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高校生の俺が、妊娠させてしまった恋人を幸せにすることは出来るのだろうか?  作者: ミソネタ・ドザえもん
第二章

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6.新居探し

 学校への説明から数日、いつも通りの時間に目を覚ました俺は、一階のリビングに行って朝ご飯の準備を始めた。

 両親は相変わらずまだ目覚めてこない。


「頂きます」


 今日もまた、俺は両親の起床を待たずに家を出た。

 その後、身支度を手早く済ませて家を出た。

 電車に揺られてしばらく、いつもの駅。いつもの車両。いつものドアから白石が現れた。


「おはようございます。酒井君」

「おはよう、白石」


 白石は俺の隣の腰を下ろした。


「体の具合はどうだ?」


 俺は白石に尋ねた。

 ここ数日、各方面への説明だったり、色々と心労が重なる出来事が多かったから……お腹の子もそうだが、白石自身の体調が少し心配だった。


「大丈夫です。丈夫な体に産んでもらいましたので」


 白石ははにかんだ。可愛い。


「……あたしもお腹の子、健やかで病気知らずな子に産めたらいいなぁ」


 白石はお腹を擦りながら呟いた。

 ……以前、お腹の子に対して既に愛着が沸いてきていると言っていたが、その言葉に偽りはないらしい。


「……学校側は、未だに無言を貫いていますね」


 学校側に両家の父も交えての状況説明を行ってから数日。

 学校内で検討をする、と俺達に告げた担任の先生だったが、今日までの間、検討結果を教えてくれることはなかった。


 まあ、事前の予想通り、処遇に困っているというのが本音なのだろう。


「焦っても仕方がない。答えが出るまでは気長に待とう」

「……最悪の結果が出ないことを願います」

「大丈夫さ」

「……酒井君」

「最悪の結果が出たら、ごねるから」

「酒井君!?」


 兼ねてから事態を穏便に終わらせる気のない俺の態度に、白石は驚いた様子だ。

 白石の奴、もし学校を辞めろ、と言われたら、素直に応じる気だったのか?

 むしろそっちの方が少し驚きだ。


「……皆さんに迷惑をかけてまで、学校に残りたいとは思っていませんでした」


 以心伝心。

 もしくは顔に書かれていたか。

 白石は俺の意を汲んで言った。


「……優しいな、白石は」


 まあ、最悪の結果が訪れないことを祈るばかりだ。


「ただ……学校側のアクションは待つしかないとして、今後、どうするかは早く決めないとですね」

「確かに」


 言われてみると確かに……婚姻届は役所に出せないことは判明したものの、俺達は決めないといけないことが多い。


「特に一番は……」

「そうだな……」

「この子の名前、どうしましょう……?」

「それは絶対に一番早く決めなきゃいけないことじゃないぞ、白石」


 くそっ。

 白石も大概、子供の誕生を心待ちにしている……っ。


「うーん。悩みます」

「俺の言葉、聞いているか?」

「あ。折角だし、二人の名前からとるとかどうでしょう?」

「ほうほう……?」

「晃と立夏だから、あか」

「色じゃん」

「じゃあ、あり」

「虫じゃん」

「……じゃあ、りきら」

「きを抜いたら少しはマシになりそう」

「もうっ、酒井君。真面目に考えてくださいっ」


 白石が怒ってしまった。

 なんだか少し申し訳がない。


 ……本当か?


 これ大概、向こうが一方的に悪くないか?


「というか、お前、ネーミングセンスがないな」

「な……っ!」

「子供にあか、とか、あり、とかつけるの正気かよ。一生その名前を背負わせるんだぞ。もっと真面目に考えてやろうぜ」

「……じゃあ、酒井君はどんな名前が良いと思うんですか?」

「……そうだなぁ」


 俺は腕を組んで考えた。

 しばらく考えて……電車が学校最寄り駅に近づいて、気付いた。


「せめて、その子の性別がわかってから、真面目に考えたいかな」


 白石は、確かに、と納得したのか。優しく微笑んだ。

 電車を降りた俺達は、いつもの公園に足を運んだ。

 白石の隣を歩いてわかったが……白石のお腹が少し膨らんできた気がした。


 ネットで調べたが、妊婦のお腹の膨らみは一般的には妊娠五ヶ月。つまり先月くらいから起きているのが普通だったらしい。

 しかし、人体とは不思議なもので……どんなことにも個人差があるものらしい。


「白石、学校側の決議が出る前に、クラスメイトくらいには事情を説明する機会を設けてもらった方がいいかもな」


 先に話した方が、クラスメイト達も受け止められるだろう。


「……それにしても、本当に色々とやることが盛りだくさんだな」


 俺は愚痴っぽく言った。


「ふふ。でも、こうやって一緒に色々なことを経験していると、共同作業、というんですかね。とても楽しいです」

「わかる」


 俺は頷いた。


「……まあ、ともかく目の前に積まれたタスクは処理していかないとな」

「はい」

「で、さっきは話が逸れたけど、俺は一刻も早く決めないといけないことがあると思っているんだ」

「子供の名前決めは話を逸らすには入りませんが、なんです?」


 ……白石も白石で、結構意固地な部分があるよな。


「……人間が生活をしていく上で欠かせないものが三つあるんだが、わかるか?」


 俺は尋ねた。


「……衣食住?」

「そうだ。衣食はお金はあるからともかく……俺が決めたいのは、住、だな」

「……住処?」

「うん。……俺達、すぐには出来ないけど、結婚するわけじゃないか。だから……別居状態はまずいだろう」

「……しょ、しょうですね」


 俺は白石の肩を掴んだ。


「だから……白石、今日の放課後、新居を探そう」

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