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趣味人のVRMMO  作者: et al.
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43/69

ep.41

 

 キャンプキットが思ったよりもしっかりしていたので、少し黄昏れてみる。真っ暗だが。雲もあって、星すら見れない。こないだも森の中で満足に星空を見られなかったし、すると、にわかに雨がポツポツと。ひどくなる前にログアウト(寝て)しまおう。



 ログインすると、まだ雨は降っていた。タープのおかげか、ログアウト中は体がなくなるのか、雨に濡れた様子はなし。もしや神殿で誰もいないように見えたのは、体がなくなるからか?ほんとは、あの場で大勢が寝ていた?


「うわっ、消えた。」


 体を起こし、タープの外に出るとタープとポールは消えてしまった。こんな感じになるのか。片付けもいらないのはいいが、どこか刹那的。雨はしとしとと降っており、タープがなくなった今、服を濡らしてくる。このゲーム、服が濡れて肌に張り付く感じまで再現できるのか。気候が厳しいフィールドが出てくると、それだけで体力持っていかれそうだな。


 雨の街もフィールドもいろいろ見て回りたいが、またの機会に。これから先に進むのに、今は、あのババアの言うことが唯一の手がかりだ。昨日スーパーで色々鑑定して回ったが、まるで成長が見られない。鑑定の熟練度が知識ベースなら、ギルドの資料室を使わなければならない。実質詰みだ。だがログアウト中に考えていた策がある。


「【鑑定】!」


 HP回復薬

 ⁇?が錬金術を用い作成した。HPを即座に15回復し、一定時間持続回復効果を付与する。


「Wow!すごい効能。」


 こんな初期の街で、リジェネ付きの回復薬なんて手に入って良いのかよ。ぼったくりなんて言ってしまったが、ギルドでもこれを扱っているのか?だから、みんなどんどん魔物倒せていたのか。


 回復薬の性能に目が行き過ぎたせいで、肝心のことに気づくのが遅れてしまった。製作者の名前がわからなかった。名前がわかればいいと言うことで、買った回復薬を鑑定すれば、名前が書いてあるんじゃないかと思った次第。鯛の鯛が作ったナイフに銘が入っていたように。


「くそー。良い作戦だと思ったんだけどな。」


 果たして、ババアが言っていたのはこういうことなのか、疑問ではあるが、トライする価値はあったな。ついでにともう一つ考えていたことを試してみる。


「【鑑定】、【看破】」


 HP回復薬

 ⁇?が錬金術を用い作成した。HPを即座に15回復し、一定時間持続回復効果を付与する。

 ローハ、浄水、⁇?を使用し、⁇?の力が込められている。


 見えるものが増えたが、分からんことがもっと増えた。プラマイ、マイだな。だが、【看破】で視られる情報が増えることがわかった。【看破】が反応しないものもあるが、隠されていたり、作為的なものが込められているものには反応するのだろうか。この回復薬に込められた力と言うのは、製作者の部分と同じのが入るのか、もしくは、、


「分からん。」


 色々思考を巡らすが、これといった推測は出ず。まだ、俺の知るところではないのだろう。今はただ、享受するしかない、と言うことか。


 万策尽き、トボトボと自分の畑に向かって歩き出す。どうせババアの店で売れないから、群生地の薬草はパス。インベントリにある分は、大手を振ってギルドに出入りできるようになってから、クエストとして報告しよう。


「お、今日も無事だったな。」


 畑は今日も荒らされた様子はなし。この辺はやっぱりプレイヤー来ないんだな。雨空なのに、薬草は夏の炎天下にいるような青々とした葉をたたえている。見ているこっちまで元気をもらえるようだ。


「よーし、収穫していくからな。」


 思わず声をかけながら、前屈みになり、根ごと採取していく。雨のせいでぬかるんだ地面で服が汚れてしまうが、こっちには【生活魔法】がある。ゲームの世界最高だな。


 薬草は流石の繁殖力。連日採取していると言うのに、減るどころか増えていく勢いだ。ただ、最初に設定した範囲から、はみ出したりはしていないんだよな。最初気軽に設定した範囲に、豊穣神の恩恵が作用しているのかな。もしかしてこれが可能なら、ミントとか現実では絶対に地植えできないようなハーブ類も栽培できたりする?


 ローハが終わりローナの採取に移る。相変わらずいくつか葉がないものが。親株としては問題ないため、それらを除いて採取していく。


「これが良い値段になってよかったー。」


 こんな状況でも殺伐としないで済む理由は、ある程度懐に余裕ができたからだ。そしてその余裕を作ってくれたのが、この草。そして、この鱗。ん?この鱗?


「なんか、いるなあ。」







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