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趣味人のVRMMO  作者: et al.
12/19

ep.10

 

 無事?冒険者登録ができた。買取スペースが利用できるとのことなので、早速行こう。これで晴れて無一文からの脱却だ。誰からも誰からも後ろ指指される事はない。


「すみません。買取をお願いしたいのだが。」


「はいはい、買取ですねぇ。暴れウサギですかぁ。クエストは受けられたのですかぁ?」


 なんか猫科っぽい耳の生えた元気な女性が対応してくれた。ほう、別種族は初めて見た。こうやって共存しているのだろうか、いかにも異世界だ。カウンターに暴れウサギの皮と肉をそれぞれ一つずつ出す。大抵はクエストの納品としてドロップ品を出すのだろう。クエストのことを聞いてきた。


「いや、まだ仮登録でな。クエストの受注はできないんだ。」


「はあ、あれ、でも、お兄さん旅人さんじゃ。」


「俺は金を持っていない方の旅人なんだ。」


「ほえー、そんな旅人さんもいるんですねぇ。」


 旅人さんも大変ですねぇと言いながら、猫耳の女性は作業を進めていく。暴れウサギの皮と肉、〆て50リルを渡される。


「5、50リル。」


「はい、50リルです。クエストを受けていらっしゃれば、少し上乗せされるんですけどねぇ。内訳は、」


 はははと笑って受け流される。どうやら50リルで間違いなかったようだ。皮は20リル、肉は30リルという事らしい。ギルドに登録するだけでもウサギ10羽狩らなければならない。あのコーヒーは20羽分だ。この町の周りのうさぎが根絶やしになってしまうぞ。生態系が変わってしまっても、我々は責任を負えんぞ。10羽ってことは、俺がウサギ1羽狩るのにMP5消費するから、、と計算を始めてしまうが、そんなことしている場合じゃないことに気づく。さっさと行動しなくては。

 でも販売スペースも使用できるので冷やかしていこう。使える権利は行使しなくては。まあ市場調査だ。今販売されているので目ぼしいものは、初期装備よりも少しいいもの、この街と周辺の地図、携帯食料に薬類くらいだろうか。HP回復薬は150リル、MP回復薬は250リルだった。


「やっぱりあの店ぼったくりだったんだな。」


 危なかった。あの時、金がなくて良かった。HPは200リル、MPに至っては500リルとか言ってたよな。危うく倍近い金を騙し取られるところだった。何も知らない旅人カモにするトラップだろ。あの時の金のなかった俺に感謝しつつ外に出る。


「あ、便利魔法聞くの忘れた。」


 ギルドの外に出ると辺りは薄暗くなってきはじめていた。喫茶店のマスターが使ってた、一瞬で片付けを済ます方法。あれ、ギルドで教えてくれるって言ってたような。立ち止まって、引き返そうとするが、踏みとどまる。未だ仮登録の身、教えてくれるとは思わない。しかも、500リルためることを目標にしたのだ、先に進もう。そう思って足を踏みだ、せなかった。


「なぜだ、なぜか足が利かない。ものすごく魔法について知りたい。」


 500リル貯めるために、外に出て、モンスターを狩る決意をしたのに。その決意が、だんだん便利魔法について聞きたい欲に呑まれていく。町の外に向かおうとすると、足がすごく重たく感じる。ギルドの方に向かおうとすると、やたら足取りは軽やかだ。自分の意思ではなくスキップを始める勢いだ。その場で葛藤していると、周りから変な目で見られていることに気づく。


「これは、足が動かないから、仕方がないんだ。」


 自分に言い訳をして、軽い足取りでギルドに向かう。受付で便利魔法のことについて尋ねると、2階の資料室だと教わる。対応してくれた職員さんに礼を言い、2階へ上がる。2階には生産用の部屋があった。生産職を目指している人は最初ここで研鑽するのだろう。今も何人かが利用している。資料室は一番奥にあった。入ってみると、人はなし。古本の匂いがするが、決してカビ臭くはない。きちんと管理されているのだろうな。司書らしき人も見当たらなかったので、とりあえず、自力で探す。なんとかそれらしき本に辿り着き、手近にあった椅子に腰掛け、読み始める。


「やあやあ、すまない。ちょっと呼ばれててね。一応冒険者カードを見せてもらえるかい?」


 どうやら、司書さんはいたのだが、他に呼ばれていたのだろう。舞台役者のような話し方をする優男だ。資料の閲覧も冒険者登録が必要なのか。


「生活魔法というのか。便利な魔法があると聞いて。仮登録なんだが。」


「ええ!仮登録じゃ、まだ利用しちゃダメなんだけどな。でも、そこまで読んじゃったのか。仕方ないから今回だけね。次はちゃんと登録してから来てね。」


 ペラペラの仮登録カードを見せる。本当は正式に冒険者になってからでないと利用してはいけなかったようだ。だが、今回はと多めに見てくれた。いい奴じゃないか、優男。感謝しつつ、読み進める。内容は、生活魔法でできることと、使い方のようだ。料理用に小さい火種をつけること、皿洗いや身の回りを清潔にすることもできるようだ。こんな魔法最高じゃないか。毛の長い動物を飼っても、毛を気にしなくていいのだろう。現実で欲しい魔法第一位だ。


「恩に切る。俺はGAKU。旅人だ。」


「読み終わったかい。じゃあ、これを。僕はブルー。」


 そういうと、彼の指先が光、次いで俺の体が薄ら光る。


『【生活魔法】を獲得しました』


「君、珍しいもの持っているみたいだし、この本を読んだ旅人さんには教える決まりなんだ。」


 こちらの世界では、子供の頃から魔法に接するため、親などから自然と学び習得するらしい。それをプレイヤーに教えることができるブルーも、かなりの使い手なのかな。

 ブルーが意味深なことを言っていたが、なんだかんだ手に入ったので良かった。スキルポイントも使わないで済んだし、いうことない。運が良かったのかな。【LUK強化】様様だ。


GAKU

職業:旅人 Lv.1

 HP20

 MP25

 STR10

 VIT10

 INT10

 MID10

 AGI10

 DEX11

 LUK 11

 スキルポイント(残4P)


所持スキル

【DEX強化】【LUK強化】【MP強化】【水魔法Lv.1】【土魔法Lv.1】【料理】【気配希釈】【鑑定】【生活魔法】

称号

【豊穣神の加護】【欲望の僕】



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