ep.118
ep.117(前話)はもしかしたら、改編するかもしれません。
その時は、活動報告でお知らせできたらと思います。
おっと。思わず本音が。でも人生相談するなら、神職か占い師にお願いした方がいいぞ。幸運なことに、この街にはどちらも揃っている。ちょっと優しくしすぎたか?懐かれてしまったようだ。遊び人であること明かそうかや。
「称号持ちなことをアピールして、強いパーティーに入れてもらうのは?」
「それは嫌。素性のわからない人に明かしたくない。」
恵まれた容姿を活かしたいい作戦だと思ったんだが。まあ、言わんとしていることは分からんでもない。でも理由がそれなら、同じくらいの強さの人と組むのもダメなのか?そもそも俺が最前線のことを知らなさすぎる。どうアドバイスしていいかも分からん。
「一緒に遊べるような知り合いは?」
「いない。」
「まあ、抽選厳しかったしな。」
少ししんみりしてしまったので、謎のフォローを。俺は運良く手に入れることができたレベルだし、友達と一緒に当選したって例は多くないだろうな。最初期からパーティー組んでたRight君が凄い。俺も人のことを言えないが、レイがコミュ力あるタイプとも思えん。
「うーん。とりあえずイベント期間残ってるから、転職と第2エリア目指しつつポイント稼いで、珍しい装備でも引くのがいいのでは?」
「それはもちろんそうするけど、それだけじゃダメでしょ?」
「そりゃそうだろうが。」
楽しむための評価軸が強さだけなのがこの問題解決の困難さを増長させている。このゲーム凄いから。他に楽しめるものを見つけられればいいんだけどな。一緒に犬を見つける旅にでないか?俺、ドッグランにできそうな場所が手に入ったんだよ。水遊びもさせてやれるし。今まで懸念していた、土地がない問題が解消された今、俺と愛犬の蜜月はすぐそこまできている。何人たりとも、これを妨げることはできない。
まあ、でも、そんなことを言って欲しいんでないのは分かる。迎える犬種決めあぐねている時に、両生類もいいよとか言われても響かない。犬が欲しいって言われてるんだ。犬種という括りの中で、提案しなければ。
「ビーグル、」
「ビーグル?」
「ああ、いや。何でもない。こっちの話だ。」
まずい。頭の中でビーグルが尻尾ふって顔をべろべろ舐め回してくる。思わず口をついて出てしまった。もしかしたら、レイも自分では制御できない称号に振り回された結果なのかもしれない。だがもう、ここまでだな。俺にしては、十分相手してやった方だろ。あとは自分で考えるがいい。俺がアドバイスしてやっても、自分で考える楽しみを奪うだけだからな。流石にビーグルで終わらせるのはあまりにもアレだから、何か一個アドバイスできればとは思うんだが。サービス開始前、どういうプレイングしようか夢想していた時、何が候補にあったかな?
「じゃあ、毒だ。」
「毒?」
「そう毒。美しい女性に似合うのは毒殺って、恐竜の時代からの法律だ。」
「その時代、ヒトはいなかったと思うけど。」
「この世界にはいるかもしれないだろう?そしたら成立する。」
考えていたいろんなルートの内の一つに毒がある。いろんな植物や生物から毒をとって、自由に調合して、最強の毒を作って販売するマッドサイエンティストのロールプレイにも興味があった。それが、遊び人になるとは。人生何があるか分からんものだ。だから、その毒プレイ君に譲るよ。最初のとっかかりが難しかろうが、その辺の草を手当たり次第、めちゃくちゃ煮詰めて、先の尖った棒にでも塗って静脈にでもブッ刺せば何かしら効果出るだろ。スーパーで生鮮食品買って、腐らせてもいいかも。魔物だって綺麗なわけじゃない。釣り人界隈に頼めばフグでも融通してくれるかもしれない。モルモットはいくらでも転がっている。魔物相手ならば人道を外れすぎなかったら、感謝こそされど、批判されることもなし。DNA的なものまでたどり着いたなら、協力してくれ。農場の隣にラボでも作って、美味しい作物を作ろう。
「毒か。うん、わかった。ありがと。」
「今後、植物も育てる予定があってな。その方面では、協力できるかもしれん。」
「うん。」
すっかりしおらしくなってしまったレイ。では、と今度こそ別れる。念の為、早足で門の方に向かうが、追ってくる様子はなし。文字通り、毒が効いてきたのかもしれない。残念な人ではあったが、ファーストデッドの称号も合わせてどんなプレイヤーになっていくか楽しみではある。落とし穴の件も有耶無耶になったし、時間を使いすぎたが、まあ必要経費ということで。
「あ、落とし穴埋めるの忘れた。」
まあいいか。畑も移動させるし、もうあの場所に用はない。作業しながらのお悩み相談も、印象悪いしな。そういえば、北の方向の先へは行ってなかったっけ?まあ、いいか、それこそユニークハンターのレイに譲ってやろうじゃないか。




