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同盟と心変わりと命名と…

3人を馬車に乗せ、街へ、国へ戻る。


「これで今日の仕事は終わりなの?」

「あぁ、終わり。しかし、厄介な事になったな」

「そうよね。こんなの続けばもっと国同士の仲が悪くなっていつか戦争に

なるんじゃない?」

「このまま続けば間違いなく起きるだろう。そして起きれば間違いなく

多くの人が死に至る。何としても阻止せねばならん」


人と人の戦争が起きたら…この世界なら魔術が飛び交う事になるだろう。

そして、あんなとんでも魔術が飛び交うとか洒落にならない。

間違いなく戦場は地獄絵図になる。それだけ阻止したいが…。


「早く着きたいからちょいと速度上げるぞ」


一言伝えてから、速度を上げる。

攻め込まれてるなんて事はないだろうが、さっさと戻りたい気分だ。

あー…なんか前であった嫌な事を思い出すなぁ。

止めれたはずの戦争、俺のヘマ、託されたモノ、師匠の死……。

あんな思いはしたくもないし、あんな大命を背負いたくもない。

楽をしたいわけではないが、苦しい思いをしたいわけではないんだ。


「ちょ、ちょっと早すぎない?」

「ん、あぁ。すまん」


緩やかに速度を落としていく。思い出してたら上げすぎたみたいだ。

だが、これで一気に進んだな。これで後少し。

それから体感30分ぐらいで着いた。


「着いたぞ……あれは…」


着くと、門番がすぐに寄ってきた。


「すまない、あんた達を待ってるって言う子供達が来たんだが…あれは一体」

「あれはルーヴの民だ」

「副隊長殿。ルーヴの民と言うと、あの…」

「そうだ。隊長に用があるとの事だ。連絡を入れておいてくれないか」

「わかりました。あのルーヴの民なんですね…」


あいつらもう着いてたのか、速いな。

先に着いていてやろうと思ってたばかりに少し悲しかった。


「やはり速いのう、異なる世界の者」

「やはりだと?」

「あぁ、魔力は話にならないとしてもお主の肉体が並外れた肉体で

ある事もそれが才能や祝福でない事もな。そんな肉体を持ったものが

これを引けば速いのも当然じゃろうて」


どこまでわかるんだ、こいつは。ルーヴの民ってのはそこが知れんな。

後、鍛え上げた体を褒められてちょっと嬉しいのは内緒だ。


「隊長に会いたいんだったな。着いてきてくれ」


シャルがあいつらを連れて行く。俺も報告があるから付いて行くか。


「俺もあいつらについて行くんだけどお前らはどうする?」

「どうするっねぇ…。あたし達が王子様の所行ってもやる事も言う事もない

だろうし、行かないかな。シェシュルはどうする?」

「ぼ、僕も遠慮しておきます。も、貰ったお金で買いたいものもありますし」


特に強制するわけでもないし、二人と別れて王子のもとへ向かう。

特に言うようなトラブルも起こる事なく王子のいる所に着く。


「隊長、ただいま戻りました」

「お疲れ様、連れて来てくれた者の話は南の門番達と聞いているよ。

ルーヴの民が私に何の用かな?」

「こやつらには既に話しておるが、我らはいずれ起こるであろう人同士の戦争を

阻止したい。そして、そのためにお主と、この国と同盟を結びたいのじゃ」

「……本来ならば人だけで解決するべき事なんだけど事態が事態だ。是非とも

その誘いを受けさせて貰うよ」

「これより我らは仲間という事じゃな。ところで先程、事態が事態と申して

おったが、何かあったのかの」

「…戦争に対して否定的だった国のドゥシュムーポが急に肯定的になったんだ」

「極術師やそのクラスの魔術師がいないドゥシュムーポは戦争が起こったところで

不利でしかないはず…。なのに、何故?」


いやな流れになってきたな。どんどん戦争の方向に進んで言ってやがる。

このままじゃ本当に起こりかねない。


「あぁ。国の事を思うのなら何としても阻止しないといけないはずなんだが

急に言う事が変わったんだ。まるで人が変わったようにね」

「戦力の補強が出来たんだろうな。違うというのなら頭がおかしくなったと

としか言えないぞ」


弱いままなのに、喧嘩を売るような事を言うなんてただのあほだ。

それか自殺願望があるかどうかだろう。


「ドゥシュムーポ?石を掘り起こしてるところかの」

「そうだね、何か知っているのかい?」

「いや、報告の中に原因となりそうなものはないのう」

「報告と言う事は調べてきたのかい?」

「うむ、どこが一番良いのか調査してきてお主を選んだんじゃ」

「それはいつぐらい前なのかい?」

「そうじゃなぁ…。いくつぐらいじゃったか?」

「は…おそらく30回は日が昇ったと思います」

「…すまないが、もう一度調べて来てくれないか?それだけ日がたっているんだ。

何か変わっているかもしれない」

「そうじゃのう、お前。すまぬがまた行ってはくれないか?」

「わかりました、では行ってまいります」


そう言うと少年の姿から一気に狼の姿になり駆けていった。

軽い騒ぎになりそうだから出て行ってから変わればいいものを。

ほら、なんか驚いてる声が聞こえてきたぞ。


「そう言えば、君の事はこれから何と呼べばいいのかな?」

「む、我の事か?我等には個体名はない。好きに呼んでくれて構わんぞ」

「好きにか…弱ったな、私は名前を付けるのは苦手なんだ。

ケン君、何かいい名はないかな」

「え!俺に振る!?」


まさか、俺に振ってくるとは…シャルにでも振ると思ってたぞ。

特に思いつかないので、目でシャルに助けを求める。

あいつ、目をそらしやがった!!

騎士隊の副隊長なんだろ、助けてくれよ。

助けてくれる気配を感じないので、諦めて思考回路を張り巡らせて、

引き出しを開けまくる。何かないか、何かないか。


「……そうだ。アマラとかどうかな」

「アマラか……しかして意味は何か?」

「意味……?意味はないけど…」


まずい、侮蔑な言葉だったか?だとしたらまずい。

これが原因で同盟破棄とか笑えないぞ。


「いや、我等には名をつける事はないからのう。初めての感覚でな。

これからは我はアマラか。慣れるまでが大変そうじゃのう」


嬉しそうだ。良かった、不機嫌にさせたのかと思った。

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