↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
趣味人のVRMMO  作者: et al.
PR
84/102

ep.82

 

 一応保険として、周りを軽く掘って濠のようにしておく。まあ、気休め程度でしかないが知能のない魔物なんかは飛び越えられないだろう。悪意ある奴に見つかってしまったら運が悪かったということだな。


「だいぶ暗くなってきたな。」


 調理中にもポイントが入ってたのでウハウハ。そのせいで完全に忘れていたが、今日は神殿で転職もしなきゃならないんだった。あそこは24時間営業なので、別に何時に行ってもいいだろうが、あまり遅すぎるのもマナーとしてはよくなさそうだ。こちらに神像はないが、いつもの願掛けとして、手を合わせておこう。今回は自作の作物は入ってないから、豊穣神の興味はあまり引けないだろうな。


 東門の方から街に入り、神殿を目指して歩く。今日風呂は、やめておこう。ルーは入らないみたいだし。神殿に行って、転職してから、少し早いがログアウトしよう。明日早く起きて畑に行き、薬草採取してから、営業開始しようかな。


「転職はどちらで?」


 神殿に到着する。転職に関する部署はどこだろう。おそらく、神像の前で行うんだろうが、一応入り口に立っていた神官さんらしき人物に確認する。どうしよう、皆さんは彼方の方に行かれてますよ、とか言われたら。


「神に祈りを捧げるのです。」


「文言は?」


「あなたの心の赴くままに。」


 初めて事でわからないことばかりだが、神に祈りを捧げるだけでいいらしい。お焼香みたいなしきたりはないらしい。フリースタイルって奴だな。対応してくれた神官さんに礼を言い、少しばかりの寄進を。タリアは神像前に佇んでいる。神像前に行くのに、声をかけないわけにも行かんからな。


「こんばんは。」


「どうも。」

「今日はなんの用で?」


 相変わらずつんけんした対応だな。最初の頃は寄進したら喜んでくれていた記憶があるが。まあ、らしいっちゃらしいか。愛嬌はあるが裏の見え透いているサリアちゃんとは違い、タリアは裏表のない印象。こんなに定期的に寄進するプレイヤーも珍しいだろうに。少額なのが行けないか。タリアほどなら、大国の金持ちからいくらでも引っ張って来れそうだし。


「転職とやらができると聞いて。」


「そうですか。失礼の無いように。」


「へ?」


 どういうことだろう。失礼しては行けない相手と対面する可能性がある?タリアがそう言うなら、相手は神ということか?詳しく聞こうにも、タリアはこれ以上話すことはありません、といった態度。失礼が無いようにというなら、何をしたら失礼かまで言って欲しいよな。


 幸か不幸か、今転職する人は俺のほかにいない。時間帯もあってか、神殿自体が閑散としている。誰かがやっているのを見られれば、心の準備もできるのに。それこそ、お焼香的な感じで。


 神像の前に行き、神像を見つめる。ええと、前にちらっと見た限りでは、ここからひざまづいて、手を組んでいたんだが、流石に1人で、神像の前でそれをするのは、あまりにも信徒すぎる。入り口の神官さんも、フリースタイルだと言っていたし、そこまでしなくてもいいんじゃないか?


「えっと、転職したいです。」


 スタンディングスタイルで神像の前で手を組んで、転職したい旨を言うと、目の前に転職しますかのYES,NOが出てきた。ここでNO推したらどうなるんだろうという好奇心が顔を出してくるが、なんとか押さえつけ、YESを選択する。


「あれ?ここどこだ?」


 目を瞑って祈っていた時は目の前は暗かったが、次第に明るく光がさしてきた感じがして目を開けると、景色が変わっていた。乳白色のだだっ広い空間、目の前には、神像と同じ姿をした女性。この空間には見覚えがある。


「キャラクリの時の空間か!」


 あの空間はキャラクリだけのために用意された空間ではなかったか。今後も転職の時に訪れ、ここで転職が行われるんだろう。ってことは、転職の時には神像のモチーフとなった女神像には会える、ということだな。何か、神に伝えたいことがあれば、この機会を活用しろということか。タリアが失礼の無いように、と忠告してきたのはこういうことだったんだな。タリアもこの空間を知っていたのか?プレイヤーだけじゃなく、NPCもこの空間を利用できるのか。なんか、悪いことに利用できそうな仕様だな。今のところ思い浮かばないが。


「ルーは。いるな。」


 すっかり忘れていたが、ルーはいつも通り背中にいた。空間が変わったことを理解しているのだろうか。全く緊張感のない佇まい。お前将来大物になるよ。テイムしているからだろう、ルーもこの空間に同行を許されていたのだな。ほら、女神がいるぞ。お前に加護をくれている星神かもしれないから、お前も失礼の無いように。


「転職をしたいんですが。」


 とりあえず、空間にいても何も起きなかったので、アクションを起こしてみる。女神に話しかけると、広間全体に声が響き、キャラクリの時にも出てきた鏡が足元から生えてくる。


「さて、俺の転職先は、と。」


 鏡には俺の転職先の候補一覧が。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。