↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
趣味人のVRMMO  作者: et al.
PR
114/127

ep.112

 

「サンドウォール」 「   」


 守護者と俺の間に突如隆起する砂の壁。守護者の振り下ろしを完全に止めるには至らないものの、その行動を阻害し、俺に回避する猶予を与えてくれる。それでも、まだ、足り、ん?何か、守護者の、動きが、遅い、ような?


「ルー、お前、今?」


「   」


「いや、助かったよ。」


 目の前の光景がスローモーションに感じる。俺が早くなったのか、周りが遅くなったのか。どちらにせよそのおかげで、かろうじて攻撃を回避することに成功する。危ない。もう少しで死ぬとこだった。俺がサンドウォールを使ったのと同時に、ルーが何かしら力を使ってくれたんだろう。ルーも俺が死ぬと思ったんだろうな。非常事態に力を貸してくれる程度には仲良くなったと思って良いんだろう。正直、助かった。おかげで、考察の続きができるよ。


 泉に落とす方法を考えながらも、常に守護者の動向を補足する。泉のギリギリに立って、瞬間移動した先が泉の上。あまりにも間抜けだが、試さざるを得ない。


「ダメか。」


 泉のギリギリに立つと衝撃波を飛ばしてきて、避けた先に、瞬間移動してくる。初見ではないので、避けられはするが、距離準拠の技だと思ってたので、面食らってしまう。流石に、そう簡単にはいかないか。まあ、一喜一憂している暇はない。元々、可能性は低そうだったんだ。次は、横薙ぎの時に出る短距離の突進を躱して、泉に突っ込ませる。あまりにも間抜けだが、これも試さざるを得ない。


「ダメだな。」


 これも不発。そもそも突進で泉に突っ込むくらいの距離調整が難しい。何度か試しても、泉ギリギリで止まってしまった。その時に魔法を当ててみたものの、軽いノックバックじゃ泉に落とすまでには至らず。若干通常よりも突進の距離が短くなっている気がしないでもないが、だからと言って、何かに利用できそうな気はしない。かくなる上は、自ら水の中に入るしかないか?いや、流石に最終手段すぎるな。


 物理的に介入してみるしかないかもしれない。例えば、足を引っ掛けるだとか、後ろから突き飛ばすだとか。組みついて、一緒に水に入るとか。それをするために、守護者の体を組成している黒い靄に触れるかの確認をしないといけないな。


「触れはする。」


 攻撃を避けた後に、守護者に触る。だいぶ目が慣れてきたのか、避ける感覚がついてきたのか、比較的簡単に成功できた。なんだか、人の体を触った時にはない、変な感触ではあるものの、黒い靄でできた体も実体はあった。妙な弾力。しかし、これは僥倖。触れないなら、打つ手はなかったからな。守護者が学習するタイプなら、一回で決めなければなるまい。それこそ、心中するつもりで水に入れなければ。


 問題は膂力で優っている守護者相手にそれを通せるか。それと、最終手段として守護者と一緒に入水する場合、ルーはどうするか。力の方は、今更どうすることも出来ん。やらなければ負けるだけだ。ルーは離れさせといてもいいんだが、ヘイトが分散してしまう可能性もある。先ほど、力を使ったのもあって、ルーの方にもヘイトは向かってしまっただろうし。作戦前に、一応魔法ぶつけとくとして、泉に入らざるを得ない場合には直前で離脱してもらうか。現場判断で、頼むよ。


「ウォーターボール!」


 作戦のために、泉付近で比較的近い距離での対峙を迫られる。魔法を当て、できる限りヘイトを自分にむけさせる。やはりダメージを与えることは出来ていないようだが、目的はヘイトを自分に集めることだ。これ、パーティー用だろ。正攻法は、タンクにヘイト集めさせて、一緒に飛び込ませて、後で蘇生だろ。


 守護者を突き落とすタイミングを図る。これもやはり、横薙ぎの突進の後がいいだろう。だが、そう都合よく横薙ぎを出してくれないことも、今までの戦闘でわかっている。完全な五分。でも、俺はLUK特化の遊び人、相手は咎人だぞ?どちらの運が強いか、答えは決まっている。


「来る!」


 守護者の体がブレる。瞬間移動の発生条件。これで、振り下ろしか横薙ぎの2択。もう、次決行すると決めた。ルーがまた何かしてくれたのか、やけにスローモーションに感じられる。守護者が目前に現れる。このモーションは、横。


「来たっ!」


 最小限の動きで、突進横薙ぎを回避し、守護者の後ろに回る。突進が終わった後の硬直に合わせて、前傾になった守護者の腰を力の限り押す。泉との距離は近くも遠くもなく、まあ、悪くない。流石に質量があるのか、徐々に泉の方に傾いていくものの、後一押しが、足りない。


「落ちろよ!サンドウォール!」


 砂の壁を発動する。指定場所は俺の足元。あまりいい足場とは言えないが、おかげで俺の方が位置エネルギーが上だ。最終手段だと思っていたが、ここまで来たら、いいよ。一緒に入水だ。


「   」


 硬直も解け始めたか、寸でのところで粘る守護者。一蓮托生、泉に入ろうと、その首元に飛びつく。その時、後ろで軽い爆発、その爆風が俺の勢いを後押しする。守護者ごと体が泉に入った。



 その瞬間、世界が、反転する。




次回っ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。