを魔力壁で防ぐ。

攻撃が届きこそしないが、あまりに激しい攻撃に動くことが出来ないようだ。

ケンだったら、高速で動きながら避けつつ詰め寄ってきたんだろうな

と思うとゾッとする。あいつ、やっぱりやばいわ。


「ほう、チビの癖にそんな事も出来るのか。相当な実力者と見た!」


シェシュルに目が行っているやつに矢を放つ、隙ありよ。

だけど、矢は届く前に焼き落とされる。

この音は……。


「俺の矢が届くと思ったか、間抜けめ」


バチバチと言う音が鳴る。雷魔術だって……一番厄介な奴じゃない。

炎や氷と違って撃ちだされる速度が速いから矢の利点がかき消されてるじゃない。


「安心しろ、俺にいたぶる趣味はない。心臓を焼き貫いて殺して終いだ」


圧倒的優位から余裕を見せる相手。

上等じゃない、一泡どころか血を吐かせてやるわ。

けど、撃ち合いになったら100%負ける。

それを避けるために矢を構えてながら、走り出す。


「ふん、動きながらなら攻撃か。いつまでもつか見ものだな」


走りながら矢を打つもほとんどが雷が焼き落とされる。

あたしの氷魔術じゃああの雷魔術に対応するのは無理だけど

氷ってのはこういう使い方もあるのよ。

数本纏めて打つ際に一部の矢の角度を氷を生み出して変えて力を籠めて打つ。


「何本で来ようが無駄だ」


それでも男へ当たる軌道にある矢が焼き落とされる。………これでもダメか。

残りの矢へ手を伸ばしたところで矢が残ってない事に気づく。

しまった、管理をしくじった。


「もう足掻きは終わりか。じゃあ、終わらせるか」


相手の雷魔術が今度はあたしに飛んでくるが走りながら避ける。

当たったら終わりだ、こうなったら落ちている矢を拾うか何かしないと…

そう思った矢先に右足を炎の矢が貫く。

しまった…………あいつの事忘れてた。

右足の機能を奪われたのと痛みで体勢を崩す。

そして、背中を雷が通っていく、ぎりぎりで直撃は避けたが背中が焼け焦げる。


「ぐぅ…あ…くっ……!!」

「ア、アシェルさん!?」


転がりながら倒れる。立ちたくても立てない。


「はっ……ざまーみろ!肩へのお返しだ」

「……横やりが入ったが、これは試合じゃあない。文句はないな、女」


こっちに指を向けて、雷の魔術を打つべく構える。

万事休すってやつね、これは……どうしようもない。

けども、逃げようと片足に力を入れようとする。


「ガッ……なっ!?」


ところで、雷魔術を使う男の喉を後ろから矢が貫く。


「こ……ガフッ…れは……一体……!?」


そう言うと口から血を流しながら男は倒れる。

さっきまで打っていた矢にはある小作をしていた。

それは一定距離まで行くと帰ってくるように………。

矢をすべて焼き落されてたら出来なかった不意打ち。

矢が帰ってくる事はない……って思ったこいつの想像力不足よ。

そして、そのうちの一本が手元に戻ってくる。

それを掴んで、即座に肩に矢が刺さった男に向かって構える。


「なっ………おのれぇぇぇ!!」


炎魔術相手に撃ち合いなら負ける気はない。

ただ、相手の魔術を避けられるかが心配だけど今は気にしない。

後は野となれ山となれよ!!

互いに打とうとした瞬間に小屋の一つの壁が吹っ飛ぶ。


「なっ!?」

「「「!?」」」


その場にいた全員がその小屋の方に注目した瞬間その小屋から

勢いよく誰かが飛び出して肩に矢が刺さった男を吹っ飛ばす。


「あんた出てくるの遅いわよ…」

「…アシェル、その傷大丈夫か?」

「……なんとか…ね」


ケンが目覚めたようだ。こいついいタイミングで来やがって、ナイスよ!


「貴様……死にかけだったんじゃ」

「そうだよ、お前らのせいでな」


ケンはそう言うとシェシュルの魔術を防ぎ続ける男へ突っ込んでいく。

彼への流れ弾を防ぐために火球を止めるシェシュル。


そして、相手の男をあっさりと吹っ飛ばして木に叩き付けるケン。

こうもあっさりと………やっぱり、こいつ強すぎだわ。

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