表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
趣味人のVRMMO  作者: et al.
PR
71/79

ep.69

 

 心配そうにこちらを見るブルーを大丈夫だからと落ち着かせ、半ば強引に話を元に戻す。確か、マダムがそんな時期か、的なことを言っていた。


「それで、時期がどうのと言われたんだが。」


「ああ、それなら水属性の暴走だろうね。」


「水属性の暴走?」


「一応そう呼ばれてるんだけどね。簡単に言ったらテンション上がってるんだよね。」


「テンション。」


「そう、テンション。」

「そろそろ雨季、雨が多い時期に入るんだけど、水属性持ったモンスターが楽しくなっちゃうんだよね。」


 ハハハと笑いながら話すブルー。そんな、気分で畑を荒らされてもたまったもんじゃない。何だよ、テンションって。まあ、わかりやすく言ってくれたんだろうが、人に迷惑かけちゃかんよ。


「アインスの街の特性上、近くには水魔法持ってるモンスターが多くいるんだけど。」

「荒らされた前後で雨、降ってなかった?」


「降ってた。」


「じゃあ、十中八九間違いないと思うよ。」


 そう言って、該当箇所の載っているページを開いてよこしてくる。属性というのは地形の影響を受けるらしい。火山地帯であれば火属性、とか。それはそうだろうが、季節性があるとは。インフルエンザでフィーバーしているみたいなもんかな。ミアに聞いた、大きな水の魔石が周りの魔物にまで影響を及ぼしているとは。結構な力だな。この街の人はどうやってそれを知ったのだろう。地下まで掘る技術があったのだろうか、はたまた伝承か。魔法の世界だから、なんでもありか。


 それにしても雨季が近づいているとは。雨を見るのは好きだが、濡れるのはな。しかも続くのはいただけない。偶の雨だから風情があっていいのだ。群生地近くで灰を回収できたのは運が良かった。雨季の間だけでも、畑に灰を混ぜてやろう。それにしても良いタイミングで【隠蔽】を手に入れられた。雨季の間の寝泊まりは神殿に戻そう。ルーもバレなきゃ良いだろ。障壁はタリアくらいか。


「情報ありがとう。」


「それが仕事だからね。」


 本をブルーに返し、礼を言う。魔物の特定には至らなかったが、水属性を持っている可能性が高いことがわかったのでよしとする。戦う際は【土魔法】主体だな。落とし穴が機能してくれたら、何も考えなくて良いんだが。


 資料室を後にし、階段を下る。さてさて、サリアちゃんが給仕しているところでも冷やかして、買い物に行こうかね。キャンプキットは必須ではなくなったが、数個は持っておこう。何があるかわからんし。あとは祠のグレードアップの材料と、何かしら食べ物の種を手に入れようとしていたんだっけ。巷に聞くF1種とかだったらどうしよう。色々パターンが生まれて、逆に楽しいかも知れないな。


「サリアちゃんは、と。」


 階段を降りて、酒場の方を眺めてみるもサリアちゃんの姿はなし。というか、ギルド持ちで酒が飲めるというのに、あまり賑わっていないな。みんな、金に困ってないんだろうか。せっかくサリアちゃんに酒ついでもらおうと思ってたのに、拍子抜けだな。


 サリアちゃんは受付で通常業務を行なっていた。心なしか、取り巻きの数が少ない気がする。おい、これギルド出口付近で闇討ち待機してるんじゃないの?それか、ガチャの景品貢げと言って散らしたか。うわー、どっちもありえるな。今の俺で勝てるだろうか?うん。無理だな。1v1でも勝てる気しないのに、何人襲ってくるかわからんし。サリアちゃん、まさか、取り巻きが俺に闇討ちかけないように、ガチャを貢げと言って散らしたのか?いや、ないな。考えすぎにも程がある。


 今降ってきた階段を再度上がり、2階へ。そして人に注目されていないことを確認して、【気配希釈】を使用する。今のところプレイヤーに見破られたことはない。ガチ勢と比べてレベルに差は出来てしまってはいるだろうが、レベルが上の奴らはとうに第2エリアの方に言ってしまっているだろうし。


 下の階に降りて【気配希釈】の作動確認を。道ゆくプレイヤーに手を振ってもこちらを注視することはない。相変わらずの便利スキルだ。


(よし、バッチリだな。)


 どうせサリアちゃんには見つかるだろうから、無視無視。本来ならウェイトレスしていないことに文句の一つや二つ言いたいんだが。人にぶつからないように、流れを予測しながら出口に向かっていく。ギルドを出たあたりで、周りを見渡してみるが、それらしい人影はなし。まあ、闇討ちがないに越したことはないんだが、俺が出てくるのを待っている野郎どもを逆に観察してみたかったのはある。


 そして、ブルーの言っていた通り何やら雨の匂いが。この匂いの正体は何なんだろうな。田舎なんかは特にわかりやすく、雨の雰囲気というか匂いがする。まだ降っていないが、まもなくだろうか。ルーのために何か雨よけでも買わなければいかんか?野生生物には里芋の葉のような、葉っぱの傘がよく似合う。


 結局闇討ちにも会わず、商工エリアに到着する。キャンプキットをいくつかと、祠用の紐、挑戦用に釘を買ってインベントリへ。しかし、だいぶ物が増えてきたな。無限ストレージなるものは実装してくれないのか。家屋を買うことができれば、もしかしたらあるのかもな。課金なら、できるぞ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
段々NPCに行動を狭められて主人公が誘導されている 言葉遣いが悪いのはいただけないが心のうちまで読まれて自由がなくなっていっている それが面白味の一つでもあるのは確かだが、自由度が高いゲームという設定…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ