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趣味人のVRMMO  作者: et al.
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35/49

ep.33

 

 冒険者ギルドで薬草を納品する。期限が設定されていないクエストで助かった。追加でスライム討伐のクエストも受注して、納品を済ませる。さすが難易度が高いだけある。スライムの討伐は西門の魔物と比べて結構な稼ぎになった。群生地が焼失したというのに薬草のクエストの成功報酬は変わっていなかったんだが、どういうことだ?


 買取の猫科のお姉さんは相変わらず、朗らか。サリアちゃんよりこっち囲った方がいいぞ、君ら。無事ナイフ分は確保できた。ボスが倒されたことで新規クエストが追加されたとアナウンスがあったが、パッと見、増えていないように思える。こういうギルドのものではなくて、街中でのユニークなものが追加になったということか?いつぞやにみた、古ぼったい依頼書はまだ残っている。ナイフを買ったら、詳しく見てみようかな。これも一期一会だ。


 ゴードン鍛治店に向かう。スライムが思ったよりいい値段がしてホクホク顔だ。今なら、少し上のナイフも狙えるが、せっかく取り置いてもらったんだ。初志貫徹、あのナイフを手に入れよう。新入りとやらに会えるかな、と考えながら、ゴードン鍛治店に入る。


「いらっしゃいませ。ああ、旅人さんですか。」


 お待ちしていましたと、レジの方に案内される。そんなに待たせてしまっただろうか。俺としては、最速に近い感覚だったんだが。他の旅人はそんなに稼げているんだろうか。俺みたいに毎回無一文になる方がおかしいのか?


「今日、新入りの方は来ていないのだろうか。」


 せっかくの機会だし、顔つなぎもしておきたい。もしかしたら、今後もお世話になるかもしれないのだ。


「ああ、そうそう。鯛の鯛!あんたにお客さんだよ!」


 鯛の鯛?鯛の骨の形が鯛に似てるっていうあの?変な名前。


「おう、兄さんが買ってくれるって?ありがとよ。」


 鯛の鯛と呼ばれて出てきたのは、俺よりも頭数個分上背のある大男。そして顔も怖い。すみませんでした、変な名前って言って。


「ああ、俺はGAKU。このナイフプレイヤーが作ったって聞いて、ぜひ会いたくなったんだ。」


「おう、俺は鯛の鯛。由来は知ってる?あ、そう。まだ見習いだから、正規の値段はつけらんねえんだけど、いい出来だから並べてもらったんだ。」


 鯛の鯛のことを知っていると答えると少し寂しそう。すみません。空気読めなくて。やっぱり、知らなかったかも?もう遅いですよね。


 見習いが作ったものだから、安価で手に入れられるのか。いや、助かった。俺みたいな万年金欠には大助かりだ。


「あまり金がなくてな。この値段でいいものを買えてありがたいよ。鯛の鯛は、ここの店員さんともいい関係を気付けているみたいだし、すごいな。」


 俺には仲のいいNPCなんていないよ。知り合いはまあまあいるんだが。


「ああ、お頭も女将さんにもよくしてもらってる。」

「あまり金がないって、まだ初期装備だし、何してるんだ?」


 お頭とはゴードン某のことだろうか、女将さんはこの店員の女性か。鯛の鯛がお頭っていうと、鯛のお造り、お頭付きみたいで少し豪華になるな。


「特に何もやってないんだが、コーヒーを飲んでたら金がなくなった。」


「コーヒーって、そんな高いもんじゃねえだろ。」


 どんだけ飲んだんだ、と訝しむ鯛の鯛。やっぱりそうなのか。そうだよな。1杯1,000リルなんて、どうかしてるよな。飲んだのは3杯だけなんだけど。自費では。


「好きでな、結構飲んでしまった。」


「そういうもんか?」


「そういうもんだ。」


 なんとか鯛の鯛を納得させる。ナイフの代金を支払い、受け取る。おお、これで少しできることが増えるな。鯛の鯛とはフレンド交換。メンテナンスは任せろと言ってくれた。刃こぼれでもしたら、ありがたくクレームをつけさせてもらおう。

 鯛の鯛と店員の女性に礼をいい、店を出る。店の中ではあれだったので、外に出てからナイフの鑑定をする。


 鉄のナイフ

 鯛の鯛が打ったナイフ。無骨ながら丁寧な拵え。

 STR +2 耐久値100/100。


 銘が入っているが、遊びのない普通の名前。素材は鉄ということだ。こちらの世界でも一般的な金属なんだろうな。一瞬ファンタジー金属を期待したが、まだ早かったのだろう。そもそも俺に買えるものはなさそう。早速試し切りをしてみたいが、魔物を斬るのには使いたくないな。


 ということで、さっきぶりに自分の畑に来た。神像なんぞ、どんな木で彫ったらいいかわからん。道中で売っていた木材を一本購入した。ゲーム的に考えれば、世界樹とかになってくるのか?豊穣神なら、俺が植えた木を使った方が嬉しいのかな。


 木材を加工し始める。ナイフを使って、削っていくのだが、【工作】や【精密操作】のおかげか、思ったよりもスムーズにいく。豊穣神はみたことないので、モデルは神殿の女神像。男神だったら、すまんな。


「まあ、こんなもんか。」


 不恰好ではあるが、初めてにしては上出来であろう。何よりも、気持ちが大事なのだよ、気持ちが。足裏の部分に”GAKU”と銘を刻み、木の囲いの置かれてある、隅に土を盛り立てかける。


「ん?木?」


 さっき動かしたはずなのに、また木で囲われている。【看破】をかけてみるが畑にそれらしいものは見つからない。


「ま、いいか。」


 神像も置けたし、固執するのも性に合わない。俺の畑だと言っているが、そもそも土地自体は俺のものではない。誰の管轄なんだろうな。街は領主、国のものだろうが、街の外に土地の権利なんてあるのか?


 水はさっきやったから、今回はパス。お祈りだけ済ませて街に戻る。スライム討伐に味を占めたので、また荒野ルート。もしドロップがよければ、またコーヒー飲めるかも。そのうち、荒野の先も何があるか知っておかないとな。死なずに街に戻れたら、冒険者ギルドによって資料室でも覗いてみよう。また混んでいたら、例のクエストの詳細を確認してみようかな。


 それから、スライムを2匹倒したところでレベルアップ。これで7レベル。転職、つまりデスペナ発生にまた一つ近づいてしまった。子供の頃は、何も考えずレベルアップしていたのに。今ではレベルが一つ上がるだけで憂いを感じてしまうようになってしまったな。


 大人になることの寂しさも味わいつつ歩みを進める。今回も無事に東門まで辿り着けた。いつものように衛兵さんに挨拶し、街に一歩




[条件の達成を確認しました。]

[プレイヤー:GAKUに称号【破壊と再生の使徒】とそれに付随するスキル【破壊】【再生】を付与します。一部NPCからの好感度が変化します。]




「はい?」




GAKU

職業:旅人 Lv.7

 HP38

 MP52

 STR11

 VIT11

 INT12

 MID11

 AGI12

 DEX14

 LUK14

 スキルポイント(残2P)

所持スキル

【DEX強化】【LUK強化】【MP強化】

【水魔法Lv.2】【土魔法Lv.2】

【料理】【農耕】【工作】

【気配希釈】【精密操作】【魔力操作】

【生活魔法】【鑑定】【看破】【破壊】【再生】

称号

【豊穣神の加護】【欲望の僕】【冒険の始まり】【破壊と再生の使徒】



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